
AIスライド作成のやり方。Geminiで構成と中身を作り、パワポやGoogleスライドで仕上げる2段階の手順
2026/09/03
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
AIスライド作成は、構成、各ページの文言、見た目の順に、段階を分けて作らせるのがいちばん確実な進め方です。
最初はGeminiなどのチャットのAIに構成だけを出させ、人が決めてから、パワポやGoogleスライドで仕上げます。

作らずにすぐ使うなら、構成と各ページの文言までを作れる業務アプリ「スライド構成案ジェネレーター」があります。
AIスライド作成の4つの手順
提案資料を例に、順番に見ていきます。
1. 相手・結論・素材を書いて、構成を2〜3案出させる
2. 構成を人が選んで確定し、見出しの一覧を残す
3. 確定した構成を渡して、各ページの文言を作らせる
4. パワポやGoogleスライドに貼り、1枚ずつ見た目を整える
手順1で渡すのは、提案の相手(会社・役職・前提知識)、伝えたい結論、使える素材(実績・数字・事例)の3つです。
出させるのは、スライドごとの見出しと、そこで言うことの1行だけで、デザインの指定はしません。
Geminiの入力欄に貼るプロンプトの例は次のとおりです。
〇〇の部分は、自社の内容に置き換えます。
提案資料のスライド構成を、3案出してください。
相手:取引先の総務部長。AIの知識は初級です。
伝えたい結論:〇〇業務をAIに任せると、毎月の作業時間を減らせる。
使える素材:導入実績2件、料金表、作業手順書。
出すもの:スライドごとの見出しと、そのスライドで言うことの1行だけ。デザインと本文は書かないでください。
業務でそのまま使えるプロンプトの例は、プロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方にまとめています。
プロンプトの書き方のコツは、全社共通のプロンプト作法を決める。押さえるべき7つの基本で扱っています。
構成案が出たら、人が選ぶか、よいところを組み合わせます。
この選択が、提案の中身に自分の判断を入れる工程です。
確定した構成は見出しの一覧として文書に残しておくと、次の手順の入力になり、構成の型の蓄積にもなります。
手順3では、確定した構成を渡して、各ページの本文を頼みます。
「1ページの本文は120字以内、箇条書きは3つまで」のように分量を決めておくと、文字の多すぎるページが出にくくなります。
手順4は、普段使っているスライドのツールで作業します。
全ページを一度に生成させると統一が崩れますが、構成が決まっているので、1枚ずつ作っても手戻りはありません。
何をどの順で話すかを詰めたいときは、プレゼン構成の作り方。Geminiで構成案を出し、元データとデザインを分けて進める手順に、構成の作り方を書いています。
構成とデザインを分けると質がそろう
一度にスライドまで作らせると、「構成は良いのに、なぜ見た目が崩れるのか?」という声が上がります。
逆に、見た目は整っているのに主張が通っていない資料も出てきます。
原因は、構成とデザインを同時に処理させていることにあります。
まず、判断の種類が違います。
構成は「何をどの順番で言うか」という論理の判断で、デザインは「どう見せるか」という視覚的な判断です。
同時に処理させると、どちらの判断も浅くなります。
また、修正の粒度も違います。
構成の修正は「この章を前に持ってくる」という単位で、デザインの修正は「この文字を大きく」くらいの単位です。
混ざると、片方を直したときにもう片方が崩れます。
さらに、確認する人が違います。
構成は業務を分かる人が見て、デザインは統一されているかを見ます。
つまり2段階に分けるのはAIの都合ではなく、業務としての切り分けです。

