組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

Geminiのプロンプト保存方法。Gem・スキル・保存された情報の使い分け

Geminiのプロンプト保存方法。Gem・スキル・保存された情報の使い分け

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

Geminiでプロンプトを保存するなら、会社のGoogle Workspaceのアカウントでは、いまはGemのカスタム指示に入れるのが基本です。
2026年10月23日時点のGoogleのヘルプを見るかぎり、Geminiに「プロンプトの保存」という名前の機能はなく、残す場所が目的ごとに用意されています。

この記事では、Gem、スキル、保存された情報、会話の履歴の4つについて、公式ヘルプで確かめた手順を順に見ていきます。
あわせて、Workspaceの仕事用アカウントで変わる点と、チームで残すときの置き場所まで扱います。

Geminiでチームに配るプロンプトの置き場所を、Gem・スキル・Geminiの外の原本の3つと、いま・Gemが終わるとき・移行のあとの3つの時点で示した図。会社のアカウントでは、いまはGemに入れて閲覧者・編集者に共有する。スキルは個人アカウントで使え、共有は今後数週間のうちの予定。Gemが終わるときは自動でスキルとして作り直され、作った人のスキル一覧に「非アクティブな下書き」として入り、作った人が有効にするまで使うことも共有することもできない。カスタム指示を原本の置き場所に写しておけば、移行のあとに同じ指示が使えているかを原本と照らして確かめられる

ChatGPT・Copilot・Claudeも含めた保存方法の全体と、チームで残す方法の比べ方は、プロンプトの保存方法。ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeの機能とチームでの残し方にまとめています。

Geminiでプロンプトを保存する場所は、残したいものごとに4つあります

最初に、どこに何を残すのかを1枚の表で押さえておきます。
同じ「保存」でも、作業の指示を残すのか、自分の前提を覚えさせるのか、会話を残すのかで、使う機能が変わります。

残したいもの

使う機能

他の人との共有

2026年10月時点の注意

決まった作業の指示と資料

Gem

できる(閲覧者・編集者)

個人は2026年11月、Workspaceの企業向けは2027年3月に終了し、スキルへ移る

決まった作業の指示(新しい形)

スキル

まだできない

2026年10月13日から順に提供中。仕事用はヘルプでは「まもなく」

自分の仕事や好みの前提

保存された情報

共有の手順はない

自分への回答に使われる。仕事用アカウントで使えるかはヘルプに記載なし

うまくいったやり取り

会話の履歴・公開リンク

公開リンクで渡せる

リンクを知っている人は誰でも読める

一言でいうと、繰り返し使うプロンプトはGemかスキルに入れます。
自分についての前提は保存された情報に、具体的なやり取りは会話のほうに残します。
ここからは、それぞれの手順と気をつける点を見ていきます。

何度も使うプロンプトは、Gemのカスタム指示に入れて保存します

業務で同じ依頼を何度もするなら、2026年10月時点でいちばん使いやすい保存先はGemです。

Gemは、名前・説明・カスタム指示に加えて、参考資料のファイルを「知識」として持たせられるGeminiです。
毎回貼り付けていたプロンプトをカスタム指示に入れておけば、用件だけ書いても同じ前提で答えてくれます。

作ったGemは、2026年10月時点では、gemini.google.comで「サイドバーを開く」から「Gem」と進んだ一覧に並びます。
中身を直すときは、一覧で対象のGemの横にある編集アイコンから開きます。
なお、Workspaceの管理者向けヘルプでは、2026年11月17日にGemがGeminiアプリの「設定」の中に移るとされていて、そのあとも作る・直す・使うことはできます。
サイドバーにGemが見当たらなくなったら、「設定」の中を探してください。

Gemの強みは、そのまま人に渡せる点です。
一覧で対象のGemの横にある「共有」を押し、相手のメールアドレスと権限を選べば、相手も同じGemを使えます。
権限は「閲覧者」と「編集者」の2つで、アクセス権には有効期限も付けられます。
作った人が異動するときは、「オーナー権限を譲渡」で別の人に引き継げます。

ただ、共有したGemのカスタム指示とアップロードしたファイルには注意が要ります。
Gemにアクセスできる全員が見られると、ヘルプに書かれています。
閲覧者の権限でも中身は見えるので、共有する予定のGemには、見せたくない資料や個人の情報を入れないでおきます。

Gemは終了が決まっていて、次の保存先はスキルです

Gemに保存する前に、終わる時期を確かめておきます。

Googleのヘルプ「Gem からスキルへの移行について」では、Gemの提供が終わる時期を次のように案内しています。
時期はログインしているアカウントの種類で違い、2026年10月23日に確認した内容は次のとおりです。

