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AI推進の課題と対策

課題

7

社内の資料に答える
AIを作っても、
全社で使われない

社内チャットボットが使われない5つの原因と対策

規程やマニュアルに答えるAIを、Gemini Notebook(旧NotebookLM)やGemなどで作る部署が増えてきました。それでも、同じ質問は今も担当の人に届き、作ったAIはその部署の中だけで使われていることがあります。ここでは、社内チャットボットが使われない5つの原因と、原因ごとの対策を順に説明します。

AIを使いこなしている2人の利用の棒だけが長い社員の一覧と、そこから見本のカードの矢印がほかの社員へ広がっていくイラスト

こんな状態なら、このページが役に立ちます

✓ 社内の資料に答えるAIを作ったのに、同じ質問が今も総務や人事に届いている
✓ 同じ規程を入れたボットが部署ごとにあり、答えが食い違っている
✓ 規程を改定したのに、ボットは改定前の内容のまま答えている
✓ ボットを作った人が異動して、どの資料を入れたかを誰も知らない

1つでも当てはまれば、下の「原因」と「原因ごとの対策」から読んでください。

このページの要点

1

資料の更新の担当が決まらず、共有も部署の中だけだと、答えは古くなり、ほかの部署からは見つかりません。

2

全社に答えてよいボットは全社の人に共有し、社内のAIツールの一覧に載せて、質問が届く場所で案内します。

3

問い合わせの多い1つの業務に絞り、資料ごとの正本・見てよい人・更新する人を1枚の台帳にまとめます。

RISK

社内チャットボットが使われないままだと起きること

作ったAIが使われないままだと、次のようなことが起きやすくなります。

  • 01

    同じ質問に、担当の人が答え続ける

    総務・人事・情報システムなどの窓口に、資料を見れば分かる質問が届き続けます。ボットを作った手間に見合う効果が出ないまま、担当の人の時間が取られます。

  • 02

    部署ごとに同じ資料で別のボットができ、答えが食い違う

    互いのボットを知らないまま、同じ規程を入れたボットが別々に作られます。入れた資料の版や指示の書き方が違えば、同じ質問への答えも変わります。

  • 03

    古い資料のままのボットが、もっともらしく古い答えを返す

    規程を改定しても、ボットに入れた資料が直っていなければ、AIは古い内容を今のルールとして答えます。一度そうした答えに当たった人は、ボットを使わなくなります。

  • 04

    作った人が異動すると、だれも直せない

    持ち主と更新の担当が決まっていないボットは、作った人がいなくなると、直す人も、何の資料を入れたかを知る人もいなくなり、古いまま残ります。

社内チャットボットの作り方そのものは、社内AIチャットボットの作り方。法人プラン・ノーコード・RAG・Gemini Notebookの選び方と費用にまとめています。

書いた人の経験

資料の性質ごとに分けたほうが、答えが安定した

2025年、社内外の支援の中で、Gemini Notebookに社内の資料を入れて質問に答えさせようとする話をよく聞くようになり、最初に相談されるのは、ノートブックをどの単位で分けるかでした。

私自身いろいろ試した結果、ある程度細かく分けたほうが使いやすく、営業の議事録と開発の仕様書のように性質の違う資料を1つに入れると、答えの精度が落ちると感じています。

そのため、部門別とテーマ別に分けて入れる資料の性質をそろえ、ノートブックごとに更新の責任者を決めることを勧めています。

AI Portalize株式会社 代表取締役CEO 寺田昇平

寺田 昇平

― AI Portalize株式会社 代表取締役CEO(前職でグループ全体のAI推進を担当)

寺田のnote「Notebook LMをどの単位で分けるべきか」より

CAUSE & SOLUTION

社内チャットボットが使われない5つの原因と対策

5つの原因ごとに、組織として取れる対策を並べます。ボットを作る手順そのものは、それぞれの詳しい記事で扱っています。

部署の中で共有したボットを全社の一覧に載せると、ほかの部署の人もボットを探して使えるようになります。

5つの原因は、ボットを作るとき、ほかの部署に届けるとき、使い続けるときの3つの段階に分かれます。

原因と対策の早見表

原因

対策

原因1
どの資料を入れ、誰が更新するかが決まっていない

1つの業務に絞り、資料ごとに正本・見てよい人・更新する人を決めて台帳にまとめる

原因2
部署ごとに作ったボットが、その部署の人にしか共有されていない

全社に答えてよいボットは全社の人に共有し、ボットごとに持ち主を決める

原因3
全社から探せる一覧が無く、あること自体が知られていない

社内のAIツールの一覧に載せ、質問が届く場所で案内する

原因4
どのボットが使われているか分からず、直すものと片づけるものを決められない

使われた回数を見て、四半期に1度「直す・広げる・片づける」を決める

原因5
答えられない質問が記録されず、資料が直らない

答えられない質問は人の窓口に回し、記録して月に1度資料を足す

原因

1

原因

どの資料を入れ、誰が更新するかが決まっていない

↓

対策

1つの業務に絞り、資料ごとに正本・見てよい人・更新する人を決める

なぜ止まるか

同じ規程が共有ドライブにいくつもの版で残っていると、AIが古い版から答えることがあります。更新の担当がいなければ、資料を改定してもボットの中は古いままです。答えが一度でも古いと、社員は「詳しい人に聞いたほうが早い」と考えるようになります。

