組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

議事録のテンプレート。決定事項と宿題を落とさないフォーマットと、AIやGeminiのCanvas機能で欄を埋める方法

議事録のテンプレート。決定事項と宿題を落とさないフォーマットと、AIやGeminiのCanvas機能で欄を埋める方法

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

議事録のテンプレートは、決定事項・宿題・保留を別の欄に分けた形にします。
下のフォーマットをコピーしてドキュメントに貼れば、次の会議からそのまま使えます。
欄が分かれていれば、会議に出ていない人も、その欄を見るだけで答えにたどり着けます。

発言の順に書いたメモを、議事録のテンプレートの欄に分け直した例の図。メモには「フォームの件、項目が多いという話。5つまで減らす方向でOK。削る項目は田中さんが11/5までに営業部に聞く。価格は経理の見積もり待ちで継続審議」と書かれていて、決まったことが議論の途中に埋もれている。テンプレートに分けると、決定事項は申込フォームの入力項目を8つから5つに減らす、宿題は田中が11月5日までに削る3項目を営業部に確認する、保留は価格で、経理の見積もりが出たら次回に部長が決める、となる

コピーしてすぐ使える議事録のテンプレート

いちばん簡単な使い方は、下のテンプレートをコピーして、次の5つの手順で書くやり方です。

1. 下のテンプレートをコピーする
2. Googleドキュメントなどに貼り、会議名・日時・参加者を入れる
3. 会議の中で、決まったことは決定事項に、頼んだことは宿題に書き分ける
4. 決めきれなかった論点は、保留の欄に移す
5. 書くことがない欄には「なし」と書いて、参加者に共有する

議事録
会議名:
日時:
参加者:
記録:
■ 目的(必要なときだけ)
・
■ 決定事項
・
■ 宿題(担当/期限/内容)
・担当: 期限: 内容:
■ 保留(決まらなかった論点/理由/次に決める人と時期)
・
■ 報告・共有(必要なときだけ)
・
■ 次回
日時:
議題:

6つの欄は、書く重さが同じではありません。
決定事項と宿題は、どの会議でも必ず書く欄です。
保留と次回も毎回書く欄で、なければ「なし」と書いておくと、書き忘れと区別できます。

目的と報告・共有は必要なときだけ書く欄で、毎回同じ顔ぶれの定例なら目的は省いてかまいません。

議事録のテンプレートの6つの欄を、書く重さで3段に分けた図。決定事項と宿題は、どの会議でも必ず書く欄。保留と次回は毎回書く欄で、なければ「なし」と書いて書き忘れと区別する。目的と報告・共有は必要なときだけ書く欄で、毎回同じ顔ぶれの定例なら目的は省いてよい。会議名・日時・参加者などの基本情報は、Googleドキュメントの「会議メモ」から入れられる

Googleのヘルプによると、Googleドキュメントで書く場合は、「@」と入力して「会議メモ」を選び、カレンダーの予定を選ぶと、会議の詳細が入ったメモが作れます。
Googleの公式ブログにあるとおり、日付・タイトル・参加者はそこで入るので、その下に決定事項から先の欄を貼れば、基本情報を手で打たずに済みます。

ただ、カレンダーの予定の画面から作った会議メモは、組織外の人も含めて予定のゲストに共有されます。
社外の人が入る会議では、書く中身に気をつけてください。

欄ごとの書き方と記入例

「先週の定例で、結局どうすることになったんだっけ?」と聞かれて議事録を開いても、答えがすぐに見つからないことがあります。
欄を分けても、中身の書き方がばらばらだと、同じことが起きます。

読み取りにくい書き方と、読み取れる書き方を並べると、次のとおりです(右の列は記入の例です)。

欄

読み取りにくい書き方

読み取れる書き方(例)

