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AI推進の課題と対策

課題

6

AIツールや
プロンプトが、
社内で共有されない

共有されない5つの原因と、組織としての対策

便利なプロンプトを作った人がいて、部署にはGemやGemini Notebook(旧NotebookLM)で作ったAIツールもあります。それでも、そのことがほかの社員に伝わらず、同じものが一から作られていることがあります。ここでは、共有されない5つの原因と、原因ごとの対策を順に説明します。

AIを使いこなしている2人の利用の棒だけが長い社員の一覧と、そこから見本のカードの矢印がほかの社員へ広がっていくイラスト

こんな状態なら、このページが役に立ちます

✓ 隣の部署に便利なGemがあったと、あとになって知ったことがある
✓ 同じ目的のプロンプトやGemを、人や部署ごとに一から作っている
✓ プロンプトを受け取っても、何に使い何を入れればいいかが分からない
✓ GPTsの提供終了やGemの移行が決まったのに、社内に何がいくつあるか分からない

1つでも当てはまれば、下の「原因」と「原因ごとの対策」から読んでください。

このページの要点

1

置き場所がAIツールの種類ごとに分かれ、社内で探す方法もなく、作ったものがあること自体が知られていません。

2

名前・できること・使う職種・作った人・最終更新日を並べた一覧を作り、社内で探す場所を1つにします。

3

提供の形が変わっても作り直せるよう、プロンプトやGemの指示文と元の資料を表に控えておきます。

RISK

AIツールやプロンプトが共有されないままだと起きること

共有されないままだと、次のようなことが起きやすくなります。

  • 01

    同じものを、何人もが別々に作る

    同じ目的のプロンプトやAIツールを、部署や人ごとに一から作ることになります。

  • 02

    作った人がいなくなると、直す人がいない

    作った人が異動・退職すると、直す人も使い方を知る人もいなくなります。Gemにはオーナー権限を別の人に譲る機能がありますが、Googleのヘルプには、オーナーのアカウントが削除されたあとの扱いは書かれていません。業務で使うGemは、作った人がいるうちにオーナー権限を譲っておきます。

  • 03

    よく使われているものを、ほかの部署に広げられない

    どのツールがどの部署で使われているかが分からないため、よく使われているものを社内に広げる判断ができません。

  • 04

    AIツールの提供終了に備えられない

    Google WorkspaceのBusiness・Enterprise・Non-Profitのプランでは、2027年3月にGemの提供が終わり、Geminiの「スキル」という機能へ自動で移されます。ChatGPTのカスタムGPT(GPTs)も、2026年12月11日に提供を終える予定です(延期が認められたEnterpriseは2027年2月11日)。

Gemのスキルへの移行で決めておくことは、GeminiのGemは2027年3月に終了。スキルへの移行で企業が今から決めておくことにまとめています。

書いた人の経験

Gem153件を1件ずつ見直すことになった

2026年9月、Gemが提供終了になるかもしれないという話を受けて、社内で使ってもらっていたGem153件を1件ずつ見直し、110本をCanvasのアプリに作り直しました。

その後、Gemは2027年3月からスキルへ移ることが正式に決まりました。

いまは、誰が作り、どの部署で、どれくらい使われているかを先に一覧にしておくことを勧めています。

AI Portalize株式会社 代表取締役CEO 寺田昇平

寺田 昇平

― AI Portalize株式会社 代表取締役CEO(前職でグループ全体のAI推進を担当)

寺田のnote「Gem廃止の噂を受けて、153件のGemをCanvasアプリ110本に移管したら、意外と再現できました」「Gemの終了が正式に決まりました。企業は2027年3月」より

