
GPTsの共有方法と、共有できないときの原因。提供終了後の移し先と手順
2026/10/24
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
「前に作ったGPTsを隣の部署にも使ってほしいのに、共有の選択肢が押せない」と相談されて、原因が分からず手が止まった推進担当の方もいると思います。
GPTsの共有は、会社で契約したワークスペース(Business・Enterprise・Edu)の中なら今も使えます。
一方、個人向けのアカウント(Free・Go・Plus・Pro)では、新しいGPTsを作ることも公開することもできなくなっています。
カスタムGPTそのものも、すべてのプランで2026年12月11日に提供を終える予定です。

この記事では、2026年10月23日に確かめたOpenAIの日本語のヘルプをもとに、社内だけに共有するときの範囲と権限、共有できないときの原因、提供終了に向けて移す順番を見ていきます。
GPTsに限らず、社内のAIボットを作ってから片づけるまでの流れは、社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルで扱っています。
GPTsの共有は、エディターで共有範囲と権限を選んで保存すれば終わります
最初に、共有の操作そのものと、選べる範囲と権限の種類を押さえておきます。
操作は数か所を選ぶだけで、迷いやすいのは「どこまで」「何を許すか」の選び方のほうです。
ヘルプ「GPT の共有と公開」と「GPT の作成と編集」に書かれている手順は、次のとおりです。
GPTの編集はウェブ版で行い、モバイルアプリでは作れません。
1. サイドバーの「GPT を探す」を開き(chatgpt.com/gpts でも開けます)、「マイ GPT」で対象のGPTを選んで「GPT を編集」を選ぶ
2. 開いたエディターで「共有」を選び、共有範囲と権限レベルを選ぶ
3. 「保存」を選んで、共有の設定を反映する
4. リンクで渡すときは、リンクをコピーして相手に送る
特定の人に直接共有した場合は、相手にGPTへのリンクが入った通知メールが届きます。
この直接の共有は、会社のワークスペースでだけ使えます。
選べる共有範囲は次の5つで、実際に表示される選択肢は、アカウントの種類とワークスペースの設定によって変わります。
共有範囲 | 使える人 |
|---|---|
招待者のみ | 個人用アカウントでは自分だけ。ワークスペースでは、追加したユーザーやグループ |
リンクを知っているワークスペース内の全員 | リンクを受け取った、ワークスペース内の人 |
ワークスペース | ワークスペース内の全員 |
リンクを知っている全員 | 公開リンクを受け取った人。公開リンクでの共有が使える場合だけ |
GPT Store | 一般に公開される。条件を満たしたGPTだけ |
権限レベルは3段階で、ヘルプでは次のように説明されています。
「チャット可能」:GPTを使ってチャットできる
「設定を表示可能」:使うことに加えて、GPTの構成の設定を見たり、複製したりできる
「編集可能」:GPTそのものに直接手を入れられる
公開リンクでの共有とGPT Storeへの公開では、「設定を表示可能」は選べず、使えるのは「チャット可能」だけです。
社内だけで使うなら、範囲はワークスペースの中にとどめ、機密は入れません
会社で使うGPTsは、社外に出ない範囲を選ぶのが前提です。
ここでは、社内に閉じた範囲の選び方と、管理者が決められること、GPTsの中に入れてよい情報を順に見ていきます。
社内に閉じた範囲は、「招待者のみ」「リンクを知っているワークスペース内の全員」「ワークスペース」の3つです。
