
Geminiの利用状況を管理コンソールで確認する方法。期間の縛りと数え方の注意点
2026/09/29
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
「今月、社内でGeminiはどれくらい使われたの?」と聞かれて、管理コンソールを開いたことがある人は多いと思います。
開いてみると画面には「過去28日間」と出ていて、9月1日から30日のような月の区切りでは数字が出せません。
ダウンロードした表を部署ごとにまとめようとして、名簿との突き合わせに半日かかった、という話もよく聞きます。
今回は、Googleの管理者向けヘルプと、当社の管理コンソールの実際の画面をもとに、利用状況の見方を整理します。

前半は「数値の見方」として、組織全体の数字、1人ずつの数字、Workspace Studioの実行回数の見方を順に見ていきます。
後半は「困るポイント」として、月単位で数字を出せないことと、ダウンロードした表を社員のデータと紐付け直す手間を取り上げ、その解き方までまとめます。
利用状況の数字を経営への報告やROIにどうつなげるかは、AI推進担当者の情報収集と経営判断。リサーチとROIの設計にまとめています。
- 見方1|Geminiの利用状況は、管理コンソールの「Geminiレポート」にまとまっています
- 見方2|組織レベルの画面では、人数と推移、アプリ別、機能別の数字が並びます
- 見方3|ユーザーごとの画面では、1人ずつの使い方が4段階で出ます
- 見方4|数えられるのは「AIに作業を頼んだ回数」で、開いただけでは増えません
- 見方5|Workspace Studioの実行回数は、監査ログで「実行を開始」に絞って数えます
- 困るポイント1|月単位で数字を出せず、28日で固定の数字も混ざります
- 困るポイント2|ダウンロードした表は、社員のデータと紐付け直す手間がかかります
- 数字は見張るためではなく、機会と課題を見つけるために使います
- AI Portalizeなら、部署・職種・グレードごとの利用状況が自動で分かります
- 数字の読み解きから、次の打ち手まで一緒に決められます
- 数字の縛りを知ったうえで、人を見つけることに時間を使う
見方1|Geminiの利用状況は、管理コンソールの「Geminiレポート」にまとまっています
最初に、どの画面に何が出るのかを押さえておきます。
名前が似た画面が多く、Workspace Studioの中を探しても利用数の一覧は出てきません。
Geminiの利用状況は、Googleの管理コンソールで「生成AI」→「Geminiレポート」と進んだ先にまとまっています。

中は「組織レベルの使用状況」と「ユーザーレベルの使用状況」の2つに分かれていて、前者が組織全体の数字、後者が1人ずつの数字です。
Workspace Studioでフローを作ったり動かしたりした分も、Geminiを使った回数としてこのレポートに数えられます。
一方で、フローが何回動いたか、どのフローが失敗したかといった細かい記録は、「レポート」→「監査と調査」にある「Workspace Studio のログイベント」で見ます。
見る場所は、大きく分けると次の3つです。
組織全体の人数と推移:生成AI →Geminiレポート →組織レベルの使用状況
1人ずつの使い方:生成AI →Geminiレポート →ユーザーレベルの使用状況
Workspace Studioの実行の記録:レポート →監査と調査 →Workspace Studio のログイベント
Geminiレポートが使えるのは、Business Starter/Standard/Plus、Enterprise Standard/Plusなど、Geminiの機能を含むエディションです。
画面を開くには管理者の権限が要るので、推進担当が管理者でない場合は、情シスに閲覧できる権限を付けてもらうところから始めます。
なお、ChatGPTやClaudeなど、Gemini以外のAIツールの利用はこのレポートには出てきません。
会社が把握していないAIツールの使われ方をどう見える状態にするかは、シャドーAI(野良AI)とは。禁止せずに見える化と正規の道で減らす対策で整理しています。
見方2|組織レベルの画面では、人数と推移、アプリ別、機能別の数字が並びます
組織レベルの使用状況を開くと、上から順に、人数のまとめ、1日ごとの推移、アプリ別の割合、使い方ごとの回数、AI機能ごとの人数が並びます。
右上の「組織部門」と「グループのフィルタ」で、部署やチームごとに絞り込むこともできます。
いちばん上には「対象ユーザー」「アクティブユーザー」「上限に達したユーザー」の3つの数字が出ます。
対象ユーザーは、Geminiの機能を含むライセンスを持っている人の数です。
アクティブユーザーは、その期間に実際にAIへ作業を頼んだ人の数です。
つまり、アクティブユーザーを対象ユーザーで割れば、いわゆる利用率が出ます。
その下の「Geminiの使用状況」は、1日あたりのアクティブユーザー数の折れ線です。
対象ユーザー数の線と並べて出るので、ライセンスを配った人数に対して、毎日どれくらいが使っているのかが分かります。

