組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

Gemの共有方法と、共有されたGemの探し方。スキルへの移行の前に決めること

Gemの共有方法と、共有されたGemの探し方。スキルへの移行の前に決めること

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

「この前作ったGem、私にも共有してもらえますか?」と頼まれたら、まず共有の画面を開くことになります。

Gemの共有そのものは、数回のクリックで終わります。
ただ、受け取った側がどこから開くのか、作った人が異動したらどうなるのかまで分かっている人は多くありません。
さらにGoogleはGemを「スキル」に切り替えると発表していて、企業向けのWorkspaceでは2027年3月以降にGemが使えなくなります。

今回は、2026年10月23日に確認したGoogleの公式ヘルプをもとに、Gemの共有方法と、共有されたGemの探し方を見ていきます。
あわせて、管理者の設定、オーナーが退職・異動したときの扱い、スキルへの移行で共有がどうなるのかも確かめます。

Gemの共有そのものは数回のクリックで終わるが、共有したあとに困ることが3つあり、それぞれ移行までに決めておくことを並べた図。共有されたGemは開いて使うまで一覧に出てこないので、共有しているGemの一覧を作る。オーナーのアカウントが消えたときの扱いはヘルプに書かれていないので、業務で使うGemのオーナーを決め、異動や退職の予定がある人のGemは今のうちに残る人へ譲っておく。移されたスキルは作った人が有効にするまで使うことも共有することもできないので、下書きを有効にする人を決めておく

Gemは、指示と資料を入れたGeminiを、そのまま人に渡せる仕組みです

共有の手順に入る前に、共有すると相手に何が渡るのかを押さえておきます。

Gemは、目的に合わせた指示と参考資料を入れておけるGeminiで、ヘルプでは「Geminiのカスタマイズ版」と説明されています。
共有したGemはGoogleドライブに保存され、ドライブのファイルと同じ仕組みで共有されます。

ただ、共有したGemのカスタム指示とアップロードしたファイルは、閲覧者でも見られます。
指示の中に顧客名や社外秘の数字を書いている場合は、共有する前に外しておきます。

Gemの共有は、共有アイコンから相手と権限を選んで送ります

ここからは、パソコンのブラウザでGemを共有する手順です。
ヘルプ「Gemini アプリで Gem を共有する」の内容を、確認した範囲で並べます。

1. パソコンで gemini.google.com を開き、共有したいGemを探す(2026年11月16日まではサイドバーの「Gem」から、11月17日以降はGeminiアプリの「設定」の中から)
2. そのGemの共有アイコンをクリックする
3. 相手のメールアドレスを入れる(仕事用のアカウントでは候補から選べる)
4. 権限を「閲覧者」か「編集者」から選ぶ
5. 必要なら有効期限やメッセージを付けて、「送信」または「共有」を押す(表示されるほうを押す)

11月17日にGemが「設定」に移ることは管理者向けヘルプに書かれていますが、「設定」の中のどこに置かれるかは、2026年10月23日時点ではまだ案内されていません。

権限は2種類あり、できることは次のように分かれます。

権限

できること

閲覧者

Gemを使う。カスタム指示とアップロードしたファイルを見る

編集者

閲覧者の操作に加えて、指示やファイルを変える、ほかの人に共有する、Gemを削除する

部署の全員に同じGemを使ってもらうなら、閲覧者で配るのが基本です。
ヘルプにあるとおり、編集者が手を加えるとGeminiの答えが変わることがあるので、直せる人は作った人と代わりの1人くらいに絞っておくと安心です。
編集者を増やしすぎると、「いつの間にか指示が変わっていた」「Gemが消えていた」という事故も起きやすくなります。

Gemを共有するときに選ぶ2つの権限を左右に並べた図。閲覧者はGemを使え、カスタム指示とアップロードしたファイルも見られるので、顧客名や社外秘の数字は共有する前に外しておく。編集者は指示やファイルを変える、ほかの人に共有する、Gemを削除することができ、変えるとGeminiの答えが変わることがあるので、作った人と代わりの1人くらいに絞る。ファイルの権限は閲覧者・閲覧者(コメント可)・編集者から選び、ファイルを見せたくない相手にはGemを共有しない