工程を切り分けてからAIを当てる発想は、スライド以外の業務にも使えます。
筋道は業務のAI化の進め方。棚卸しから優先順位付け・実装までの手順に沿って読むと分かります。
パワポとGoogleスライドで使えるAI
スライドの自動生成は、パワポ(PowerPoint)でもGoogleスライドでも、ツールの中のAIで試せます。
プレゼンAIと呼ばれる専用のサービスも含めて、先に構成を決めてから下書きを頼む流れは同じです。
PowerPointのCopilotについて、Microsoft Learnの紹介ページは、1回で全部を作る機能ではなく、会話で聞き手や伝えたい内容を決め、構成を整えてから下書きを作る流れだと説明しています。
複数のファイルの内容を取り込んだり、各スライドの発表メモを作ったりもできます。
パワポのAI作成も、構成を先に決める点は上の手順と同じです。
ただ、使えるプランは契約によって違うので、使う前に公式の案内で確かめます。
Googleスライドでは、右上の「Gemini に相談」から作ります。
Googleのヘルプでは、作りたいスライドを入力し、プレビューを見て「挿入」か「置き換え」を選ぶ手順で、一度に生成できるのは1枚だと説明されています。
対応するプランや言語はヘルプに条件が書かれているので、先に確かめます。
Googleスライドでの業務の標準化は、提案・報告資料の作成時間を半分にする。スライド業務のAI標準化にまとめています。
デザインのガイドラインは5項目に絞る
見た目を作らせる手順4では、デザインのガイドラインを一緒に渡します。
書くのは、次の5項目です。
使う色
文字の大きさの基準
1枚に入れる要素の上限
使う図の形式
使わないもの
色は企業の色と使いどころを、図の形式は表・グラフ・横並びの図などを挙げます。
使わないものには、装飾、影、複数の書体を書きます。
細かいガイドラインは、まず反映されません。
そのため5項目に絞り、使わないものを必ず書いておきます。
装飾を足す方向に処理されがちなので、ここを先に止めておきます。

文章は「そのまま渡せる形」にしておくと、貼るだけで使えます。
例えば「当社の資料は、見出しに濃紺、本文は黒、強調は赤を使わず、文字は最小18ポイント、1枚に入れる要素は3つまでとし、影と装飾は使いません」という書き方です。
あわせてテンプレートのファイルも用意すると、ガイドラインを読んで作るより、テンプレートに沿って作るほうが確実です。
組織への展開は、構成テンプレから始める3段階
組織への展開も段階を踏んでいきます。

最初は構成のテンプレだけで、資料の種類ごとの構成の型を作ります。
提案書、報告書、社内の企画書について、それぞれ1枚ずつ用意します。
中身は見出しの並びだけで、「現状の課題 → その背景 → 対処の選択肢 → 提案 → 実施の進め方 → 費用 → まとめ」のような並びを決めておきます。
作り方は、過去の良い資料から起こすのがいちばん速い方法です。
評価が高かった提案書3本を並べて、共通する構成を抜き出します。
型を言語化して資産にする進め方は、仕事の手順をAIに覚えさせる。社内の「型」を資産化する考え方で扱っています。
この段階では、デザインは各自の従来どおりで構いません。
構成がそろうだけでも、資料の質のばらつきは小さくなります。
構成がそろってきたら、先ほどの5項目のガイドラインを配ります。
会社の規定があればそれを使い、なければ5項目を1枚にします。
営業資料やホワイトペーパーも含めた分業の考え方は、営業資料・ホワイトペーパーを社内で回す。品質を落とさない分業設計にあります。
配ったものは古くなるので、更新の体制も決めます。
更新のオーナーは、構成のテンプレならその資料を最も多く作る部門、デザインのガイドラインなら広報かマーケティングに置きます。
更新のきっかけは、会社の色や書体が変わったとき、資料の種類が増えたとき、評価の高い資料が出たときの3つです。
最新版の場所は1つに決めます。
各自がコピーして使う運用だと、更新が反映されないからです。
更新が追えなくなる問題は、古い情報で答えるAIを作らない。社内ナレッジの更新体制のつくり方でも扱っています。
四半期に一度、実際に使われているかを見ておきます。
使われていないテンプレは、実務と合っていない可能性があります。

