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AI推進の課題と対策

課題

9

今のAI活用で
十分かわからない

AI活用のレベルを見える化して、伸びしろを見つける方法

社内でAIは使われていて、便利になったという声も聞こえる。ただ、自分たちが本当に使えているのか、もっといろいろな使い方があるのではないか、という手応えのなさが残る。社員一人ひとりがどう使っているかも、実はよく知らない。ここでは、AI活用のレベルが見えなくなる5つの原因と、原因ごとに、現在地と伸びしろを確かめる方法を説明します。

AIを使いこなしている2人の利用の棒だけが長い社員の一覧と、そこから見本のカードの矢印がほかの社員へ広がっていくイラスト

こんな状態なら、このページが役に立ちます

✓ AIは使われていて便利だという声もあるが、これで十分なのか分からない
✓ 社員一人ひとりが何にどう使っているかを、実はよく知らない
✓ 社内でのAIの使い方は、文章の下書きや要約、調べものが中心だ
✓ 自社の使われ方が、ほかの会社と比べて進んでいるのか分からない

1つでも当てはまれば、下の「原因」と「原因ごとの対策」から読んでください。

このページの要点

1

使っている人の割合しか見ておらず、上の段階の使い方を知らなければ、今の使い方で十分かは判断できません。

2

割合に1人あたりの回数と使った日数を足して見て、社内の使い方を4つの段階に並べ、次に試すことを探します。

3

利用データで回数の多い人を数人選び、何の作業にどう使っているかを聞きに行きます。

RISK

今のAI活用のレベルが見えないままだと起きること

今の使い方がどの程度なのかが見えないままだと、次のようなことが起きやすくなります。

  • 01

    文章の下書きや調べものの使い方で止まる

    帝国データバンクの調査(2026年3月)で、生成AIを業務で活用している企業に主な用途を聞くと、「文章の作成・要約・校正」が45.1%、「情報収集」が21.8%で、「データの集計・分析」は7.4%でした。その先の使い方を知らないと、手前の使い方のまま止まります。

  • 02

    「使えている」と思い込み、次の打ち手が出ない

    使っている人の割合が高いと、もう十分だと見えてしまいます。その中身が、月に数回質問するだけの人ばかりでも、割合の数字だけでは気づけません。

  • 03

    社内で、使いこなす人とそうでない人の差が開く

    同じ調査では、生成AIを活用している企業の18.8%が、悪影響として「使いこなし格差の拡大」を挙げていました。差がどこで開いているかが見えないと、手の打ちようがありません。

  • 04

    新しくできるようになったことを、使わないままになる

    AIでできることは、数か月ごとに増えています。社内の想定が導入したころのまま止まっていると、すでに使える機能を知らないまま、手作業を続けることになります。

調査ごとに活用率の数字が違う理由と読み方は、日本企業の生成AI活用率は何%か。調査ごとの数字の違いと読み方にまとめています。

書いた人の経験

研修のたびに「そんなことまでできるの」と言われた

2025年、各社で生成AIの研修やワークショップをしていると、かなりの確率で「え、生成AIってそんなことまでできるの」という声が上がりました。

驚いていたのは、あまり触っていない人だけでなく、普段からAIを使っている人も同じでした。

多くの人が、最初に使ったころの体験や半年前の性能を基準にして、AIでできることの範囲を決めてしまっているのだと感じました。

AI Portalize株式会社 代表取締役CEO 寺田昇平

寺田 昇平

― AI Portalize株式会社 代表取締役CEO(前職でグループ全体のAI推進を担当)

寺田のnote「生成AIできることの想定が半年前で止まっているケースが多い?」より

CAUSE & SOLUTION

AI活用のレベルが見えなくなる5つの原因と対策

5つの原因ごとに、推進担当が自社で取れる対策を並べます。手順を詳しく書いた記事があるものは、あわせてご案内します。

組織のAI活用の4つの段階(個人での活用、個人での開発・自動化、共有、組織の業務を自動化)。多くの会社は、まだ最初の段階にいます。

今の位置、上の段階、比べる相手のどれかが見えないと、今の使い方で十分かを判断できません。

原因と対策の早見表

原因

対策

原因1
使っている人の割合しか見ていない

割合に、1人あたりの回数と使った日数を足して見る

原因2
AI活用の「上の段階」の地図がない

4つの段階の地図に、社内でよく使われている使い方を置いてみる

原因3
社員一人ひとりの使い方を、推進側が知らない

利用の多い人に話を聞き、その使い方を社内の見本にする

原因4
AIでできることの想定が、止まっている

半年に1度、新しくできるようになったことを点検し、見本にして配る

原因5
比べる相手がいない

全体の平均ではなく、同じくらいの規模・業種の水準と比べる

原因

1

原因

使っている人の割合しか見ていない

↓

対策

使っている人の割合に、1人あたりの回数と使った日数を足して見る

なぜ止まるか

割合は一度でも使った人を数えるので、高く出やすい数字です。1人あたりの回数や使った日数、どんな作業に使っているかを見ないと、使い込んでいるかどうかは分かりません。