「アプリごとのGeminiの使用」は、どのアプリでGeminiが使われているかを割合で示したグラフです。
Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、Meet、Geminiアプリなどが横に並びます。

アプリごとの偏りが見えると、「議事録には使えているが、文書づくりにはまだ広がっていない」のように、次に声をかける場所が決めやすくなります。
「インタラクションごとのGeminiの使用状況」は、アプリごとに「要約」と「生成」を何回、何人が使ったかの表です。
Geminiアプリとサイドパネルについては、チャットの件数と人数が出ます。

いちばん下の「AI機能別のGeminiの使用状況」には、AI関数や動画生成などと並んで、「Studioでのフローの実行」の行があります。
Workspace Studioのフローを使っている人が組織全体で何人いるかは、この行で確かめられます。

それぞれの表の右上にある「ダウンロード」を押すと、表示中の数字をスプレッドシートに書き出せます。
見方3|ユーザーごとの画面では、1人ずつの使い方が4段階で出ます
ここからは、1人ずつの使い方を見る画面です。
組織レベルと違って期間を選ぶプルダウンがなく、常に「過去28日間」の数字が出ます。

ユーザーレベルの使用状況では、1人ずつ「全体の使用量」「使用日数」「上限到達日数」と、アプリごとの使用レベルが並びます。
使用レベルは「高」「中」「低」「ゼロ」の4段階で、画面の上に基準が書かれています。
高:Geminiを使った人の中で上位10%に入り、かつ使用回数が20回以上
中:使用回数が5回以上
低:使用回数が4回以下
ゼロ:使っていない
「高」には上位10%という相対的な条件がついています。
そのため、人数の少ない組織や全員がよく使っている組織では、20回以上使っていても「中」と出ることがあります。
使用日数は、過去28日のうちGeminiを使った日の数です。


回数が多くても日数が少ない人は、特定の作業のときだけまとめて使っているのかもしれません。
アプリの列には、Gmailやスプレッドシートと並んで「Studio」の列もあります。
書き出しは「表をダウンロード」と「使用回数をダウンロード」の2種類です。
画面では「高」「中」のようなレベルでしか出ない数字も、「使用回数をダウンロード」で書き出すと、1人ずつ実際の回数で出てきます。
書き出した表には、全体の使用量、使用日数、上限到達日数に続いて、Gmail、スプレッドシート、Meetなどアプリごとの回数が並びます。

右へ送ると「Studio」や「Geminiアプリ」の列があり、Workspace Studioで何回Geminiが使われたかも、1人ずつ回数で分かります。

ただ、この列の数字は、フローの実行回数とは一致しません。
当社のデータでは、監査ログで数えた実行回数よりずっと大きな数字が入っていたので、フローが何回動いたかは、次の見方5の監査ログで数えます。
見方4|数えられるのは「AIに作業を頼んだ回数」で、開いただけでは増えません
数字を読む前に、何を1回と数えているのかを確かめておきます。
ここを取り違えると、「思ったより少ない」「多すぎる」という誤解が生まれます。
Geminiレポートが数えるのは、ヘルプで「アクティブな使用」と呼ばれている操作だけです。
Geminiアプリにプロンプトを送る
メールや文書を要約させる、文章や画像を生成させる、書き直させる
スプレッドシートのAI関数を使う、データの整理をさせる
Gemini for Google Workspaceが出した候補を承認する
Workspace Studioでフローを作成し、実行する
逆に、Geminiのパネルを開いただけ、提案を見ただけでは数に入りません。
また、数えているのは使った回数で、対象の文書の数ではありません。
ヘルプの例では、10人が同じ文書をそれぞれ1回ずつ要約すると、「10人のユーザーが10回使った」と数えられます。
「要約されたコンテンツが10回」とあっても、10本の文書が要約されたとは限らないということです。

見方5|Workspace Studioの実行回数は、監査ログで「実行を開始」に絞って数えます
Workspace Studioのフローが何回動いたかは、監査ログで数えます。
フローごとの動きや、失敗した実行もここで追えます。
管理コンソールの「レポート」→「監査と調査」→「Workspace Studio のログイベント」を開きます。
フローの作成、編集、オン・オフ、実行の開始と終了、各ステップの開始と終了が、1行ずつ記録されています。
ログはほぼリアルタイム(数分以内)で反映されます。
Geminiレポートの2〜3日の遅れを待たずに、今日の動きを確かめられるのが便利なところです。
ここで気をつけたいのは、1回の実行が何行にもなることです。
当社の画面では、過去7日間の記録が444件ありましたが、ほとんどは「ステップを開始」「ステップを終了」の行でした。

