組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

ChatGPT EnterpriseとBusinessの違い。会社で契約するときの料金と選び方

ChatGPT EnterpriseとBusinessの違い。会社で契約するときの料金と選び方

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

ChatGPT EnterpriseとChatGPT Business(旧ChatGPT Team)は、どちらもChatGPTを会社で契約するためのプランです。
Businessは管理者がクレジットカードでその場で申し込め、Enterpriseは営業担当者と契約を結びます。

どちらも、入力した内容は初期設定のままではAIの学習に使われません。
違いが出るのは、使える人数、社員の出入りと権限の管理、データを残す期間と保存する地域です。

200人以下で、会社のアカウントでのログインに限れれば足りるなら、Businessで十分です。
それより細かい条件が情報システム部門や法務から出ているなら、Enterpriseを選びます。

ChatGPTの法人プラン2つを左右に並べた図。ChatGPT Businessは管理者がクレジットカードでその場で申し込み、2〜200席、会社のアカウントでのログイン(SSO)が使える。ChatGPT Enterpriseは営業担当者と契約し、200席を超えても契約でき、入社と退職の自動反映(SCIM)、データを保存する地域の指定、保持期間の設定ができる。どちらも入力した内容は初期設定で学習に使われない

ChatGPT EnterpriseとBusinessの違いの早見表

OpenAIの料金ページとヘルプに載っている内容から、2つのプランの違いを1枚の表にしました。

項目

ChatGPT Business

ChatGPT Enterprise

申し込み方

管理者がその場で申し込む

営業担当者と契約する

料金

公開(1人あたり月20ドルから)

公開されていない

人数

2〜200席

200席を超えても契約できる

会社のアカウントでのログイン(SSO)

あり

あり

入社と退職の自動反映(SCIM)

なし

あり

部署ごとの権限

なし

あり

データの保持期間

メンバーを外しても期限なく保持

管理者が決める

データを保存する地域の指定

なし

日本を含む10の地域

支払い

クレジットカード

請求書払いなど

入力した内容を学習に使うか

初期設定で使わない

初期設定で使わない

当社では、迷ったときは「入社と退職の自動反映」と「データを保存する地域」の2行から見ることをおすすめします。
一言でいうと、この2つが要るかどうかで、比べる相手がほぼ決まります。

法人プランと個人向けのPlusの違い

OpenAIの料金ページでは、無料版・Go・Plusは個人向け、BusinessとEnterpriseは企業向けのプランと説明されています。
企業向けのプランは2人から使え、会社の「ワークスペース」の中で、メンバーとデータを所有者や管理者がまとめて管理します。

社員が個人向けのPlusを経費で契約している場合は、データの設定がそれぞれの手元にあります。
もちろん、会社からは誰がどう使っているかが見えません。

なお、ヘルプのChatGPT Businessの概要によると、Businessは以前の「ChatGPT Team」が2025年8月29日に名前を変えたものです。
社内の稟議書にTeamと書かれていれば、同じプランを指しています。

ChatGPT Businessの料金とシートの種類

Businessは、料金が公開されていて、その場で申し込めるプランです。
ヘルプに載っている米ドルの料金は、次のとおりです。

シート

年額課金

月額課金

使える量

スタンダード

1ユーザーあたり月20ドル

月25ドル

ChatGPT・Codexなどの基本の利用枠

プレミアム

1ユーザーあたり月100ドル

月125ドル

スタンダードの5倍の利用枠で、5時間単位の利用上限がない

日本語の料金ページでは、スタンダードが「¥3,050から」、プレミアムが「¥15,250から」と表示されています。
料金は国や通貨で変わる場合があるとヘルプにあるので、稟議に載せる円の金額は申し込みの画面で確かめてください。

1つのワークスペースで、2種類のシートを組み合わせて買えます。
例えば、多くの人はスタンダードにして、長い資料やCodexを毎日使う人だけをプレミアムにする分け方です。

ChatGPT Businessのシート2種類を重ねた図。スタンダードは年額課金で1ユーザーあたり月20ドル、月額課金で月25ドルの基本の利用枠。プレミアムは年額課金で月100ドル、月額課金で月125ドルで、スタンダードの5倍の利用枠があり、5時間単位の利用上限がない。1つのワークスペースで組み合わせて買え、最低2席、2種類を合わせて200席まで。円の金額は申し込みの画面で確かめる

最低2席が必要で、2026年8月24日以降に作ったワークスペースでは、2種類を合わせて200席が上限です。
シートを買って割り当てられるのは、ワークスペースの所有者だけです。

席を増やすと残りの期間の分が日割りですぐ請求され、減らした分は次の請求期間から反映されます。
また、BusinessにはAPIの利用料は含まれないので、APIを使うなら別の契約になります。

ChatGPT Enterpriseの契約と料金

Enterpriseは、OpenAIの営業チームに問い合わせて契約するプランです。
料金ページの表示は「カスタム料金」で、金額は載っていません。

ヘルプによると、使えるシートの種類と請求の条件は契約によって変わります。
料金ページでは、請求書の発行とボリューム割引、年中無休の優先サポートやSLA(サービスの品質の約束)がEnterpriseの側に並んでいます。