トンマナは具体的な語と実例で伝える
デザイン以外に、文章のトーンもそろえます。
「丁寧で分かりやすい文章で」という書き方は、抽象的で解釈が分かれてしまいます。
反映されやすい書き方は、使う言葉と使わない言葉を挙げる、文の長さの目安を数字で書く、良い例を1つ添える、の3つです。
具体的には、「『御社』ではなく『貴社』」「『AI導入』ではなく『AI活用』」のように、語を指定します。
長さは「1文は50字以内」「1スライドの本文は120字以内」と数字で書きます。
良い例は、実際の文を1〜2行渡します。
抽象的な説明より実例のほうが確実だからです。

この3つは共通の前提として置いておき、毎回書かせずにデフォルトに含めます。
やり方は毎回同じ前提を書かせない。組織の共通前提をデフォルト化するにまとめています。
スライド構成案ジェネレーターで構成から文言まで作る
スライド構成案ジェネレーターは、Geminiで動くCanvasアプリです。
目的、ターゲット、枚数、盛り込みたい内容を入れて「構成案を作る」を押すと、資料のタイトル案と全体のストーリー、スライドごとのタイトルと要点が出ます。
作成前に埋めておく情報の不足も指摘されます。
流れを見て納得したら、各ページの文言を作ります。
見出しと箇条書きがスライドの枠でプレビューされ、口頭で話す内容は、スライドに載せる文言とは分けて出ます。
結果はコピーするか、テキストで保存して、パワポやGoogleスライドに進みます。
チャットだと構成と文言が一気に出てきて、途中で直しにくくなります。
このアプリは構成で一度止まるので、流れを直してから文言に進めます。
自社の資料の型に合わせたいときは、GeminiのCanvas機能をオンにして、自分でアプリを作れます。
プロンプトの例は次のとおりです。
スライドの構成案を作るアプリを作ってください。
目的、ターゲット、枚数、盛り込みたい内容を入力できるようにします。
「構成案を作る」を押すと、スライドごとのタイトルと要点を出してください。
構成を確認して「各ページの文言を作る」を押すと、見出しと箇条書きを出してください。
結果はコピーできるようにしてください。
一度で思いどおりにならないこともあります。
まず作って動かし、付けたい機能を足していくほうが、結果的に早く仕上がります。
画面の見た目や使い勝手も、使いながら直していきます。
作ったアプリは、社内の人だけに共有します。
Geminiアプリのヘルプでは、公開リンクを知っている人はアプリのデータを閲覧・編集できると説明されているので、リンクを知っている人なら誰でも開ける設定はおすすめしません。
オンにする手順と共有の方法は、Gemini Canvasの使い方。業務アプリを作成して社内に共有するまでに書いています。
テンプレとガイドラインを全社が同じ場所から取れる状態にする
作るもの自体は多くありません。
構成のテンプレが数枚、デザインのガイドラインが1枚、トンマナの指定が数行です。
問題は、それが全社の手元にある状態を保てるかどうかです。
各自がコピーして持っていると、半年後には新旧のテンプレが混在し、資料の見た目が何種類にも分かれます。
一言でいうと、テンプレがない状態より読みにくくなります。
私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」には、すぐ使える業務アプリが300以上あり、自社の業務に合わせて手直しして使えます。
テンプレとガイドラインをまとめたGemも、社内の人だけが探せる場所に登録できます。
使われた回数も見えるので、どこまで行き渡ったかが分かります。
スライドは、構成を人が決めてからAIに作らせる
AIスライド作成は、構成を出させる、人が選んで確定する、各ページの文言を作らせる、1枚ずつ見た目を整える、の順で進めます。
構成とデザインは、判断も修正も確認する人も違うので、段階を分けます。
デザインのガイドラインは5項目に絞り、使わないものを書きます。
トンマナは、具体的な語と数字と実例で伝えます。
組織に配るときは、構成のテンプレ、ガイドライン、更新の体制の順です。
まずは自部門でよく作る資料を1種類選び、過去の良いもの3本から構成の型を抜き出すところから始めます。
参照した情報(2026年11月01日に確認)
すぐ使える業務アプリが300以上
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執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
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