フィルタで「イベント」を「実行を開始」に絞ると、40件になりました。


フローが実際に動いた回数は、この「実行を開始」の件数で数えます。
失敗したものを見たいときは「実行がエラーで終了」、管理者のポリシーで止められたステップは「ステップをブロック」で絞り込めます。
アクター(フローのオーナー)やフローの名前、フローIDでも絞れるので、どのフローがよく動いているのかも分かります。
監査ログの検索は、初期設定では過去7日間が対象で、記録が残るのは6か月です。
検索結果は「すべてエクスポート」でスプレッドシートに書き出せます。
ここまでの見る場所を、1枚にまとめておきます。
知りたいこと | 見る場所 | 期間 | 注意点 |
|---|---|---|---|
何人が使っているか・利用率 | Geminiレポート →組織レベル | 7日・28日・90日から選ぶ | 月単位では出せない。反映に2〜3日 |
どのアプリで使われているか | 組織レベル →アプリごと | 選んだ期間 | 割合の表示。回数は下の表で見る |
何回使われたか | 組織レベル →インタラクションごと | 選んだ期間 | 回数は文書数ではない。「K」で丸められる |
上限に達した人・Studioを使った人 | 組織レベル →上限・AI機能別 | 28日で固定 | 期間を変えても変わらない |
誰がどれくらい使っているか | Geminiレポート →ユーザーレベル | 28日で固定 | 「高」は上位10%の条件つき |
フローが何回動いたか | 監査と調査 →Workspace Studioのログ | 初期は7日、最長6か月 | 「実行を開始」に絞って数える |
困るポイント1|月単位で数字を出せず、28日で固定の数字も混ざります
ここからは、実際に数字を報告や分析に使おうとしたときに困るところです。
最初にぶつかるのが、期間の縛りです。
組織レベルの画面の期間は、右上のプルダウンから「過去7日間」「過去28日間」「過去90日間」のどれかを選ぶ形です。
初期表示は28日で、開始日と終了日を自分で決める欄はありません。
また、どの期間も「昨日までの過去〇日間」として、見た日から逆算して区切られます。
つまり、9月1日から30日までの数字を後から出すことはできず、10月の何日に開くかで中身が変わります。
28日はちょうど4週間なので、月の日数ともずれます。
では、「9月の利用率」はどう報告すればよいのでしょうか?
手作業で追うなら、毎月1日に取って「前月末までの28日間」として扱い、いつ取った数字なのかを必ず書き添えることになります。
さかのぼれるのは最長で90日なので、半年前や昨年度との比較も、この画面だけでは追えません。
さらに、期間を切り替えても動かない数字が混ざっています。
いちばん上の「上限に達したユーザー」は、期間を90日にしても「過去28日間」の表示のままです。

いちばん下の「AI機能別のGeminiの使用状況」も、列の説明にカーソルを合わせると「昨日までの28日間に、AIに作業を依頼したユーザー」と出ていて、期間の切り替えでは変わりません。
一方で、「インタラクションごとのGeminiの使用状況」の回数は、当社の画面では期間に合わせて変わりました。
Geminiアプリのチャット件数は、28日では415件、90日では「2.07K」件と、丸めた表示になっています。
同じ画面の中で期間の違う数字が並ぶので、そのまま報告に写すと、どれがいつの数字なのかが分からなくなります。

困るポイント2|ダウンロードした表は、社員のデータと紐付け直す手間がかかります
もうひとつ手間がかかるのが、ダウンロードしたあとの作業です。
月単位の縛りを我慢して毎月表を落としたとしても、そのままでは分析に使えません。
「使用回数をダウンロード」で書き出した表の1列目は、メールアドレスです。
氏名や部署、職種、チーム、グレードといった社員の情報の列はないので、社員の名簿とメールアドレスで突き合わせて、1人ずつ付け直す必要があります。
組織部門で絞り込む方法もありますが、管理コンソールの組織部門が、職種やチームの切り方と一致しているとは限りません。
名簿との紐付けが終わったら、部署や職種ごとに集計し、前月の表と並べ、どこが止まっているかを読み取ります。
Workspace Studioの実行回数は、監査ログを別に絞り込んで、件数を足し込む作業も要ります。

