
Gemini Canvasの使い方。業務アプリを作成して社内に共有するまで
2026/10/29
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
Gemini Canvas(GeminiのCanvas機能)でアプリを作るなら、gemini.google.com の入力欄の下で「Canvas」を選んでから、作りたいアプリをプロンプトで伝えます。
チャットの右側にアプリができるので、その場で試して、直したい所をチャットで頼みます。
作ったアプリを配るときは、社内の人だけが開ける形で共有するのが前提です。
また、共有されるのは共有した時点の写しなので、アプリを直すたびに配り直しが要ります。
作る、試す、直すまではCanvasの画面の中で済みますが、共有と更新は社内で手順を決めておく必要があります。

GeminiのCanvas機能でアプリを作る手順
Canvasは、Geminiのチャットでオンにして使う機能です。
パソコンのブラウザなら、次の順で進めます。
1. gemini.google.com を開き、テキストボックスの下の「ファイルを追加」アイコンから「Canvas」を選ぶ
2. 作りたいアプリの内容をプロンプトに書く(必要ならファイルや画像も添える)
3. 送信すると、右側のパネルにアプリが表示される
4. プレビューで、ファイルを入れたりボタンを押したりして試す
5. 直したい所をチャットで頼むか、右下の「選択して質問」でその部分を選んでから頼む
こうして作ったアプリを、ここではCanvasアプリと呼びます。
変更は自動で保存され、上部の「前のバージョン」「次のバージョン」で、直す前の版に戻ることもできます。
試すときは、本物の顧客データではなく、架空の名前や数字で作ったサンプルを入れてください。
空のまま実行する、文字化けしたファイルを入れる、といった意地の悪い入れ方も試しておくと、配ったあとに「動かない」と言われる場面を先に見つけられます。
Canvas機能で作れるものと、使える人
Canvas機能では、アプリのほかにも文書などを作れます。
Canvasは、Geminiアプリ(gemini.google.com)の中にある作業用の画面で、頼んだものが右側のパネルに表示されます。
Geminiアプリのヘルプでは、ドキュメント、アプリ、コード、ウェブページ、インフォグラフィック、クイズなどを作れると説明されています。
提供は2025年3月に始まり、Googleの公式ブログでは、GeminiとGemini Advanced(当時の有料版)の利用者に向けて提供すると発表されました。
Google Workspaceの更新情報によると、仕事用のWorkspaceでも、同じ月からBusiness、Enterprise、Education、Frontline、Essentials、Nonprofitsの各エディションで使えます。
なお、「キャンバスアプリ」で調べると、MicrosoftのPower Appsの説明も出てきます。
こちらは部品を画面にドラッグして並べて業務アプリを作る仕組みで、GeminiのCanvas機能とは別のものです。
自社専用のAIツールを作って社内に広げる流れ全体は、GemとCanvasアプリで自社専用のAIツールを作る。作り方から社内展開までで扱っています。
業務アプリを作るプロンプトの書き方と例
一言で頼んでもCanvasは何かしらのアプリを作りますが、それだけでは仕事で使える形になりにくいです。
プロンプトには、少なくとも次の5つを書いておきます。
使う人と場面
入れるもの
中でやること
出てくるもの
守ること
使う人と場面は、誰がどの作業の途中で開くのかです。
入れるものはCSV、PDF、画像、貼り付けたテキストなどの形式と量で、中でやることは照合する、分ける、読み取るといった1つの作業に絞ります。
出てくるものには、画面の表、コピー、CSVやPNGのダウンロードなどを書きます。
守ることは、外部に送らずブラウザの中で処理する、元のデータを書き換えない、といった決まりです。
例えば、2つのCSVを比べるアプリなら、Geminiに貼るプロンプトの例は次のとおりです。
営業部の担当者が、月末に2つの顧客リストを照合するときに使うアプリを作ってください。
CSVファイルを2つ読み込み、「顧客コード」の列をキーにして照合します。
結果は「両方にある」「Aだけ」「Bだけ」「キーが重複」の4つに分けて表で表示し、それぞれをCSVでダウンロードできるようにしてください。
ファイルは外部に送らず、ブラウザの中だけで処理してください。
これを「CSVを比べるツールを作って」の一言で頼むと、何をキーにして何を返すのかを、Geminiが推測で補うことになります。
業務でそのまま使えるプロンプトの例は、プロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方にもまとめています。