決定事項

フォームの件、方向性OK

申込フォームの入力項目を8つから5つに減らす。デザインは今のまま

宿題

項目の件、確認しておく

田中:11月5日までに、削る3項目を営業部に確認する

保留

価格は継続審議

価格は決まらず。経理の見積もりが出たら、次回に部長が決める

次回

来週

11月7日10時。議題は価格の決定と、フォームの公開日

決定事項は、何をどうするのかが分かる1文で書きます。
「OK」「了承」だけだと、何に対しての了承だったのかが、1か月後には読み取れなくなります。

宿題は、担当・期限・内容の3つがそろって1件です。
担当が「営業部」のように部署になっているときは、部署の中の誰が受け持つのかまで書いておきます。

保留の欄には、決まらなかった理由と、次に誰がいつ決めるのかを書きます。
つまり、保留の欄が書けていれば、次の会議の議題はそこからそのまま作れます。

定例・商談・プロジェクト会議で足す欄と省く欄

基本のテンプレートは、どの会議でも使える最小の形です。
もちろん、会議の種類によって、足したほうがよい欄と省いてよい欄があります。

定例会議

商談

プロジェクト会議

足す欄

前回の宿題の確認(済・未・遅れ)

相手が語った課題(相手の言葉のまま)、こちらが約束したこと、予算と決裁の進み方、聞けていない項目

予定と実績の差、課題とリスク、範囲や仕様の変更と承認した人

省いてよい欄

目的(毎回同じなら)

社内向けの報告・共有

報告・共有(予定と実績の欄に入れる)

気をつけること

決定事項のない回が続いていないか

社外に送る版は別に作る

変更は決定事項の欄にも書く

定例会議では、前回の宿題を1件ずつ「済」「未」「遅れ」で確かめる欄を先頭に置きます。
直近3回で決定事項が1つもなければ、報告を配れば足りる会議になっていないかを見直す目安にもなります。

商談では、相手が課題として語ったことを、要約せずに相手の言葉のまま残す欄を足します。
例えば、「業務効率化に課題」と書くより、「見積もりを作るのに毎回半日かかる」と残したほうが、提案を考えるときに使えます。
商談の記録に残す項目と、記録を自動で回す流れは商談内容を全社の資産にする。文字起こし→要約→記録の自動化で詳しく扱っています。

プロジェクト会議では、予定と実績の差、課題とリスク、範囲や仕様の変更を欄にします。
変更は「誰が承認したか」まで決定事項の欄に残しておくと、あとで「いつ変わったのか」を追えます。

基本のテンプレート(決定事項・宿題・保留・次回)から、会議の種類ごとに足す欄が分かれる図。定例会議では前回の宿題の確認の欄を先頭に置き、済・未・遅れで1件ずつ確かめる。商談では相手が語った課題を相手の言葉のまま残す欄を足し、こちらが約束したこと、予算と決裁の進み方、聞けていない項目も足す。プロジェクト会議では予定と実績の差、課題とリスク、範囲や仕様の変更と承認した人を欄にする。社外に送る商談の議事録は別の版を作る

文字起こしからAIで議事録のテンプレートを埋めるプロンプト

会議の文字起こし(話した言葉をそのまま文字にしたもの)があれば、テンプレートの欄を埋める作業はAIに任せられます。
下のプロンプトに、テンプレートと文字起こしを続けて貼ってください。
会議の録音から文字起こしを作る方法は、AIで文字起こしをする方法。会議の録音を話者ごとに分けて文字にする手順と、GeminiのCanvas機能で文字起こしアプリを作るやり方で書いています。

Google Meetの「自動メモ生成」を使える環境なら、「要約」「決定事項」「アクション アイテム」などに分けたメモもドキュメントに残ると、Google Meetのヘルプで説明されています。
Meetでの操作と設定の話はGeminiで議事録を作る方法。Google Meetの自動メモと、文字起こしをCanvasアプリで整えるやり方に任せ、ここでは自社のテンプレートの形にそろえて埋める方法を書きます。

下の文字起こしから、議事録テンプレートの欄を埋めてください。
・文字起こしに書かれている内容だけを使う
・欄の名前と並び順は変えない
・決定事項と宿題は1件1行で、何をどうするのかが分かる文にする
・担当者や期限が読み取れない宿題は「未定」と書く
・結論が出ていない論点は、決定事項ではなく保留の欄に入れる
・書く内容がない欄には「なし」と書く
・全体で1200字程度に収める
〔ここに議事録テンプレートを貼る〕
〔ここに会議の文字起こしを貼る〕