使う人が決まっている業務なら、「招待者のみ」で個人やグループを足します。
部署を問わず使ってほしいものは、「ワークスペース」を選びます。
その中間が「リンクを知っているワークスペース内の全員」です。
リンクを渡した相手に使ってもらいながら、範囲はワークスペースの中にとどめられます。

個人やグループへの直接の共有は、合わせて100件までです。
グループは、中のメンバーが何人いても1件と数えるので、部署ごとのグループに渡せば件数を抑えられます。
「ワークスペース」のような広い範囲の共有には、この上限はかかりません。
Enterprise・Eduのワークスペースでは、管理者が「ワークスペース設定 > 権限とロール」でGPTの扱いを決められます。
GPTを作れる人や、共有先を「招待者のみ」や「ワークスペース」までに限るかを決める設定です。
外部の会社が作ったGPTを社内で使えるようにするかも、ここで決められます。
選びたい範囲が出てこないときは、管理者がその範囲を閉じていないかを先に確かめます。
社内に閉じていても、GPTsに入れた情報は、使える人みんなの手元に届くものと考えておきます。
知識ファイルは質問への答えに使われるので、その中身が答えとして使う人の画面に出てくることがあります。
「設定を表示可能」を渡した相手は、構成の設定を見たうえで複製まで作れます。
そのため、権限は「チャット可能」を基本にします。
「設定を表示可能」と「編集可能」は、一緒に直していく人に限って渡します。
例えば、個人名の入った名簿や顧客ごとの単価、まだ社内で公表していない数字は、知識ファイルにも指示文にも入れません。

一方で、ヘルプには、GPTを作った人は使った人の個別の会話を見られない、と書かれています。
Business・Enterprise・Eduのプランでは、初期設定のままなら会話がモデルの学習に使われません。
ただ、アプリや外部のAPIとつないだGPTには注意が要ります。
入力の一部が、つないだ先のサービスに送られることがあるからです。
つなぎ先は、情シスと一緒に確かめておきます。
GPTsで共有できないときは、アカウントの種類とワークスペースの設定を先に見ます
「共有の選択肢がグレーになっている」「GPTsはもう作れないのか」という相談は、原因の多くがアカウントの種類か、ワークスペースの設定にあります。
ヘルプ「GPT のトラブルシューティング」に沿って、確かめる順に並べます。
まず見るのは、個人向けのアカウントかどうかです。
2026年10月時点のヘルプでは、個人向けのChatGPTアカウントでは新しいGPTを作れません。
公開することもできず、対象にはFree・Go・Plus・Proが含まれます。
ヘルプはこれを、技術的なエラーではなく、アカウントの利用資格による制限だと説明しています。
共有や公開の選択肢がグレーになるのも、このためです。
すでにあるGPTは引き続き使え、プランと権限の条件を満たしていれば編集もできます。
個人向けのアカウントで新しく作れなくなった日付を書いているページもあります。
ただ、今回読んだOpenAIのヘルプには、その日付は書かれていませんでした。
ワークスペースの側では、Enterpriseで新しいGPTを作れる期限が2026年10月26日(予定)とされていて、その後も移行前の既存のGPTは編集できます。
BusinessとEduで新規作成が終わる日は、今回読んだヘルプには見当たりませんでした。
アカウントの種類に問題がないのに共有できないときは、次の点を確かめます。
選びたい共有範囲が、ワークスペースの設定で許可されているか
アプリを使っているために、公開リンクでの共有やGPT Storeへの公開が止められていないか
