
Geminiのスキルとは。Gemとの違いと作り方、思いどおりに呼び出すための説明文の書き方
2026/11/05
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
Geminiのスキルは、どのチャットからでも呼び出せる仕事の手順書です。
作る画面には「Geminiで作成」「手動で作成」「アップロード」が並び、いちばん簡単なのは手動で作成する方法です。
説明の欄に「どんなときに使うか」を書いておくと、内容に合う依頼のときにGeminiが自分で選んで使います。

Geminiのスキルを手動で作成する手順
Geminiのスキルの作り方でいちばん簡単なのは、手動で作成する方法です。
名前・説明・カスタム指示の3つを書けば、最初の1本ができます。
1. Geminiの左のメニューで「カスタマイズ」から「スキル」を開き、「作成」を押して「手動で作成」を選ぶ
2. 名前、説明、カスタム指示を書く
3. 資料があれば、右上の「ファイルを追加」でGoogleドライブのファイルかノートブックを選ぶ
4. 「保存」を押し、新しいチャットの入力欄で「@」を押してスキルを選び、依頼を送る
手順は、公式ヘルプと当社の画面(2026年11月4日、仕事用アカウント)で確かめた範囲です。
手動で作成の画面には、名前・説明・カスタム指示の3つの欄と、右上の「ファイルを追加」だけがあり、Gemにあったツールやモデルの欄はありません。
当社の画面では、名前に入れた記号と長音「ー」が消えました。
「フォーマット」が「フォマット」になったので、保存したあとに名前を見て確かめます。
スキルとGemの違い、作り方の3つ
スキルは、公式ヘルプで、くり返し使えるカスタム指示として説明されています。
Gemは専用の画面を開いて会話しますが、スキルはふだんのチャットの途中で呼び出します。
Geminiがいまの依頼に合うスキルを自分で選ぶこともあり、1つのチャットで複数のスキルを組み合わせられます。

もう1つの違いは、会話の一覧です。
公式ヘルプによると、Gemのようなスキルごとの会話の一覧ページはなく、使ったチャットはサイドパネルに出ます。
同時に有効にできるスキルは100個までです。
Gemの廃止の時期や、手で移す手順はGemの廃止とGeminiのスキルへの移行。Gemを移す手順と企業が今から決めておくことに書いています。
当社の画面で作る入り口は、次の3つでした。
公式ヘルプには、用意されたテンプレートを編集して作る方法も載っています。
作り方 | 向いている場面 | 補足 |
|---|---|---|
Geminiで作成 | 文章で伝えて、下書きを作らせたい | 作ったあとに名前・説明・指示を読み直す |
手動で作成 | 名前・説明・指示を自分で書きたい | 3つの欄と、資料を入れる「ファイルを追加」 |
アップロード | すでにSKILL.mdがある | SKILL.md・フォルダ・zipを入れる |
公式ヘルプには、ほかのサービスで作ったスキルも、SKILL.mdをアップロードすれば取り込めると書かれています。
Claudeのスキルの書き方と配り方は、SKILL.mdとは。Claudeのスキルの書き方と、作ったスキルを社内に配る手順で扱っています。
スキルの説明文は、いつ使うかを判断する材料になる
Geminiのスキルの使い方でいちばん差が出るのは、説明の欄です。
公式のスキルの書き方のヘルプには、Geminiはまずスキルの名前と説明だけを見て、その依頼に関係があるかを判断すると書かれています。
関係があると判断したときに、中身の全文を読みます。
同じヘルプは、説明の書き方として、使う場面の具体例を挙げて「Use when」(〜のときに使う)の形で始めること、三人称で書くこと、1024文字以内に収めることを案内しています。
Gemの説明は人に向けた紹介文でしたが、スキルの説明はGeminiが読む判断材料なので、書く内容が変わります。
当社の画面では、社内用語を説明するスキルで、次の2つを確かめました。
どちらも1回ずつです。
「社内用語について教えて」と送ると、そのスキルが動いた
顧客について聞いた質問でも、「社内用語」という語が入っていたためか、同じスキルが動いた
1回ずつの結果なので、いつもそうなるとは言い切れません。
ただ、似た語や似た役割のスキルがあると、取り違えが起きそうです。
説明は、次の3つを入れて書くのがよさそうです。
これは当社の考えで、公式ヘルプの型ではありません。