加えて、レポートに最新の数字が出るまで2〜3日かかり、組織の変更がレポートに反映されるまでにも最長で72時間かかります。
変更より前のデータはレポートに含まれないので、期の変わり目に部署を再編すると、再編前の推移は追えなくなります。
これを毎月くり返すと、推進担当の時間の多くが集計に取られてしまいます。
複数のAIを配っている場合も、社内のAIの利用状況の把握のしかたでは取る日と名簿との結びつけ方を先に決めます。
数字は見張るためではなく、機会と課題を見つけるために使います
集計に時間を取られたくない理由は、数字を見たあとにこそ、推進担当の本来の仕事があるからです。
利用状況の数字というと、使いすぎを見張る道具だと思われがちですが、役に立つのは、よく使っている人と、あまり使えていない人を見つけるほうです。
Googleのヘルプでも、Geminiレポートの使いみちとして、生成AIをうまく使いこなしている人を見つけることと、研修や資料が役に立ちそうな利用の少ない人を見つけることが挙げられています。
ユーザーレベルの画面で「高」の人がいたら、どの業務で、どんな頼み方をしているのかを聞きに行きます。
本人にとっては当たり前の使い方でも、周りから見ると「そんなことに使えるのか」という見本になることが多いです。
聞いた内容は社内の見本として共有し、同じ職種の人がまねできる形にしておきます。
一方で、「ゼロ」や「低」の人は、使う気がないのではなく、何に使えばよいか分からないまま止まっていることがよくあります。
その人の業務に近い見本を1つ渡したり、最初の1回を一緒に試したりするだけで、数字が動き始めます。
部署やアプリの偏りも同じ見方で読めます。
Meetでは使われているのにドキュメントでは使われていない、といった差は、次にどこへ手を貸すかの手がかりになります。

もちろん、フローのループのような異常は、アクティビティルールのアラートに任せておけば、人が毎日見に行く必要はありません。
AI Portalizeなら、部署・職種・グレードごとの利用状況が自動で分かります
困るポイントの2つは、どちらも「数字を集めて整える」ところにあります。
ここを仕組みに任せられれば、推進担当は機会と課題を見つけるほうに時間を使えます。
私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」では、GeminiとClaudeの利用をもとに、部署・職種・グレードごとの利用率と前期比が集計の手間なしで出ます。
ダウンロードした表を名簿と突き合わせる作業は要りません。
どの部署が止まっているのか、どの職種で伸びているのかが分かるので、次に研修を打つ場所も、どのツールを配るかも決められます。
よく使われているツールや、作って共有している人が名前で見える一方、配ったのに使われていないツールや、一度も使われていないアカウントも見えます。
「高」の人に話を聞きに行く、「ゼロ」の人に手を貸す、という動きが、集計を待たずに始められます。
GeminiやClaudeなど、いつものAI環境のまま使えるので、毎月つくっていた集計資料が、そのまま出てくる状態になります。
利用データを社内で共有して活用につなげるやり方は組織におけるAI利用データの可視化と共有手法に、Workspace Studioを業務に入れる全体像はGoogle Workspace StudioとGASで業務を自動化する。導入の全体像とつまずきどころにまとめています。
数字の読み解きから、次の打ち手まで一緒に決められます
管理コンソールの数字は、見方さえ分かれば推進の強い味方になります。
ただ、よく使っている人の使い方をどう聞き出して見本にするか、止まっている人にどう手を貸すかは、組織の規模や業務によって変わります。
当社では、利用状況の読み解きから、活用が進んでいる人へのヒアリング、研修や社内の見本づくり、Workspace Studioのフローの設計までを一緒に進めるAI活用の伴走支援を行っています。
数字は出ているのに次の一手が決まらない、というときは気軽に相談してください。
数字の縛りを知ったうえで、人を見つけることに時間を使う
GeminiレポートとWorkspace Studioの監査ログを使えば、社内のAIの使われ方は、人数、アプリ、回数、フローの実行まで追えます。
一方で、期間は3択で月単位にならず、28日で固定の数字も混ざり、部署や職種ごとに見るには名簿との紐付けが欠かせません。
こうしたくせを知らずに数字を並べると、集計と説明に追われて、肝心の打ち手が後回しになりがちです。
数字はあくまで、うまく使っている人と、止まっている人を見つけるための入り口です。
ユーザーレベルの画面で「高」と「ゼロ」の人を1人ずつ確かめるだけでも、話を聞きに行く相手と、手を貸す相手が決まります。
すぐ使える業務アプリが300以上
開いてそのまま使えて、AIで自社用にも直せます。15の分野から、やりたい作業で探せます。業務アプリを見る
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
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