有効期限は、相手の権限を選んだあとの「有効期限を追加」から、日付と時刻で決めます。
プロジェクトの間だけ協力会社の人に使ってもらう場面で設定しておくと、共有の外し忘れを防げます。

Gemにファイルをアップロードしている場合は、そのファイルも相手に共有するかを聞かれます。
ファイルの権限は「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」の3つから選びます。
ヘルプでは、ファイルを見せたくない相手にはGemを共有しないよう注意しています。
また、Gemini Notebook(旧NotebookLM)のノートブックは、共有するGemのソースには使えません。

共有アイコンからリンクをコピーして、チャットやメールに貼ることもできます。
ただ、リンクから使えるのはアクセス権を持っている人だけなので、先に相手を追加するか「一般的なアクセス」を広げておきます。
選択肢は「一般公開」「リンクを知っている全員」「組織内」「非公開」の4つで、仕事用のアカウントでは一部が出ないことがあります。
社内に配るなら「組織内」を選ぶと、組織のアカウントでログインしている人がリンクから開けます。

共有されたGemは、開いて使うまで一覧に出てきません

受け取った側でよく起きるのが、「共有されたはずのGemが見当たらない」という戸惑いです。
受け取った人がどこから開けばよいのかを、ヘルプの記述で確かめておきます。

Gemを共有すると、通知を外していなければ、相手には共有されたGemへのリンクが入ったメールが届きます。
英語版のヘルプでは、共有されたGemは自動ではGemの一覧に入らないと説明されています。
一度開いて話しかけると、そこで初めて「マイ Gem」に追加されます。
つまり、メールのリンクから一度開くまでは、Geminiの画面で探しても見つからないことがあります。

共有のメールが見つからないときは、共有した人にリンクを送り直してもらうのがいちばん早く済みます。
一度開けば「マイ Gem」に入るので、その後は、Gemの一覧にある「その他」メニューの「ドライブで探す」で、ドライブ上の置き場所も確かめられます。
ヘルプによると、共有したGemとアップロードしたファイルはドライブの新しいフォルダに保存され、アクセス権を外されると、そのGemは相手のドライブからも消えます。

Gemを共有されると、通知を外していなければ、相手にはGemへのリンクが入ったメールが届く。メールのリンクから開いて話しかけると「マイ Gem」に追加され、その後は「ドライブで探す」で置き場所も確かめられる。まだ一度も開いていないうちは、共有されたGemは自動では一覧に入らないので、Geminiの画面で探しても見つからないことがある。共有のメールが見つからないときは、共有した人にリンクを送り直してもらうのがいちばん早い

個人の手元ではこれで足りますが、組織で見ると別の問題が残ります。
組織の中で共有されているGemを一覧で探す方法は、確認した範囲のヘルプには書かれていませんでした。
「組織内」で公開しても、リンクを知らない人にはGemがあることすら伝わりません。
その結果、隣の部署が同じ用途のGemを一から作り直す、ということが起きます。

共有したGemは、名前・用途・作った人・リンクを1か所にまとめておかないと、社内では見つからないままです。
スプレッドシートの一覧でも始められますが、更新する人を決めないと、新しいGemが載らないまま古い一覧が残ります。

一覧が無く隣の部署に知られないことは、Gemを社内で共有しても見つからない原因の1つで、対策も合わせて書いています。

社内のAIツールを一覧にして使われる状態にする考え方は、共有したのに使われない。社内AI資産をカタログ化するで扱っています。

管理者の設定とファイルの形式によって、Gemを共有できないことがあります

Workspaceのアカウントでは、Gemの共有は管理者の設定と、ドライブの共有設定のもとで動きます。
情シスが確かめておく設定と、共有できないときの見方をまとめておきます。