対策の進め方

最初のボットは、問い合わせの多い1つの業務の資料だけで作ります。資料ごとに、どれが正本か、誰が見てよい資料か、誰が更新するかを決め、資料の名前・置き場所・見てよい人・更新の担当・最後に直した日を1枚の台帳にまとめておきます。

Gemini Notebookでは、ドライブから入れた資料は自動で同期されますが、パソコンからアップロードした資料はコピーなので、元の資料を直したら入れ直します。

資料ごとに決める3つ
正本 どれが正本か

共有ドライブに残るいくつもの版のうち、ボットに入れる1つ

見てよい人 誰が見てよいか

全社に答えてよい資料か、一部の人しか見てはいけない資料か

更新する人 誰が更新するか

資料を改定したとき、ボットの中も直す人

決めたことは、資料の名前・置き場所・最後に直した日と一緒に1枚の台帳にまとめます。

原因

2

原因

部署ごとに作ったボットが、その部署の人にしか共有されていない

↓

対策

全社に答えてよいボットは全社の人に共有し、ボットごとに持ち主を決める

なぜ止まるか

Gemini NotebookのノートブックもGemも、共有された人でなければ開けません。部署の中の人とだけ共有したボットは、全社に答えてよい規程を入れたものでも、ほかの部署の人からは開くことも見つけることもできません。

対策の進め方

ボットを分ける基準は、入れた資料を誰が見てよいかです。全社に答えてよい規程のボットは、部署の中だけでなく全社の人に閲覧者として共有し、一部の人しか見てはいけない資料のボットだけを部署の中に残します。

共有するときは、何に答えるボットか、答えられないときはどこに聞けばよいかを書いた案内文を添えます。あわせて、ボットごとに持ち主(更新の担当)と副担当、持ち主が異動したときに引き継ぐ相手を決めておきます。

ボットの共有のしかた
よくある形

全社に答えてよい規程のボットも、部署の中の人とだけ共有する

ほかの部署の人は、開くことも見つけることもできない

持ち主が決まっておらず、作った人が異動すると直せない

こうする

全社に答えてよい規程のボットは、全社の人に閲覧者として共有する

一部の人しか見てはいけない資料のボットだけ、部署の中に残す

何に答えるか、答えられないときの聞き先を案内文に書く

持ち主・副担当・引き継ぐ相手を決める

分ける基準は部署ではなく、入れた資料を誰が見てよいかです。

この対策に使えるもの
原因

3

原因

全社から探せる一覧が無く、あること自体が知られていない

↓

対策

全社から探せる一覧に載せ、質問が届く場所で案内する

なぜ止まるか

社内にどんなボットがあるかをまとめた一覧が無いと、質問したい人はボットを探さず、いつもの窓口に聞きます。公開したときに一度案内しただけでは、しばらくすると忘れられます。

対策の進め方

社内のAIツールの一覧に、ボットとして載せます。載せる項目は、ボットの名前、何に答えるか(1行)、対象の部署や職種、持ち主、最後に資料を直した日です。

ボットだけの一覧を別に作らず、社内で探す場所を1つにしておきます。一覧の作り方は、「AIツールやプロンプトが、社内で共有されない」のページで説明しています。最初は表計算のシート1枚でも始められます。

あわせて、総務への問い合わせフォームや、社内チャットの問い合わせのチャンネルのように、質問が実際に届く場所で「この質問はこのボットに聞けます」と案内します。

一覧に載せる項目
  • ボットの名前

  • 何に答えるか(1行)

  • 対象の部署や職種

  • 持ち主

  • 最後に資料を直した日

ボットだけの一覧は別に作らず、社内のAIツールの一覧にこの項目で載せます。

この対策に使えるもの
原因

4

原因

どのボットが使われているか分からず、直すものと片づけるものを決められない

↓

対策

使われた回数を見て、四半期に1度「直す・広げる・片づける」を決める

なぜ止まるか

使われた回数が見えないと、よく使われているボットを全社に広げる判断も、使われていないボットを片づける判断もできません。似たボットが並び、使う人はどれを選べばよいか迷います。

対策の進め方

四半期に1度、ボットごとの使われ方を並べて見直します。よく使われているボットはほかの部署にも広げ、使われていないボットは、中身を直すか、一覧から外して片づけます。

Gemini Notebookなら、条件を満たすと「アナリティクス」で1日あたりのユーザー数とクエリ数を確かめられます(条件は下のよくある質問に書いています)。数字が取れないボットは、窓口に届いた質問の件数や、使っている部署への聞き取りで代えます。