このプロンプトで、一度で思ったとおりのアプリができるとは限りません。
まずは作って動かしてみて、「結果を表で見たい」「ボタンを大きくしたい」のように、足りない機能や見た目をチャットで少しずつ頼んでいくと、使いやすいアプリに育っていきます。
もうひとつ、アプリの中でGeminiを使うかどうかも、プロンプトを書く前に決めておきます。
照合や変換のように決まった計算で済む作業なら、ブラウザの中だけで処理するアプリにできます。
一方、写真から文字を読み取る作業などはGeminiを呼ぶ必要があり、右下の「Gemini 機能を追加」から、テキストや画像の生成をアプリに組み込めます(18歳以上の利用者が対象)。
Canvasアプリの共有方法と、社内に限る理由
作ったアプリを渡す方法は「公開リンク」と「ドライブ」の2通りで、どちらを使えるかはアカウントの種類と管理者の設定で変わります。
公開リンクは、パネル右上の「共有とエクスポート」から「共有」を選び、「公開リンクをコピー」で作ります。
受け取った人は、パソコンのブラウザでリンクを開き、「Gemini Canvas を試す」から「コピーを作成」を選ぶと、自分用に複製して手を加えられます。
リンクを開けるのはgemini.google.comだけで、Geminiのモバイルアプリでは開けません。

ただ、ヘルプには、公開リンクを知っている人はアプリに関連するデータを見たり編集したりできる、という注意書きがあります。
つまり、リンクがチャットやメールで社外に渡れば、社外の人でもアプリを開けてしまいます。
そのため、当社では、「リンクを知っている人なら誰でも見られる」公開リンクを広く流す配り方はおすすめしません。
「このアプリ、リンクを送ってもらえますか?」と頼まれたときほど、送る先が社内の人だけかを確かめてください。
仕事用のWorkspaceについて、管理者向けヘルプでは、公開リンクでの共有は初期設定でオフ、Googleドライブを使った共有は初期設定でオンと説明されています。
ドライブでの共有は、ドキュメントと同じ共有メニューで相手を選ぶ方法で、2026年6月から順に使えるようになりました。
ドライブで共有したアプリを開けるのはGoogleアカウントにログインしている人だけで、組織の外に出せるかどうかはドライブの外部共有の設定に従います。
社内に配るなら、ドライブでの共有を使い、相手を社内の人やグループに絞って渡すことをおすすめします。
どちらの方法でも、共有されるのは共有した時点までのスナップショット(写し)です。
チャットの共有についてのヘルプには、公開リンクを作ったあとでチャットを編集したり続けたりしても、共有ページの内容は変わらないと書かれています。

アプリを直したあとの配り直し
共有が写しである以上、アプリを直しても、配ったリンクの先は古い版のままです。
組織で使うアプリほど、ここで「人によって使っている版が違う」状態が起きます。
当社で試した範囲では、直したあとに共有し直すと、前とは別のリンクができました。
そのため、アプリを直すたびに、次の3つをまとめて行います。
1. 直したアプリを試してから共有し直し、新しいリンクを作る
2. 社内の一覧に載せているリンクを、新しいものに差し替える
3. 古い公開リンクを、「設定とヘルプ」の「公開リンク」から削除する
削除したリンクを開くとgemini.google.comに移るので、古いリンクから古い版が開かれることはなくなります。
ただ、リンクがチャットやメールのあちこちに貼られていると、差し替えが追いつきません。
アプリのリンクは社内の一覧の1か所にだけ載せ、ほかの場所からはその一覧を案内する形にしておきます。
一覧には、アプリ名とリンクのほか、できること、入れてよい情報、直す担当、最後に直した日を書いておきます。