公開するアクションに、有効なプライバシーポリシーのURLが入っているか
受け取った側で開けないときは、許可された範囲で共有されているか、外部の会社のGPTとして止められていないか
個人向けのアカウントで作ったGPTを社内に広げたい場合も、いまから会社のワークスペースでGPTとして作り直すのは勧めにくい時期です。
ワークスペースのGPTも12月11日に終わる予定なので、後の節で扱う移し先を先に決めてから作り直します。

GPTsは2026年12月11日に提供を終え、移すと共有はやり直しになります
ここからは、提供終了と移行の話です。
ヘルプ「カスタム GPT の提供終了と移行に関する FAQ」(2026年10月23日に確認)の内容を、共有に関わるところを中心に見ていきます。
FAQでは、カスタムGPTは2026年12月11日に提供を終える予定です。
この変更は、すべてのChatGPTのプランが対象とされています。
延期が承認されたEnterpriseのワークスペースに限って、終了は2027年2月11日です。
終了日になるとGPTとそのページは開けなくなりますが、これまでのGPTとの会話は、終了後も読めます。
移し先として用意されているのは、ChatGPTの「プラグイン」です。
FAQにある予定の流れでは、GPTの指示はプラグインの中のスキルになります。
知識ファイルは参照ファイルにコピーされ、つないでいたアプリはアプリとして加わります。
一方で、GPTで選んでいたモデルと、カスタムアクションは引き継がれません。
共有の面で気をつけたいのは、移しても共有の設定が引き継がれない点です。
移したプラグインは非公開の状態で作られ、これまでGPTを使っていた人に、自動でアクセス権が付くこともありません。
つまり、ワークスペース全体に共有していたGPTも、移したあとは一から共有し直すことになります。

Enterpriseのワークスペースで共有し直すときは、渡し方によって要る権限が分かれています。
個人やグループに渡すには、「プラグインを共有」の権限が要ります。
ワークスペースの一覧に出すには、「プラグインをワークスペースに公開」の権限が要ります。
使う側にも「プラグインを使用」の権限と、自分でインストールできるか、管理者がインストールしてくれるワークスペースのポリシーが必要です。
移す人が決まったら、これらの権限が誰に付いているかを、管理者と先に確かめておきます。
もうひとつ、移したあとの元のGPTは、提供終了までは使えるものの読み取り専用になり、作った人も消せなくなります。
直しておきたい所は移す前に直し、移したあとの変更はプラグインの側で行います。
移す前に、社内のGPTsを一覧にして持ち主を決めておきます
移行の操作に入る前に、社内にどんなGPTsがあり、誰が持っているのかを一覧にしておきます。
持ち主が決まっていないと、移す人も、移したあとに共有し直す人も決まらないためです。
一覧に書いておく項目は、次のくらいで足ります。
GPTの名前と、何に使うものかを1行で
作った人と、今の持ち主
今の共有範囲と、誰にどの権限を渡しているか
知識ファイルの名前と、元のファイルの置き場所
アプリやカスタムアクションをつないでいるかどうか
よく使っている人と、移したあとに声をかける相手
移し先、移す担当、いつまでに移すか
Enterprise・Eduでは、ワークスペース分析に「GPT」の欄があり、GPTの導入状況などを確かめられます。
使われていないGPTは移さずに終わらせる、という判断も、この一覧を見ながらできます。
持ち主や使われ方が分からないまま提供終了を迎えると困る点は、AIツールの社内共有が進まない原因でも触れています。
作った人がすでに退職や異動でワークスペースを離れているGPTは、誰が移せばよいのでしょうか?