対策の進め方

AIの管理画面の利用データで、使っている人の割合に加えて、1人あたりの回数と使った日数を見ます。

Google Workspaceなら、管理コンソールの「Geminiレポート」のユーザーごとの画面で、過去28日間の使用レベルが「高・中・低・ゼロ」の4つで出ます。「低」は使用が4回以下なので、低とゼロの人の数を見るだけでも、割合の数字との違いが分かります。アプリごとの使用状況も出るため、「議事録には使えているが、文書づくりには広がっていない」のような偏りも見えます。

ChatGPT(Enterprise・Edu)、Microsoft 365 Copilot、Claude(Team・Enterprise)も、管理画面から利用の数字を取り出せます。取り出せる項目と期間は、ツールとプランによって違います。

使っている人の割合が同じでも、1人あたりの回数や使い方の中身は大きく違うことがあります。

この対策に使えるもの
原因

2

原因

AI活用の「上の段階」の地図がない

↓

対策

4つの段階の地図に、社内でよく使われている使い方を置いてみる

なぜ止まるか

チャットで質問する使い方の先には、自分の作業を自動化する、作ったものを共有する、業務の流れごと自動化する、といった段階があります。この地図がないと、今の使い方で十分かどうかを判断できません。

対策の進め方

AI活用は、個人での活用、個人での開発・自動化、共有、組織の業務を自動化、の4つの段階で見ると、次に進む先が分かりやすくなります。

社内でよく使われている使い方を書き出して段階ごとに並べると、今の位置と、次に試すことが見えてきます。

4つの段階と、それぞれの使い方
  1. 個人での活用:文章の下書きや要約、調べものをチャットで頼む

  2. 個人での開発・自動化:GemやGAS(Google Apps Script)、Workspace Studioのフローなどで、自分の決まった作業を自動化する

  3. 共有:作ったAIツールや使い方を部署や全社で共有して、ほかの人も同じように使えるようにする

  4. 組織の業務を自動化:部署をまたぐ業務の流れを、仕組みとして自動で回す

この対策に使えるもの
原因

3

原因

社員一人ひとりの使い方を、推進側が知らない

↓

対策

利用の多い人に話を聞き、その使い方を社内の見本にする

なぜ止まるか

誰がどの作業にどう使っているかは、本人に聞かないと分かりません。黙って使い込んでいる人の使い方が、社内に知られないまま埋もれていることもあります。

対策の進め方

利用データで回数の多い人を数人選び、何の作業にどう使っているかを聞きます。推進チームに入っていない人の中に、使い込んでいる人が見つかることはよくあります。

聞いた使い方は、どの業務で、何を入れて、何が出てくるかを書いた見本にして、社内に配ります。同じ職種の人が使っている見本があると、ほかの人も自分の業務で試しやすくなります。

使い込んでいる人の使い方を、見本にするまで
  1. 数人を選ぶ:利用データで回数の多い人を選ぶ

  2. 話を聞く:何の作業にどう使っているか

  3. 見本にして配る:どの業務で、何を入れて、何が出てくるかを書く

利用データで見つけた人の使い方を聞き、社内の見本にします。

原因

4

原因

AIでできることの想定が、止まっている

↓

対策

半年に1度、新しくできるようになったことを点検し、見本にして配る

なぜ止まるか

それなりに使っている会社の研修でも、「そんなことまでできるのか」と驚かれることは珍しくありません。新しい機能を追う人がいないと、社内の想定は導入したころのままです。

対策の進め方

推進チームで半年に1度、社内で使っているAIの新しい機能を確かめ、どの業務に使えそうかを話し合います。点検の結果は、すぐに試せる見本の形にして配ります。

社内に詳しい人がいない場合は、上の段階の使い方を社外の人に実際に見せてもらうのも、想定を更新する方法です。

半年に1度の点検
  1. 新機能を確かめる

  2. 使い道を話し合う

  3. 試せる見本にする

  4. 社内に配る

(半年に1度くり返す)