設定の場所は、管理コンソールの「生成 AI」→「Gemini アプリ」→「Gem の共有」です。
「ユーザーに Gem の共有を許可する」で、共有を許すかどうかを決めます。
組織部門やグループごとに分けて設定でき、グループの設定のほうが優先されます。
2025年9月の発表では初期状態はオンで、変更の反映には最長で24時間ほどかかることがあります。

ただ、共有をオフにしても、すでに共有されたGemはドライブから開けて、共有もできるとされています。
また、ドライブで社外との共有を許している組織では、Gemも社外に共有できます。
社外に出したくないなら、Gemの設定ではなく、ドライブの共有設定のほうで決めることになります。

では、仕事用のアカウントで共有ボタンを押しても先に進めないときは、何を疑えばよいのでしょうか?
ヘルプが挙げている理由は、共有に対応していない形式のファイルがGemに入っている場合と、管理者がGemの共有を止めている場合の2つです。
原因の切り分け方と、情シスへの頼み方はGemが共有できない原因と対処。管理者の設定と参照ファイルの確かめ方で詳しく扱っています。

オーナーが退職・異動する前に、Gemのオーナー権限を譲っておきます

共有したGemでいちばん困るのが、作った人がいなくなったときです。
ヘルプで確かめられたことと、確かめられなかったことを分けて書きます。

Gemには、オーナー権限を別の人に譲る機能があります。
操作は、共有の画面から進めます。

1. 共有のときと同じようにGemの一覧を開き、譲りたいGemの共有アイコンをクリックする
2. 譲る相手の行で、その人の権限の表示をクリックする
3. 「オーナー権限を譲渡」を選び、「はい」を押す

譲れるのはそのGemにアクセスできる人だけなので、まだ共有していない人には、先に共有してから譲ります。
譲ったあとは、新しいオーナーが元のオーナーのアクセス権を外せるようになります。

一方で、オーナーのアカウントが削除されたときにGemがどうなるのかは、確認したヘルプには書かれていませんでした。
退職の手続きでドライブのファイルのオーナーを移すのと同じ時期に、Gemの共有の画面からもオーナーを譲っておきます。

移行を考えると、早めに手を打っておく理由がもうひとつあります。
自動で移されたGemは、作った人が有効にするまで使えません(次の節で説明します)。
作った人がもういない場合や、オーナーを譲ったあとに誰が有効にするのかは、ヘルプに書かれていません。

それでも、持ち主のいないGemを残さないために、業務で使うGemは今のうちに残る人へオーナーを譲っておきます。
スキルとして作り直すのは、スキルの共有が使えるようになってからにします。

Gemのオーナーが退職・異動するときについて、ヘルプで確かめられたことと、書かれていないことを分けた図。オーナー権限は別の人に譲れるが、譲れるのはGemにアクセスできる人だけなので、まだ共有していない人には先に共有してから譲る。譲ったあとは新しいオーナーが元のオーナーのアクセス権を外せる。オーナーのアカウントが削除されたあとのGemの扱いと、作った人がいないときや、オーナーを譲ったあとに、移された下書きを誰が有効にするかは、ヘルプに書かれていない

退職・異動で止まるAI資産全般の引き継ぎは、退職・異動でAI自動化が止まる。オーナー権限の引き継ぎチェックリストにまとめています。

スキルへの移行で共有設定は引き継がれますが、作った人が有効にするまで使えません

共有しているGemも、スキルへの切り替えの対象になります。

日程は、Geminiアプリのヘルプと管理者向けヘルプの「Gem からスキルへの移行について」(どちらも2026年10月23日に確認)で、次のように案内されています。