CAUSE & SOLUTION

AIツールやプロンプトが共有されない5つの原因と対策

5つの原因ごとに、組織として取れる対策を並べます。手順を詳しく書いた記事があるものは、あわせてご案内します。

置き場所がAIツールの種類ごとに分かれていても、社内で探す場所を1つの一覧にまとめると、ほかの部署の人も見つけられるようになります。

5つの原因は、ツールを置いてから直すまでの、それぞれ別の場面で起きます。

原因と対策の早見表

原因

対策

原因1
置き場所が、AIツールの種類ごとに分かれている

業務ごとに配り方を決め、指示文と元の資料は表にも控えておく

原因2
探す方法がなく、あること自体も知られていない

社内の一覧を1つにまとめ、新しく増えたものを毎月知らせる

原因3
本文だけが渡されていて、使い方が分からない

プロンプトは、用途と入力例を添えて渡す

原因4
使われたかどうかが、作った人に返ってこない

使われた回数を、作った人が見られるようにする

原因5
誰が直すか、いつ見直すかが決まっていない

共有するときに更新担当を決め、四半期に1度見直す

原因

1

原因

置き場所が、AIツールの種類ごとに分かれている

↓

対策

業務ごとに配り方を決め、指示文と元の資料は表にも控えておく

なぜ止まるか

プロンプトは個人のメモや共有フォルダの表に、Gemは作った人のGeminiとドライブに、Gemini Notebookは招待された人の画面の中にあります。ChatGPTのGPTsやClaudeのプロジェクトも使っている会社では、置き場所はさらに分かれます。

対策の進め方

置き場所はAIツールの種類ごとに分かれるので、業務ごとに、どの形で配るかを先に決めておきます。プロンプトの文面で配るか、GemやClaudeのプロジェクトで指示を固定して配るか、Gemini Notebookで資料をもとに答えさせるか、Canvasのアプリにするか、の4つから選びます。

あわせて、指示文と元の資料は、配った形とは別に表にも控えておきます。GemやGPTsのように提供の形が変わっても、作り直せるようにするためです。

どこに何があるかを社内で探せるようにする方法は、次の原因02の対策で扱います。

配り方の4つの形
  • プロンプト:文面で配る

  • GemやClaudeのプロジェクト:指示を固定して配る

  • Gemini Notebook:資料をもとに答えさせる

  • Canvasのアプリ:アプリにして配る

業務ごとに4つから選び、指示文と元の資料は、配った形とは別に表にも控えておきます。

この対策に使えるもの
原因

2

原因

探す方法がなく、あること自体も知られていない

↓

対策

社内の一覧を1つにまとめ、新しく増えたものを毎月知らせる

なぜ止まるか

Geminiのヘルプには、社内で共有されたGemを一覧で探す方法は書かれていません。共有されたGemは、一度開いて使うまで、自分のGemの一覧にも出てきません。社内で一覧を作っても、その一覧があることが知られていなければ、使われないままです。

対策の進め方

名前、何ができるか(1行)、使う職種、作った人、最終更新日を並べた一覧を作ります。社内で探す場所はこの一覧1つにして、新しく増えたものは月に1度、社内に知らせます。

一覧に並べる項目
  • 名前

  • 何ができるか(1行)

  • 使う職種

  • 作った人

  • 最終更新日

社内で探す場所はこの一覧1つにして、新しく増えたものは月に1度知らせます。

この対策に使えるもの
  • 組織のAIポータル「AI Portalize」:Gem・Gemini Notebook・スキル・HTMLアプリ・GASアプリを、AIツールとして登録し、全社に共有できます。名前・説明・タグで検索できます。

原因

3

原因

本文だけが渡されていて、使い方が分からない

↓

対策

プロンプトは、用途と入力例を添えて渡す

なぜ止まるか

何に使うものか、入れる材料、入れてはいけない情報が添えられていないと、受け取った人は試す前に手が止まりやすくなります。

対策の進め方

本文と一緒に、何に使うか、入れる材料、入れてはいけない情報、入力例と出力例、更新担当を書き添えます。渡す前に、経緯を知らない人に説明なしで使ってもらい、迷ったところを直しておくと、受け取った人が試しやすくなります。

プロンプトの渡し方
よくある形

本文だけを渡す

受け取った人は、試す前に手が止まる

こうする

何に使うか、入れる材料、入れてはいけない情報を添える

入力例と出力例、更新担当も書く

経緯を知らない人に使ってもらい、迷ったところを直してから渡す

本文と一緒に、使い方が分かる情報を添えて渡します。

この対策に使えるもの
原因

4

原因

使われたかどうかが、作った人に返ってこない

↓

対策

使われた回数を、作った人が見られるようにする

なぜ止まるか

共有したツールが使われているのかどうかは、作った人には分からないままになりがちです。反応が返ってこないと、作った人が、次のツールを作って共有しようと思いにくくなります。

対策の進め方

利用の数字が取れるツールは、その数字を作った人が見られるようにします。たとえばGemini Notebookでは、自分以外の4人以上と共有していて、過去7日間にチャットがあった場合に、「アナリティクス」で1日あたりのユーザー数とクエリ数を確かめられます。数字が取れないツールは、月に1度、部署で「今月どれを使ったか」を聞いて、作った人に伝えます。