使われた回数を並べると、直すもの、全社に広げるもの、片づけるものを分けられます。

この対策に使えるもの
  • 組織のAIポータル「AI Portalize」:ツールごとに、使われた回数と使っている人が分かります。よく使われているボットを広げる判断や、使われていないボットを見直す判断の材料になります。

原因

5

原因

答えられない質問が記録されず、資料が直らない

↓

対策

答えられない質問は人の窓口に回し、記録して資料を足す

なぜ止まるか

ボットが答えられなかった質問がどこにも残らないと、資料のどこが足りないのかが分かりません。答えられなかったあとの行き先も無いと、聞いた人はそれきり使わなくなります。

対策の進め方

資料に無い質問には「資料には書かれていません」と返し、聞く先の窓口を案内するように、ボットの指示に書いておきます。窓口に届いた質問は表に記録し、月に1度、持ち主が見て、資料かFAQに足します。

効果は、ボットの利用回数よりも、担当の人に直接届く質問の件数が減ったかで見るほうが分かりやすくなります。比べられるように、ボットを公開する前の1か月の件数を控えておきます。

答えられなかった質問を記録して資料を足すと、次からはボットが答えられるようになります。

この対策に使えるもの

おすすめのサービス

部署で作った社内チャットボットを全社で探せるようにする、
組織のAIポータル「AI Portalize」

AI Portalizeは、社内で作ったAIツールとAI活用のナレッジを1か所に集め、全社で探して使えるようにする組織のAIポータルです。社内の資料を読み込んで答えるAIではなく、Gemini NotebookやGemで作った社内チャットボットを全社に届け、使われ方を見えるようにする役目を持ちます。上の対策のうち、一覧づくり、探しやすさ、使われた回数の確認を、次の機能で進められます。

・社内の資料に答えるGemini Notebookや、決まった作業をするGemを、AIツールとして登録し、全社に共有できます。
・AIツールは名前・説明・タグで検索でき、種別・作成者・タグで絞り込めます。全社・チーム・同じ職種の中での人気順にも並べ替えられます。
・ツールごとに、使われた回数と使っている人が分かります(Chromeの拡張機能とGoogle Workspaceとの連携で記録します)。よく使われているボットを広げる判断や、使われていないボットを見直す判断の材料になります。
・ボットの使い方や、入れてはいけない情報などの注意は、ナレッジの記事として書いて、全社に公開できます。
・ほかの部署のツールを、コピーして自分の部署用に直して使えます。

社内チャットボットの作成や、全社への広げ方の設計は、AIコンサル&伴走支援でもお手伝いします。

FAQ

社内チャットボットについての
よくある質問

FAQ

  • Q

    AI Portalizeが、社内の資料を読み込んで答えるのですか?

    A

    いいえ。AI Portalizeは、社内の資料を読み込んで答えるAIではありません。社内の資料に答えるAIはGemini NotebookやGemでお作りいただき、AI PortalizeにAIツールとして登録すると、全社から名前・説明・タグで探せるようになり、使われた回数も分かるようになります。

  • Q

    社内チャットボットが使われないのは、なぜですか?

    A

    多いのは、答えが古い、答えられない質問が多いといった資料の側の理由と、ほかの部署の人がボットがあることを知らない、探せないといった置き場所の側の理由です。資料は正本と更新の担当を決めて整え、置き場所は全社から探せる一覧にまとめると、両方に手を打てます。

  • Q

    Gemini Notebookで作ったボットが使われているかは、どこで分かりますか?

    A

    ノートブックを自分以外の4人以上と共有していて、過去7日間にチャットがあった場合に、ノートブックの「アナリティクス」で、1日あたりのユーザー数とクエリ数を確かめられます。どんな質問が来たかまでは分からないので、答えられなかった質問は、案内した窓口で別に記録しておきます。

  • Q

    部署ごとにボットを作るのと、全社で1つにまとめるのは、どちらがよいですか?

    A

    入れた資料を誰が見てよいかで決めます。見てよい人が違う資料は、ボットを分けます。一部の人しか見てはいけない資料を全社向けのボットに入れると、AIが誰にでもその中身を答えてしまうためです。全社に答えてよい規程は1つのボットにまとめ、部署の中だけで使う資料は部署のボットに入れます。

  • Q

    ChatGPTやCopilotで作った社内ボットも、AI Portalizeに登録できますか?

    A

    AIツールとして登録できるのは、Gem・Gemini Notebook・スキル・HTMLアプリ・GASアプリです。ChatGPTのGPTsやCopilotのエージェントは登録できませんが、使い方や注意は、どのAIのものでもナレッジの記事として共有できます。利用回数の集計は、Gemini(Chromeの拡張機能とGoogle Workspaceとの連携)とClaude(管理者が利用データを取り込む形)に対応しています。

このページの各社の製品の仕様は、2026年10月時点の公式ヘルプで確かめた内容です。

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