何をするスキルか
どんな依頼のときに使うか
使わない場面
説明の例(社内用語のスキル)は、次のようになります。
社内の用語の意味を、用語集に沿って説明するスキル。社員から社内用語の意味を聞かれたときに使う。顧客や取引先についての質問には使わない。
「使わない場面」を書く方法は、当社ではまだ試していません。
取り違えを減らすかどうかは、試してから判断します。
似た役割のスキルを増やしすぎないことも大事です。
一度で思いどおりに選ばれないこともあります。
まず作って使い、選ばれなかった依頼の言葉を、説明に足していきます。
カスタム指示の書き方は、ふだんのプロンプトと同じです。
基本は全社共通のプロンプト作法を決める。押さえるべき7つの基本に、そのまま使える例はプロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方にあります。
「@」で呼ぶ方法と、探し方・直し方
呼び出し方は、入力欄で「@」を押してスキルを選ぶ方法と、Geminiに自動で選ばせる方法の2つです。
公式ヘルプは、これまで「/」で呼ぶと説明していて、近く「@」に変わるとしていました。
当社のアカウントでは、すでに「@」でした。
自動で選ばれたときは、回答の先頭に「Skills: スキル名」と出ることがあります。
スキルが増えて「@」で探しにくくなったら、Geminiに探させる方法があります。
ほかの企業の担当者との情報交換で聞いた話では、「グラレコのスキルを探して」と送ると、登録してあるスキルを見つけてきたそうです。
「画像の作成に使えるスキルを探して」では、2つあるうちの2つとも出してきたと聞きました。
回数は分からないので、あくまで聞いた話です。
当社では、不安なときは最初に「〇〇に使えるスキルはある?」と聞いてから使うとよいと考えています。
直すときは、スキルを呼ばずに、名前を挙げて「〇〇のスキルを直したい」と送る方法があります。
ほかの企業の担当者との情報交換で聞いた話では、どう直すかを聞き返してきて、反映までしてくれたそうです。
当社の画面でも動きましたが、試した回数が少ないので、断定はしません。
資料の持たせ方は、ドライブとノートブックが安定した
スキルに資料を持たせる方法は、当社で試した範囲では、「ファイルを追加」で入れるやり方がいちばん安定しました。

当社の画面(2026年11月4日)で、「ファイルを追加」からドライブのドキュメントとノートブックを入れ、新しいチャットで質問しました。
ドライブが3回、ノートブックが3回で、6回とも資料の中身を使った答えが返りました。
既定のモデルで2回、思考モードで1回ずつです。
資料にない語を聞くと、どの回も「資料にありません」と答えました。
一方、zipにまとめて同梱したファイルは、5回試して、中身を使った答えが返ったのは1回でした。
思考モードでは、エラーが出ることもありました。
ドライブの文書を書き換えて、スキルには触らずに同じ質問をした試験もあります。
答えが返った2回は、どちらも書き換え後の内容でした。
もう1回は、4分待っても答えが出ませんでした。
追加したドライブのファイルは、保存した時点の写しではなく、元のファイルを読みに行っていると考えられます。
そのため、資料はドライブの1か所に置き、そこを更新する運用をおすすめします。
ただ、共有を受け取った人がそのドライブのファイルを見られない場合にどうなるかは、まだ確かめていません。
社外秘の資料を入れるなら、置き場所とアクセスできる範囲を、社内の情報システムなどに確認してからにしてください。
得意な仕事と、苦手な仕事
Gemでうまくいっていた仕事は、スキルにしても、おおむね同じように動く印象です。
当社の壁打ち用のGemをスキルにしたところ、2つのモデルとも指示どおりに動きました(各1回)。
ただ、仕事の種類で結果は分かれます。
当社で試した結果、ほかの企業の担当者から聞いた話、公式の記載を分けて並べます。