  • Workspace Business・Enterprise・Non-Profit:2027年3月(管理者向けヘルプでは3月1日以降)

  • Workspace Education:2027年6月

  • 個人のGoogleアカウント:2026年11月

終了のときには、Gemは自動でスキルとして作り直され、対応している形式の知識ファイルも一緒に移されます。
ただ、Workspaceの管理者向けヘルプでは、移されたスキルは作った人のスキル一覧に「非アクティブな下書き」として入り、作った人が有効にするまで使うことも共有することもできないとされています。
スキルが使えるアカウントなら、終了を待たずに自分でスキルへ作り直すこともできます。

スキルは、ヘルプで「再利用可能なカスタム指示」と説明されている機能です。
チャットで「/」に続けてスキルの名前を入れると呼び出せて、この記号は近く「@」に変わる予定とも書かれています。
Geminiが、依頼に合うスキルを自動で使うこともあります。

会社のアカウントでスキルが使えるかどうかは、案内によって書き方がそろっていません。
2026年10月23日時点のGeminiアプリのヘルプでは、スキルは18歳以上の個人のGoogleアカウントで使え、仕事用と学校用のアカウントは「まもなく」という書き方です。
一方で、2026年10月13日のGoogle Workspace Updatesは、仕事用のアカウントにも順に提供し、11月中旬に行き渡る見込みとしています。
自社の画面で、設定の中に「スキル」が出ているかを見るのが確実です。

「スキル」が出ていて、Gemの指示を自分で移すときは、サイドバーの「設定」から「スキル」を開き、「手動で作成」を押します。
Gemの名前・説明・カスタム指示を貼り付けて、「作成」を押せば完了です。
スキルの管理のヘルプでは、入り方が「カスタマイズ」から「スキル」と書かれています。
画面の表示に合わせて進めてください。

他の人と共有する機能は、どちらの案内でも、今後数週間のうちに使えるようになる予定の段階です。
つまり、会社のアカウントでチームに配るプロンプトは、当面はGemに入れておくことになります。

Gemとスキルの扱いを、仕事用のアカウントと個人のGoogleアカウントで比べた表。Gemの提供が終わるのは、WorkspaceのBusiness・Enterprise・Non-Profitが2027年3月、Educationが2027年6月、個人が2026年11月。スキルは、仕事用はヘルプでは「まもなく」、Google Workspace Updatesでは11月中旬までに順に提供とされて書き方がそろっておらず、個人アカウントでは18歳以上で使える。他の人と共有する機能は、どちらも今後数週間のうちの予定

自分の前提は「保存された情報」に、うまくいったやり取りは会話に残ります

Gemやスキルが作業ごとの指示を残す場所だとすると、保存された情報は自分についての前提を残す場所です。

担当している業務や文章の好みなど、どの依頼にも共通する前提を入れておくと、Geminiが回答に反映します。
手順は、gemini.google.comで「設定とヘルプ」から「保存された情報」を開き、「追加」を押します。
内容を入れて「送信」を押せば保存され、チャットの途中で「これを覚えておいて」と頼んだ内容も同じ場所に入ります。

確かめたヘルプには、保存された情報を他の人と共有する手順は書かれていません。
自分への回答を整えるための場所なので、チームの前提をそろえる用途には、Gemのほうが向いています。
会社全体で前提をそろえる考え方は、毎回同じ前提を書かせない。組織の共通前提をデフォルト化するで扱っています。

うまくいったやり取りそのものを残したいときは、会話の履歴を使います。
「アクティビティの保存」がオンなら、チャットは「Gemini アプリ アクティビティ」に残り、あとから開き直せます。

人に見せたいときは、会話の下の共有アイコンから「会話を共有」を選びます。
g.co/gemini/shareで始まる公開リンクがコピーされるので、それを相手に送ります。
Gemを使った会話なら、「会話と Gem カスタム指示を共有」を選んで、指示ごと渡すこともできます。

ただし、公開リンクは、リンクを知っている人なら誰でも読めて、再共有もできます。
作ったリンクは「設定とヘルプ」の「公開リンク」から削除できます。
それでも、社内の資料や顧客の情報が入った会話は、はじめから公開リンクにしないでおきます。

Geminiの保存された情報と、会話の履歴・公開リンクを左右に並べた図。保存された情報は自分についての前提を残す場所で、担当業務や文章の好みを入れるとGeminiが回答に反映し、「設定とヘルプ」から追加でき、チャット中に「これを覚えておいて」と頼んだ内容も入るが、他の人と共有する手順はヘルプにない。会話は「アクティビティの保存」がオンなら履歴に残り、「会話を共有」で公開リンクを作れるが、リンクを知っている人なら誰でも読めて再共有もできる