Businessのヘルプも、請求書払いや発注書、ゼロデータ保持(会話のデータを残さない契約)が必要な場合は、営業担当者と契約するサービスを使うよう案内しています。

とはいえ、最初からEnterpriseで契約しなければならないわけではなく、Businessで始めてから移る道もあります。
今のBusinessのワークスペースとデータを残したままEnterpriseに上げたい場合は、営業担当者に問い合わせるとヘルプにあります。

管理機能の違い(SCIM・権限・共有リンク)

情報システム部門から条件が出やすいのは、料金よりも管理の機能です。
料金ページの機能の比較表から、組織での管理に関わる項目を抜き出しました。

項目

Business

Enterprise

SAML SSO・ドメイン認証

あり

あり

管理コンソール・アナリティクスダッシュボード

あり

あり

SCIM

なし

あり

ロールベースのアクセス制御

なし

あり

IP許可リスト・エンタープライズキー管理

なし

あり

Compliance API ログプラットフォーム

なし

あり

データレジデンシー(日本を含む10の地域)

なし

あり

SSOは両方で使えるので、「会社のアカウントでしかログインさせない」だけならBusinessでも足ります。
差が大きいのはSCIMで、会社のIDの管理と連動させて、入社した人の追加と退職した人の削除を自動で反映できます。

ChatGPT BusinessとEnterpriseの管理機能を比べた図。会社のアカウントでのログイン(SSO)はどちらも使える。入社と退職の自動反映(SCIM)はEnterpriseだけで、Businessは所有者と管理者が招待と削除を手で行う。部署ごとに使える機能を分ける権限の設定はEnterpriseだけ。共有リンクはどちらも同じワークスペースのメンバーにしか開けないが、ワークスペース全体で止める設定はEnterpriseだけ

Businessでは、所有者と管理者が招待と削除を手で行います。
当社の見立てでは、人数が増えるほど、退職した人の外し忘れが起きやすくなります。

ロールベースのアクセス制御は、グループごとに使える機能やモデルを分ける仕組みです。
ヘルプでは、「ワークスペースの設定」の「権限とロール」でカスタムロールを作り、グループに割り当てる手順が案内されています。
研究開発の部署にだけ、あるプラグインを使わせるような分け方をしたい組織は、Enterpriseを前提に考えます。

共有リンクの扱いも分かれます。
Businessの共有リンクは同じワークスペースのメンバーにしか開けませんが、ワークスペース全体で共有リンクを止める設定はEnterpriseにしかありません。

データの扱いの違い(学習・保持期間・保存する地域)

「Businessだと、データの守りはEnterpriseより弱くなるのか?」という声が上がります。
学習と暗号化に限れば、公式の説明に差はありません。

OpenAIのエンタープライズプライバシーのページでは、BusinessもEnterpriseも、会社のデータを初期設定でモデルの学習に使わないとしています。
保存中のデータはAES-256、送受信の途中のデータはTLS 1.2以上で暗号化されます。

無料版や個人向けのプラン、APIと比べた学習の扱いは、「AIに入力した情報は学習される?無料版・法人版・APIの違いを整理」で比べています。

また、差が出るのは、データをどれだけの期間残すかです。
Enterpriseでは、データの保持期間をワークスペースの管理者が決められ、削除された会話は法律で残す必要がある場合を除いて30日以内に消されます。
Businessについては、メンバーをワークスペースから外しても、その人のチャットとファイルは期限なく保持されるとヘルプにあります。

データを保存する地域も違います。
Enterpriseは日本を含む10の地域でデータレジデンシー(データを保存する地域の指定)に対応していて、料金ページの比較表ではBusinessは対象外です。
社内の規程や取引先との契約で「データを国内に置く」と決めている会社は、この1点でEnterpriseが候補になります。

BusinessとEnterpriseのデータの扱いを5つに分けた図。初期設定で学習に使わないことと、保存中と送受信の途中の暗号化は、2つのプランで同じ。データの保持期間(Enterpriseは管理者が決め、Businessはメンバーを外しても期限なく保持)、データを保存する地域の指定(Enterpriseは日本を含む10の地域)、会話の監査ログ(EnterpriseはCompliance APIで取れる)は違う

管理者が会話を見られるかどうかも、プランで違います。
Businessでは、初期設定のままなら、メンバーの非公開のチャットを管理者や所有者がすべて見ることはできません。
Enterpriseでは、ワークスペースの管理者がCompliance APIを通じて、会話やGPTの監査ログにアクセスできます。

データの扱いは、社内の規程や契約によって求められる水準が変わります。
どちらのプランにするかの最終判断は、社内の情報システム部門や法務に確かめてください。

会社の条件から選ぶ順番

機能を端から比べるより、社内で「これがないと契約できない」と言われている条件から当てていくと迷いません。
次のような条件が1つでも当たれば、Enterpriseを候補にします。