使われた回数が作った人に返ると、直す材料になり、次のツールを作って共有するきっかけにもなります。

この対策に使えるもの
原因

5

原因

誰が直すか、いつ見直すかが決まっていない

↓

対策

共有するときに更新担当を決め、四半期に1度見直す

なぜ止まるか

更新する人がいないと、古いプロンプトやツールが残り続けます。似たものがいくつも並び、使う人はどれを選べばよいか迷います。

対策の進め方

共有するときに、更新担当と副担当を決めます。直した内容と理由を記録に残し、四半期に1度、使われていないものをいったん一覧から外します。

共有してからの見直し
  1. 共有するとき 更新担当を決める:更新担当と副担当を決める

  2. 直したとき 記録に残す:直した内容と理由を残す

  3. 四半期に1度 一覧を見直す:使われていないものを、いったん一覧から外す

共有するとき、直したとき、四半期ごとに、更新担当がすることです。

この対策に使えるもの

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社内のAIツールやナレッジを1か所で共有する、
組織のAIポータル「AI Portalize」

AI Portalizeは、社内で作ったAIツールとAI活用のナレッジを1か所に集め、全社で探して使えるようにする組織のAIポータルです。上の対策のうち、一覧づくり、探しやすさ、使われた回数の確認を、次の機能で進められます。

・Gem・Gemini Notebook・スキル・HTMLアプリ・GASアプリを、AIツールとして登録し、全社に共有できます。
・Chromeの拡張機能から、Gemの編集画面でそのままAI Portalizeに登録できます。
・AIツールは名前・説明・タグで検索でき、種別・作成者・タグで絞り込めます。全社・チーム・同じ職種の中での人気順にも並べ替えられます。
・プロンプトや使い方は、ナレッジの記事として誰でも書いて、全社に公開できます。
・ツールごとに、使われた回数と使っている人が分かります(Chromeの拡張機能とGoogle Workspaceとの連携で記録します)。いいねも作った人に届きます。Gemをスキルへ移すときに、残すツールを選ぶ材料にもなります。
・社内のほかの人のツールや、AI Portalizeが用意した公式のツールを、コピーして自分用に直して使えます。

共有のルールづくりや運用の立ち上げは、AIコンサル&伴走支援でもお手伝いします。

FAQ

AIツールの社内共有についての
よくある質問

FAQ

  • Q

    AI Portalizeは、プロンプト管理ツールと何が違いますか?

    A

    プロンプトを版ごとに細かく管理する専用のツールではありません。プロンプトの使い方を書いた記事と、Gem・Gemini NotebookなどのAIツールを社内でまとめて探せるようにし、どれが使われているかを見えるようにするポータルです。

  • Q

    社内で共有されたGemは、どこから探せますか?

    A

    Geminiの中では、共有されたGemは一度開いて使うと自分のGemの一覧に入り、その後は「ドライブで探す」でドライブ上の置き場所も確かめられます。まだ開いていないGemまで含めて社内でまとめて探せるようにするには、一覧を別に用意します。AI Portalizeに登録すると、名前・説明・タグで探せます。

  • Q

    ChatGPTのGPTsやMicrosoft Copilotのエージェントも、AI Portalizeに登録できますか?

    A

    AIツールとして登録できるのは、Gem・Gemini Notebook・スキル・HTMLアプリ・GASアプリです。GPTsやCopilotのエージェントは登録できませんが、プロンプトや使い方は、どのAIのものでもナレッジの記事として共有できます。利用回数の集計は、Gemini(Chromeの拡張機能とGoogle Workspaceとの連携)とClaude(管理者が利用データを取り込む形)に対応しています。

  • Q

    GemがGeminiのスキルに移ると、社内での共有はどうなりますか?

    A

    移ったスキルは、作った人が有効にするまで、社内では使えません。Google Workspaceの管理者向けヘルプでは、Gemのドライブの権限と共有設定はスキルに移されると説明されていますが、移されたスキルは作った人のスキル一覧に「無効な下書き」として入り、有効にするまでは使うことも共有することもできないためです。作った人がもういない場合に誰が有効にできるかは、ヘルプに書かれていません。業務で使うGemは、早めにオーナー権限を残る人へ譲っておきます。

このページの各社の製品の仕様と日付は、2026年10月時点の公式ヘルプで確かめた内容です。

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