時期

起きること

2026年10月13日〜11月中旬

Geminiアプリでスキルが順に使えるようになる。この間はGemとスキルの両方を使える

2026年11月

個人のGoogleアカウントでGemが終わり、スキルに移る

2026年11月17日

GemがGeminiアプリの「設定」の中に移る。作成・編集・使用は引き続きできる

2027年3月1日以降

Workspaceのビジネス・エンタープライズ・非営利団体のアカウントで、Gemの作成・編集・使用が終わる

2027年6月1日以降

Workspaceの教育機関のアカウントで、同じ変更が入る

自動移行の詳しい内容は、始まる30日以上前に同じページで案内するとされています。
では、共有していたGemは、移行のあとどうなるのでしょうか?
管理者向けヘルプが書いているのは、次の3点です。

  • Gemの名前、説明、カスタム指示、アップロードした知識ファイルは、スキルに引き継がれる

  • Gemに付けていたドライブの権限と共有設定は、対応するスキルに移される

  • 移されたGemは非アクティブな下書きになり、作った人が有効にするまで使うことも共有することもできない

つまり、共有の相手を一から設定し直す必要はなさそうですが、作った人が1つずつ有効にする手間は残ります。
共有しているGemが多い人ほど、移行の直後にこの作業が集中します。

Gemの提供が終わると、自動でスキルに移されることを示した図。名前・説明・カスタム指示・知識ファイル(対応している形式のもの)は引き継がれ、ドライブの権限と共有設定も対応するスキルに移される。ただし移されたスキルは作った人のスキル一覧に非アクティブな下書きとして入り、作った人が有効にするまで、使うことも共有することもできない

もうひとつ気をつけておきたいのが、スキルの共有機能がまだそろっていない点です。
2026年10月13日のWorkspace Updatesでは、Geminiアプリのスキルの共有とドライブとの連携は「今後数週間のうちに」加えるとされています。
一方、Gmailやドキュメントのサイドパネル、Workspace Studioで使うスキルの提供は「追って知らせるまで延期」になっています。
GeminiアプリのスキルとWorkspace側のスキルは同期しないので、両方で使いたい場合は、Workspace側のスキルが使えるようになってから別に作る必要があります。

Workspace Studioのフローに「Gem に質問」のステップを入れている場合も、注意が要ります。
このステップは2027年の終了日以降に動かなくなるので、スキルなどへの置き換えを済ませておきます。

Gemの終了とスキルの中身、スキルでまだ使えない機能は、GeminiのGemは2027年3月に終了。スキルへの移行で企業が今から決めておくことで詳しく扱っています。

共有したGemは、社内で探せる場所に登録しておけます

共有されたGemが見つからない問題も、誰が何を持っているか分からない問題も、社内に一覧がないところから起きています。

私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」では、Chrome拡張がGemの一覧に共有済みかどうかを表示し、Gemの編集画面からそのまま登録できます。
登録したGemは名前・説明・タグで検索でき、ツールごとに使われた回数と使っている人が見えるので、移行で残すGemを選ぶ材料にもなります。

共有しているGemは、持ち主と置き場所を決めてから移行を迎えます

Gemの共有は、共有アイコンから相手と権限を選べば済む、手軽な機能です。
ただ、共有したあとに「どこにあるか」「誰が持っているか」が決まっていないと、受け取った人は見つけられません。
作った人がいなくなれば、誰も手を付けられなくなります。

企業向けの切り替えが始まる2027年3月までに、次の3つを決めておくと、移行のときに慌てずに済みます。

  • 共有しているGemの一覧:名前、用途、オーナー、共有の範囲、使っている部署

  • 業務で使っているGemのオーナー:異動や退職の予定がある人のGemは、今のうちに残る人へ譲っておく。スキルとして作り直すのは、スキルの共有が使えるようになってから

  • 下書きを有効にする人:自動で移されたスキルを、誰がいつ確かめて有効にするか

社内のAIボットを作って共有し、改善していく全体の流れは、社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルにまとめています。

手始めに、自分が共有しているGemと自分に共有されているGemを書き出して、それぞれのオーナーが誰かを確かめておきます。
オーナーが分かれば、誰に譲るのかを1つずつ決めていけます。

すぐ使える業務アプリが300以上

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執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

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