Enterprise・Eduのヘルプでは、持ち主のアカウントが無効になるか、ワークスペースから外されると、GPTの所有権はワークスペースの所有者に移り、「未割り当て」の印が付きます。
ワークスペースの所有者は、いつでも別のメンバーに所有権を割り当て直せます。
移行の操作ができるのは、Enterpriseの予定では、GPTを作った人かワークスペースの管理者です。
使う権限を持っているだけの人は、移せません。
作った人がいないGPTは管理者に移してもらい、移したあとのプラグインを誰が直していくかを一覧に書いておきます。
GPTs以外のAIの資産も含めた、退職・異動のときの引き継ぎの点検は、退職・異動でAI自動化が止まる。オーナー権限の引き継ぎチェックリストにまとめています。
移し先はプラグインを基本にし、書き出し・移行・確認・共有し直しの順で進めます
一覧ができたら、GPTごとに移し先を決めて移していきます。
移し先の選び方を先に見てから、プラグインに移すときの手順を並べます。
ChatGPTを使い続ける会社なら、移行の機能が用意されているプラグインが基本になります。
指示と知識ファイルがそのまま移るので、作り直す手間がいちばん少なく済みます。
社内で使うAIの中心がGeminiやClaudeに移っているなら、別の形もあります。
GPTsの指示文と資料をもとに、GemやClaudeのプロジェクトとして作り直す形です。
Claudeのプロジェクトを組織の中で共有できるのは、TeamとEnterpriseのプランです。
ただ、Gemもスキルへの移行が決まっています。
Workspaceのビジネス・エンタープライズのアカウントでは、2027年3月の予定です。
Gemを移し先にするなら、数か月後にもう一度形が変わる前提で選びます。
Gemの終了とスキルへの移行は、GeminiのGemは2027年3月に終了。スキルへの移行で企業が今から決めておくことで扱っています。
どの形がどの業務に向くかは、AIツールの社内共有はどの形で配るか。プロンプト・Gem・Gemini Notebookの選び方に整理しました。
プラグインに移すときは、FAQの案内をもとに、次の順で進めます。
1. 指示文、知識ファイル、会話のきっかけを書き出して、正本としてGPTsの外に残す
2. 普段そのGPTに投げているプロンプトをいくつかと、答えにくい質問を1つ控えておく
3. 直したい所を直してから、GPTを公開しておく(下書きは移らない。公開といっても一般公開は要らない)
4. 「マイ GPT」で対象のGPTの「プラグインに移行」を選び、案内に沿ってプラグインを作る
5. 控えておいたプロンプトで元のGPTと答えを比べ、指示どおりに動くか、参照資料を使っているか、出力の形がそろっているかを確かめる
6. カスタムアクションを使っていたGPTは、技術とセキュリティの担当と一緒につなぎ直す
7. プラグインを共有し、使う人にインストールして試してもらってから、切り替えを案内する
Enterpriseでは、移したい下書きは、新規作成が終わる2026年10月26日(予定)までに公開するよう案内されていました。
この日を過ぎても下書きのまま残っているGPTがあるときは、移せるかを管理者に確かめてもらいます。
「プラグインに移行」が出てこないときは、まだそのアカウントで移行が始まっていないか、プラグインが無効になっている可能性があります。
始まっているのに使えない場合は、管理者に確かめてもらいます。
見るのは、プラグインが有効か、GPTが公開済みか、自分が作った人か管理者かです。

もちろん、使っているだけのGPTは、自分で移す必要はなく、移すこともできません。
受け取る側は、GPTに出る通知と、作った人からの案内を待ちます。
代わりのプラグインを使えるようになったかを確かめてから、切り替えます。
指示文と使い方の正本は、AIの種類を問わずナレッジとして残せます
正本として残す指示文と使い方の説明は、移し先がどれでも、特定のAIの外に置いておきます。
そうすると、次に仕組みが変わったときにも作り直せます。
当社の組織のAIポータル「AI Portalize」では、社員が社内向けの記事(ナレッジ)を書いて全社に出せ、プロンプトや使い方もその記事として残せます。
どのAIで使う指示文も、同じ場所から探せます。
GPTsの共有は、一覧と正本をそろえておけば移したあとも組み直せます
会社のワークスペースでは、GPTsは今も「招待者のみ」や「ワークスペース」の範囲で共有でき、権限を「チャット可能」にしておけば渡しすぎを防げます。
ただ、提供終了のあと移したプラグインでは、共有を一からやり直すことになります。
今のうちに進めておきたいのは、社内のGPTsの一覧と持ち主、指示文の正本をそろえるところまでです。
よく使われているGPTを1つ選んで、その指示文と知識ファイルを書き出してみてください。
移すときに何が要るかが、具体的に見えてきます。
すぐ使える業務アプリが300以上
開いてそのまま使えて、AIで自社用にも直せます。15の分野から、やりたい作業で探せます。業務アプリを見る
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
お知らせ・組織AI推進ナレッジ一覧