社内に配る範囲を段階的に広げる進め方は、現場が作ったAIツールを埋もれさせない。社内配布と権限の設計で扱っています。
一覧がなく、作ったアプリの場所が社内に知られていないことは、AIツールやプロンプトが、社内で共有されない原因の1つで、対策も合わせて書いています。
Canvas機能で作れる業務アプリの例
Canvas機能でどこまでの業務アプリが作れるのかは、実物を並べたほうが伝わると考えます。
資料づくりや事務の作業で使うCanvasアプリを9本と、Canvasアプリを出すGemを1本並べます。
アプリ | できること |
|---|---|
PDF→画像変換ツール生成(Gem) | PDFの各ページを画像にしてZIPでまとめてダウンロードするアプリを、Canvasで出す |
PDFの結合、ページの削除、抽出と分割、画像からのPDF作成を1本で行う | |
文字コードの組み合わせを総当たりで試し、元の日本語の候補を出す | |
画像内文字除去 | 画像の文字を消し、後ろにあった色や模様を補う |
画像内テキスト修正 | 画像の文字を、書体や色、配置を保ったまま別の文字に置き換える |
画像を2倍・4倍・8倍に拡大し、ノイズを取って細部を補う | |
名刺・帳票の写真→CSV変換 | 名刺や請求書などの写真から項目を読み取り、CSVで保存する |
画像背景除去 | 被写体を切り抜き、背景を白に置き換えた画像を作る |
2つのCSVをキーの列で照合し、両方にある・片方だけ・重複に分ける | |
AIに貼る前の文のメールアドレスや電話番号などを置き換え、回答を元の値に戻す |
表の中で、PDF→画像変換ツール生成が出すアプリと、PDFツールキット、文字化け復元ツール、CSV突合ツール、個人情報マスキングツールは、ブラウザの中で処理して外部に送らない作りです。
画像の文字を消す、解像度を上げる、写真から項目を読み取るといったアプリは、アプリの中からGeminiを呼んで処理しています。
使う人が自分で判断できるように、一覧の「入れてよい情報」の欄には、どちらの作りなのかを書いておきます。

1本ずつ作って配る段階の先には、部門ごとに作れる人がいて、現場が自分でアプリを作る形があります。
その形にするまでの流れは、社内AIツールの内製化。現場が自分で作れる組織にするまでにまとめています。
この作業に使える業務ツール「名刺・帳票→CSV」、業務ツール「画像の背景除去」と業務ツール「画像内の文字除去」は、詳しいページでできることと使い方を紹介しています。
Canvasアプリのリンクを社内の1か所にまとめる
アプリを直すたびにリンクを差し替えるなら、差し替える場所が社内に1か所しかないことが前提になります。
私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」では、社内で作ったGemやCanvasアプリを登録すると、社内の人だけが探せる一覧に載り、使われた回数や使った人数が作った人に返ってきます。
すぐ使える業務アプリも300以上あり、自社の業務に合わせて手直しして使えます。
何本かまとめて直したときは、使う人の多いアプリから先に配り直すと、古い版のまま使い続ける人を早く減らせます。
直したCanvasアプリは、社内の1か所から配り直す
GeminiのCanvas機能で業務アプリを作るところまでは、プロンプトさえ整えれば、作る人の手元で済みます。
ただ、共有されるのはその時点の写しなので、アプリを直すたびに配り直しが要ります。
最初の1本を配る前に、社内の人だけが開けるリンクの置き場所と、直す担当を決めておきます。
参照した情報(2026年10月29日に確認)
すぐ使える業務アプリが300以上
開いてそのまま使えて、AIで自社用にも直せます。15の分野から、やりたい作業で探せます。業務アプリを見る
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
お知らせ・組織AI推進ナレッジ一覧