このプロンプトで外せないのは、担当や期限が読み取れない宿題を「未定」と書かせる一文です。
この一文がないと、AIが文脈からそれらしい担当や期限を補って書いてしまうことがあります。
「未定」が残った宿題は、共有する前に本人に確かめて埋めます。

AIが埋めた議事録は、記録した人が文字起こしと見比べてから共有します。
決定事項の欄は、議論の途中で出た案を決まったこととして書いていないかを確かめます。

文字起こしからAIで議事録のテンプレートを埋めて共有するまでの順番を示した図。1は、会社が契約したAIに、指示文と一緒にテンプレートと文字起こしを貼る。2は、AIが欄を埋める。担当や期限が読み取れない宿題は「未定」のまま残す。3は、記録した人が文字起こしと見比べ、議論の途中で出た案が決定事項に入っていないかを確かめる。4は、「未定」の担当と期限を本人に確かめて埋めてから共有する。どの会議の文字起こしなら入れてよいかは先に決めておく

業務でそのまま使えるプロンプトの例は、プロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方で紹介しています。

GeminiのCanvas機能で議事録の欄を埋めるアプリを作る

プロンプトを毎回貼るのが手間なら、GeminiのCanvas機能で、議事録を作るアプリにしておけます。
Canvasは、Geminiのチャットでオンにして使う機能で、プロンプトを送るだけでブラウザで動くアプリを作れます。

作るのは、文字起こしを貼ると、決定事項・宿題・保留の欄に分けた議事録が画面に出てくるアプリです。
作り方は、次の4つの手順です。

1. gemini.google.com を開き、テキストボックスの下の「ファイルを追加」アイコンから「Canvas」を選んで、Canvas機能をオンにする
2. Geminiの入力欄に、下のプロンプトの例を貼って送る
3. 右側に出たアプリのプレビューで、架空の文字起こしを入れて試す
4. 直したい所を、チャットで「ここをこう変えて」と頼む

Geminiに貼るプロンプトの例は次のとおりです。

会議の文字起こしを貼ると、議事録にまとめるアプリを作ってください。

欄は「決定事項」「宿題(担当・期限・内容)」「保留」「次回」に分けてください。

担当や期限が読み取れない宿題は、「未定」と色をつけて出してください。

欄の中身は画面で直せるようにし、テキストのコピーとPDF保存のボタンを付けてください。

Canvas機能の基本の使い方は、Gemini Canvasの使い方。業務アプリを作成して社内に共有するまでで詳しく書いています。

最初のアプリは、たたき台と考えておくのがおすすめです。
動かしてみて足りない機能を加え、文字の大きさや並び方などの使い勝手も一つずつ直していくと、現場で使い続けられるアプリになります。

試すときは、本物の会議ではなく、架空の名前で作った文字起こしを使います。
顧客名や人事の話が入った文字起こしを入れてよいかは、会社のルールに合わせます。
同じ指示はGemにも入れられますが、企業向けのGoogle Workspaceでは、2027年3月1日以降にGemの作成・編集・使用ができなくなると、Google Workspaceの管理者向けヘルプで案内されています。

組織のAIポータル「AI Portalize」には、すぐ使える業務アプリが300以上あり、自社の業務に合わせて手直しして使えます。
議事録では、分量を選べる「構造化議事録メーカー」と、経営陣向けにレイアウトをそろえる「グラフィカル議事録」があります。

当社が作って社内と支援先で使っている議事録のGemと、Gemini Canvasのアプリ2本を比べた図。Gem「パターン別&文字数調整可能な議事録作成」は、12の型から合う型と文章量(少・中・多)を先に提案し、「OK」と返すと議事録を書く。確かめられない日付や数字、固有名詞は「不明」か「要確認」と書く。構造化議事録メーカーは分量を少・中・多から選び、決まったこと・保留・アクションはどの分量でも落とさない。決まっていない担当や期限は「未定」と色つきで出し、テキストのコピーとアクションのCSV保存ができる。グラフィカル議事録は経営陣や他部署に見せるためのもので、要約・決定事項・論点・ネクストアクション・懸念を決まったレイアウトに並べ、その場で直してから印刷やPDF保存、テキストのコピーができる。企業向けのGoogle Workspaceでは、2027年3月1日以降にGemはスキルに置き換えられる