題材 | 当社で試した結果 | 聞いた話 | 公式 |
|---|---|---|---|
テキストの指示 | 動いた | — | — |
見本の画風の画像 | 既定のモデルで1回、見本の画風で出た | — | — |
決まった型のHTMLメール | — | 安定していた | — |
会議の要約のグラフィックレコーディング | — | うまくいった | — |
自社デザインのスライド | — | 色くらいしか合わなかった | — |
CanvasとDeep Research | 指示に書いて既定のモデルで1回起動。Deep Researchは動かなかった | — | スキルではまだ使えない |
見本の画風の画像は、見本のイラストを入れたスキルに、文字で場面だけを伝えた試験です。
思考モードでは1回試して、見本の画風になりませんでした。
スライドは、聞いた話では、デザインの指示を読めているのに、作らせるとGeminiのいつものデザインになったそうです。
Canvasは、公式ヘルプが「スキルではまだ使えない」としています。
当社の画面でも、スキルを選ぶとメニューから消えました。
一方で、Canvasで作ったアプリのソースコードをスキルに入れ、指示に「Canvasに出す」と書くと、既定のモデルでアプリが表示されました。
公式とは食い違うので、1回の結果として読んでください。
モデルによっても結果は変わります。
画像と、アプリを出すスキルは、既定のモデル「4 Argon」では動き、思考モードでは動きませんでした(各1回)。
ただ、別の日の試験では逆の場面もあり、どのモデルが向くとは言い切れません。
当社と聞いた話で一致した印象は、Gemで安定していたものはスキルでも安定し、不安定だったもの(スライドなど)はより不安定になる、というものです。
小さく分けて作り、共有はまだ限られる
すべてをカスタム指示に入れるか、資料に分けるかに、正解はまだありません。
当社では、小さな仕事ごとにスキルを分け、説明の欄で使い分けるのがよさそうだと考えています。
ほかのAIのスキルでは、チャットでやり取りしてうまくいった手順を、「これをスキルにして」と残す使い方が中心です。
Geminiでも、同じ使い方になっていくと見ています。
スキルにするかGemのまま使うかの判断はGemの移行と棚卸し。反復はアプリ、往復はスキルに移す判断基準に、プロンプトの保存先の使い分けはGeminiのプロンプト保存方法。Gem・スキル・保存された情報の使い分けにあります。
共有は、Geminiアプリのスキルでは今のところ使えません。
当社の画面(2026年11月4日)では、スキルの一覧にも、開いた画面の「スキル アクション」にも、共有がありませんでした。
公式ヘルプは、共有を「今後数週間以内」に使えるようにする予定と書いています。
ほかの企業の担当者との情報交換で聞いた話では、zipでダウンロードして人に渡すと、ドライブにつないだ資料の中身はついてこないそうです。
当社も同じ認識です。
業務で配るスキルは、モデルが変わるたびに指示を直して配り直す場面があり、共有できないと運用が難しいという声も聞きました。
Workspace Studioのスキルビルダーには、「共有」のボタンがあります。
公式ヘルプでは、公開範囲を「非公開」から組織内に変えてリンクを送る形で、受け取った人には設定と参照ファイルのコピーが届き、作った人のメールアドレスも見えます。
共有できるのは、オンにしたスキルだけです。
当社の画面では、Geminiアプリで作ったスキルはStudioの一覧に出ず、別々に管理されていました。
作ったスキルは、社内限定で共有する前提にします。
社外の人に見られる設定は、できる場合でもおすすめしません。
社外との共有は、管理者が決める設定です。
スキルの一覧と持ち主を決めて、社内で回す
スキルが増えると、同じ役割のスキルが重なったり、持ち主が分からないスキルが残ったりします。
そこで、次の3つをそろえておくと回しやすくなります。
スキルの一覧と、持ち主
説明文の書き方
資料を置くドライブの場所
説明文は、前に書いた3つ(何をするか、どんな依頼のときに使うか、使わない場面)でそろえます。
一覧と持ち主の決め方は現場が作ったAIツールを埋もれさせない。社内配布と権限の設計に、社内AIボット全体の考え方は社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルにまとめています。
「AIツールやプロンプトが、社内で共有されない」という声が上がる状態からの立て直しは、AIツールやプロンプトが、社内で共有されないのページで扱っています。
私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」には、すぐ使える業務アプリが300以上あり、自社の業務に合わせて手直しして使えます。
社内で作ったアプリも、社内の人だけが探せる場所に登録でき、名前や説明から見つけられます。
説明の欄に「いつ使うか」を書いたスキルから、1本ずつ増やす
スキルは、1本に全部を詰め込まなくても動きます。
よく頼む仕事を1つ選び、手動で作成で名前・説明・カスタム指示を書くところから始めます。
説明には、何をするスキルか、どんな依頼のときに使うか、使わない場面を入れます。
資料が要るなら、ドライブのファイルかノートブックを「ファイルを追加」で入れます。
動いたら、次の仕事のスキルを足します。
増やすときは、一覧と持ち主を決めてから始めます。
参照した情報(2026年11月4日に確認)
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執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
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