Google Workspaceでは、共有できる範囲を管理者の設定が決めています

会社のWorkspaceアカウントでGeminiを使っている場合は、個人アカウントと違う点がいくつかあります。

まず、仕事用アカウントのGemの共有は、組織ごとのGoogleドライブの共有設定に従います。
一般的なアクセスで「組織内」を選べば、組織のアカウントでログインしている人は誰でもGemを開けます。
その一方で、「一般公開」や「リンクを知っている全員」は表示されないことがあります。

Gemに共有アイコンが出ないときは、管理者がGemの共有を無効にしている可能性があります(管理コンソールの「生成 AI」→「Gemini アプリ」→「Gem の共有」)。
知識に、共有に対応していない形式のファイルが入っている場合も同じです。
会話の公開リンクも、組織で会話の共有が無効になっていれば、共有アイコンが出ません。

データの扱いも、個人アカウントとは変わります。
Googleは「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」で、仕事用アカウントのGeminiアプリの扱いを説明しています。

チャットやアップロードしたファイルは、人間のレビュアーが見ることはありません。
許可なくモデルのトレーニングに使われることもない、とされています。
会話の履歴を残す期間は、管理者が3か月・18か月・36か月から決める形で、初期設定は18か月です。

サイドパネルやWorkspace Studioなど、Workspaceのアプリの中で使うスキルは、提供が遅れています。
2026年10月13日のGoogle Workspace Updatesで案内され、日程は決まりしだい知らせるという段階です。
Geminiアプリのスキルとは、分けて考えます。

保存された情報が仕事用アカウントで使えるかどうかは、確かめたヘルプには書かれていませんでした。
自社の画面で確かめてください。

チームで使うプロンプトは、Geminiの外にも原本を置いておきます

ここまでの保存先は、どれもGeminiの中にあります。
個人の作業ならそれで足りますが、チームで同じプロンプトを使い続けるなら、外にも原本を置いておくほうが安心です。

Gemは終わる時期が決まっていて、移る先のスキルも共有の機能がまだそろっていません。
また、作った人が異動や退職でいなくなると、なぜその指示にしたのかを聞ける人がいなくなります。
移行の途中で指示が崩れたとき、元の文面が手元になければどう戻せばよいでしょうか?

原本には、プロンプトの本文に加えて、用途、使っているGemやスキルの名前を書きます。
作った人、最後に直した日、入力してよい情報の範囲も、同じ行に並べておきます。
例えば議事録の整形に使うGemなら、使う人が迷う所を書いておきます。
「会議の文字起こしを貼る」「金額は入れない」のような書き方です。

指示文と元の資料を外に控えておくことは、社内でAIツールの共有が進まないときの対策の1つでもあります。

チームで使うGeminiのプロンプトを、Geminiの外の原本に残すときに同じ行に並べる項目を示した図。プロンプトの本文、用途、使っているGemやスキルの名前、作った人と最後に直した日、入力してよい情報の範囲、使う人が迷う所を書く。入力してよい情報は保存の段階で決め、顧客名や金額は「(ここに顧客名)」のように空けておく

入力してよい情報は、保存の段階で決めておきます。
共有したGemの指示と知識ファイルは閲覧者にも見えるので、顧客名や個人情報、社外秘の数字を指示に書き込まないのが前提です。
顧客名や金額が必要な箇所は「(ここに顧客名)」のように空けておき、使う人がその場で入れる形にしておきます。
どの情報なら入れてよいかの線引きは、生成AIに入れてはいけない情報とは。社内ルールを3段階で線引きするで整理しています。

社内のAIボットを作って配り、直しながら使い続ける全体の流れは、社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルにまとめています。

共有したGemとプロンプトは、社内の1か所から探せるようにできます

Gemを共有しても、リンクがチャットに流れてしまうと、あとから探す人には見つかりません。

私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」では、社内で作ったGemを登録すると、名前・説明・タグで社内から探せます。
ツールごとに、使われた回数と使っている人も見えます。
プロンプトそのものは、AI Portalizeの中の「ナレッジ」という社内向けの記事の機能で、誰でも書いて全社に出せます。
Gemの原本や使い方の説明を、Gemと並べて置いておけます。

Geminiのプロンプトは、Gemに入れて原本を外に残せば、移行のあとも使い続けられます

会社のアカウントでは、2027年3月にGemの提供が終わるまでは、繰り返す指示をGemに保存しておけます。
そのうえで、チームで使うプロンプトの原本をGeminiの外に置いておけば、Gemからスキルに切り替わっても同じ指示を使い続けられます。

手始めに、チームで使っているGemを1つ開いて、カスタム指示を原本の置き場所に写しておきます。
そうすれば、移行の前後で同じ指示が使えているかを確かめられます。

すぐ使える業務アプリが300以上

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執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

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