推進チームで新しい機能を確かめ、すぐに試せる見本の形で社内に配ります。

原因

5

原因

比べる相手がいない

↓

対策

全体の平均ではなく、同じくらいの規模・業種の水準と比べる

なぜ止まるか

自社の数字だけを見ていても、それが高いのか低いのかは決められません。活用率は会社の規模や業種で大きく変わるので、全体の平均と比べると判断を誤ります。

対策の進め方

比べる相手は、全体の平均ではなく、同じくらいの規模と業種の会社です。帝国データバンクの同じ調査では、生成AIを活用している企業の割合は、従業員1,000人超で63.6%、5人以下で29.6%と、規模によって倍以上の差がありました。

調査によって「活用」の定義も違うので、ほかの数字を借りるときは、何を聞いた数字なのかを確かめてから比べます。

自社の数字の比べ方
よくある形

全体の平均と比べる

調査の数字を、定義を確かめずに借りる

こうする

同じくらいの規模と業種の会社と比べる

何を聞いた数字なのかを確かめてから比べる

活用率は規模や業種で大きく変わるので、全体の平均ではなく、近い会社の水準と比べます。

この対策に使えるもの
  • 組織のAI活用力診断(無料):同じ業種・同じくらいの規模の会社の平均と比べて、どのくらい先にいるのか、遅れているのかをお示しします。

おすすめのサービス

御社のAI活用が10段階のどこにいるかを確かめる、
無料の「組織のAI活用力診断」

組織のAI活用力診断は、AIツールの利用データと、AI推進のご担当者へのヒアリングから、御社のAI活用のレベルを判定し、同業他社と比べた結果と、次にやることをお渡しする無料の診断です。上の対策のうち、現在地と伸びしろの確認を、次の形で進めます。

・「個人での活用」から「組織全体の業務の自動化」までの4つの段階を10に分けたレベルで、いまの位置を判定します。
・同じ業種・同じくらいの規模の会社の平均と比べて、どのくらい先にいるのか、遅れているのかをお示しします。
・使っている人の割合、利用の偏り、作る人の広がり、ルールなどを、項目ごとにA〜Dで評価します。
・数字の裏で何が起きているのかを、ヒアリングの内容と合わせて読み解き、所見としてお伝えします。
・次のレベルに進むために何から手をつけるかを、3つに絞って報告会でお渡しします。
・ご担当者の作業は、30分のヒアリングと、管理画面からのデータのダウンロードだけです。社員の方へのアンケートはありません。

対応しているAIツールは、Gemini(Google Workspace)、ChatGPT(Enterprise・Edu)、Microsoft 365 Copilot、Claude(Team・Enterprise)です。お申し込みから報告会まで、約2〜3週間です。

FAQ

AI活用のレベルについての
よくある質問

FAQ

  • Q

    AI活用のレベルは、どのように分けられますか?

    A

    分け方は調査や会社によって違います。当社では、個人での活用、個人での開発・自動化、共有、組織の業務を自動化、の4つの段階で見ています。組織のAI活用力診断では、多くの会社がいる最初の2つの段階をそれぞれ4つに分け、全10段階で判定します。

  • Q

    使っている人の割合が高ければ、十分に使えていると言えますか?

    A

    割合だけでは言えません。使っている人の割合は、一度でも使った人を数えるので、月に数回質問するだけの人も同じ1人に数えられます。1人あたりの回数、使った日数、どんな作業に使っているかを合わせて見て、はじめて使い込んでいるかどうかが分かります。

  • Q

    社員にアンケートを取れば、AI活用のレベルは分かりますか?

    A

    アンケートで使い方の中身を聞くことはできますが、自己申告は実態より甘めに出やすくなります。管理画面の利用データで回数や日数を確かめ、アンケートやヒアリングは、その数字の理由を知るために使うと、実態とのずれが小さくなります。

  • Q

    Webの無料の自己診断と、組織のAI活用力診断は何が違いますか?

    A

    多くの自己診断は、設問に答える形で判定します。組織のAI活用力診断は、AIツールの管理画面から取り出せる利用データと、ご担当者への30分のヒアリングの両方から判定し、結果を報告会でご説明します。同じ業種・同じくらいの規模の会社との比較と、次にやることも結果表に入ります。

  • Q

    管理者の権限がなくても、社内のAIの利用状況を確かめられますか?

    A

    利用データのダウンロードには、多くのツールで管理者の権限が要ります。推進担当に権限がない場合は、情報システムの担当など、社内の管理者に依頼します。組織のAI活用力診断では、管理者の方に向けた手順書と、依頼するときの文面の見本をお渡ししています。

管理画面の仕様は、2026年10月時点の公式ヘルプで確かめた内容です。

対策に使える業務アプリとナレッジ

すぐ使えて自社用に直せる業務アプリが300以上、組織のAI推進ナレッジが250本以上あります。業務アプリを見る ナレッジを見る

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