  • 使う人が200人を超える

  • 入社と退職をIDの管理と自動で連動させたい

  • データを日本に保存する決まりがある

  • データの保持期間を会社で決めたい

  • 会話の監査ログを取りたい

  • 請求書払いや発注書が必要

どれにも当たらず、SSOで会社のアカウントに限定できればよいなら、当社ではBusinessで始めることをおすすめします。
数十人の部署で試し、使う人が増えて管理の条件が出てきたら、データを残したまま移れるかを営業担当者に相談します。

ChatGPTの法人プランを選ぶ順番を並べた図。1は情報システム部門や法務から出ている条件を書き出す。2は200人を超えるか、入社と退職の自動反映、データを日本に保存する決まり、保持期間、監査ログ、請求書払いのどれかに当たるかを見て、当たればEnterpriseを候補にする。3はどれにも当たらなければBusinessで数十人の部署から試す。4は使う人が増えて管理の条件が出てきたら、データを残したまま移れるかを営業担当者に相談する

どちらのプランでも、GPT(GPTs)は2026年12月11日に提供を終える予定だと、カスタムGPTの提供終了のFAQにあります。
延期が承認されたEnterpriseのワークスペースでも2027年2月11日までなので、GPTを社内に配る使い方を前提にプランを比べないようにします。
GPTsの共有と、移し先のプラグインでのやり直しは、GPTsの共有方法と、共有できないときの原因。提供終了後の移し先と手順にまとめています。

チームで資料と指示をまとめて使うプロジェクトは、どちらのプランでも共有できます。
共有の相手は、社内のメンバーに限ってください。

契約の前に社内で決める所有者と個人アカウントの扱い

プランを決めたら、ワークスペースを作る前に、社内で3つのことを決めておきます。

まずは所有者です。
Businessでは席の購入と割り当てができる唯一の役割なので、異動の少ない部署の人に持ってもらいます。

ヘルプによると、メンバーを外すと、その人のプロジェクトとGPTはワークスペースの所有者に移ります。
ただ、外した人の会話とファイルは所有者には移らず、所有者からも見えません。
後任に残したい資料は、プロジェクトのファイルや社内の文書に置いておく決まりにします。

契約の前に社内で決めておく3つと、その理由を対にした図。所有者は異動の少ない部署の人にする。Businessでは席の購入と割り当てができる唯一の役割だから。個人のChatGPTの扱いは、統合の前に会話を保存してもらう。統合は元に戻せず、会社のワークスペースからデータをまとめて保存する機能もないから。入れてよい情報は別に線を引く。学習に使われなくても、顧客の個人情報や秘密保持契約で預かったデータを入れてよいかは別の話だから

次に、社員が個人で使ってきたChatGPTの扱いです。
個人のワークスペースを会社のワークスペースに統合すると、元には戻せません。
BusinessでもEnterpriseでも、メンバーが自分で会社のワークスペースのデータをまとめて保存する機能はないので、個人の会話を手元に残したい人には、統合の前に保存してもらいます。

もう1つが、会社の情報をどこまで入れてよいかの線引きです。
学習に使われない法人プランでも、顧客の個人情報や秘密保持契約で預かったデータを入れてよいかは、別に決めておく必要があります。
線引きの考え方は、生成AIに入れてはいけない情報とは。社内ルールを3段階で線引きするで扱っています。

契約したあと、部署ごとにプロジェクトやプラグインが増えていくと、ほかの部署からは何があるのか見えなくなります。
その状態は「AIツールやプロンプトが、社内で共有されない」のページで取り上げていて、対策も書いています。
社内で作ったAIの道具を、部署の持ち物で終わらせずに全社で直しながら使う進め方は、社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルで扱っています。

プレミアムのシートを割り当てる人の決め方

Businessでもシートの種類を選べるようになり、「誰をプレミアムにするか」という判断が1つ増えました。
使う量は業務によって違うので、契約の前の段階では決めにくいところです。

AI活用の伴走支援では、部署の方と業務の進め方を見直しながら、ChatGPTを使う作業と使う人を一緒に決め、使い方が定着するまで支えます。
最初は全員をスタンダードでそろえ、使い方が固まった人からプレミアムに切り替える、といった順番も、実際の業務を見ながら決められます。

ChatGPTの法人プランは、学習の扱いではなく管理の条件で選ぶ

ChatGPT BusinessとChatGPT Enterpriseは、どちらも入力した内容を初期設定で学習に使いません。
違いは、200席の上限、SCIMや権限の細かさ、データの保持期間と保存する地域、契約と支払いの形にあります。

社内の条件が「SSOで会社のアカウントに限定する」までならBusiness、データの国内保存や監査ログまで求められているならEnterpriseです。
使う人が200人に届かない会社でも、データを保存する地域を規程で決めているなら、比べる相手は最初からEnterpriseになります。

参照した情報(2026年10月29日に確認)

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執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

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