議事録の型とアプリを、社内の人だけに配ってそろえる

テンプレートを作っても、部署ごとに少しずつ違う版が出回ると、また形がばらばらに戻ります。
全社でそろえるときは、次の5つを決めておきます。

  • 置き場所

  • 直す人

  • 版の数

  • 入れてよい情報

  • 確かめ方

置き場所は、テンプレートと、議事録を埋めるアプリのリンクを1か所にまとめます。
直す人は、欄を足したい・変えたいという声を受けて版を更新する人で、1人に決めておきます。

版の数は、定例・商談・プロジェクトの3つ程度にとどめます。
欄を増やしすぎると、書く人は空欄を埋めるだけの作業に追われます。
基本の6つの欄に、会議の種類ごとの欄を足す程度にとどめておけば、どの会議の議事録でも同じ場所に決定事項が並びます。

議事録の型を全社でそろえるときに決めておく5つの項目を並べた図。置き場所はテンプレートと議事録を埋めるGemやアプリのリンクを1か所に置く。直す人は、欄を足したい・変えたいという声を受けて版を更新する人を1人決める。版の数は定例・商談・プロジェクトの3つ程度にとどめる。入れてよい情報は、どの会議の文字起こしをAIに入れてよいか、社外に送る版をどう作るか。確かめ方は、共有する前に記録した人が見比べ、宿題の担当と期限は本人に確かめる

入れてよい情報は、どの会議の文字起こしをAIに入れてよいか、社外に送る版をどう作るかまで決めます。
確かめ方は、共有する前に記録した人が見比べ、宿題の担当と期限は本人に確かめる、の2つです。

また、アプリを配るときは、社内の人だけに配る前提にしてください。
Canvasアプリを渡す方法は「公開リンク」と「ドライブ」の2通りで、仕事用のWorkspaceでは、公開リンクでの共有は初期設定でオフ、Googleドライブを使った共有は初期設定でオンです。
公開リンクはリンクを知っている人なら誰でも開けて、Geminiアプリのヘルプでは、アプリに関するデータを見たり編集したりできると説明されているので、当社では、チャットやメールに広く流す配り方はおすすめしません。
社内に配るなら、ドライブでの共有を使い、相手を社内の人やグループに絞って渡します。

議事録は形を決めやすく、会議のたびにくり返す仕事なので、AIに任せる業務の最初の候補にも挙がりやすいと考えます。
任せる業務の選び方で迷っている場合は、AI化する業務が決まらないに原因と対策をまとめています。
会議の準備から記録、タスク化、共有までの全体の設計は、会議と議事録のAI化。準備から共有・タスク化までの設計にまとめています。

型を配ったあとに、使われていない部署を数字で見つける

型を決めても、どこにあるのか分からなければ、書く人はまた自己流の形に戻ります。
逆に言うと、社内の人だけが探せる場所にあって、使われ方が見えれば、型は定着させやすくなります。

私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」では、議事録のCanvasアプリなどを社内の人だけが探せる場所に登録しておくと、ツールごとに使われた回数と使っている人が見えます。
前の節で決めた「直す人」が、型を使っていない部署に声をかけたり、使われない理由を聞いて欄を見直したりするときの材料になります。

議事録は、決まったことと宿題が欄で読めれば足りる

議事録のテンプレートで大事なのは、項目の多さより、決定事項・宿題・保留が別の欄に分かれていることです。
宿題は担当・期限・内容をそろえ、分からない所は「未定」と残して本人に確かめます。

次の定例会議では、このテンプレートの6つの欄で議事録を書いてみてください。
欠席した人が読んで動けるかを確かめるところから始めれば、足りない欄もすぐに分かります。

参照した情報(2026年10月29日に確認)

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執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

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