
クイズ作成をAIで自動化する。Geminiで研修の理解度と効果を測れる状態にする
2026/09/16
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
クイズを作成するなら、研修の資料をAIに渡して「この内容から4択のクイズを10問、答えと解説つきで作ってください」と頼むのがいちばん早い方法です。
Geminiなら、資料のファイルを添付して頼むだけで、クイズの案がその場でできあがります。
問題を自分で考える手間がなくなるので、研修のたびに理解度を確かめられるようになり、研修の効果の測定も続けやすくなります。
社内のAIボットを共通資産にする全体像は社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルにまとめてあります。

AIでクイズを作成する手順
研修のあとに確かめたいのは知識、応用、実務での変化の3段階で、クイズで測れるのは最初の知識の確認です。
資料が手元にあれば、次の5つの手順で、クイズの自動生成から配布まで終わります。
1. 研修で使ったスライドか、講師用の原稿を用意する
2. gemini.google.com を開き、入力欄の追加アイコンから「ファイルをアップロード」を選んで、資料を添付する
3. 下のプロンプトの例を貼って、送信する
4. できた問題を、資料と見比べて確かめる
5. 問題を、受講者が答えられる形に移して配る
ファイルの添付は、Geminiアプリのヘルプにある手順のとおりです。
Geminiに貼るプロンプトの例は次のとおりです。
添付した研修資料の内容から、理解度を確認する選択式のクイズを10問作ってください。
各問は4択にし、基本的な内容を確認する問題を7問、自分の業務に当てはめて考える応用の問題を3問にしてください。
問題のあとに、正解と、資料のどこが根拠かが分かる短い解説を付けてください。
受講者が5分で解ける分量にし、資料に書かれていないことは問題にしないでください。
この例は、クイズを作るという仕事(タスク)、研修資料という背景、4択という出力の形をそれぞれ書いた形で、GoogleのWorkspace向けのガイドでも、ペルソナ・タスク・背景情報・形式の4つが効果的なプロンプトの要素として挙げられています。
基本的な内容を確認する問題を7問、応用を3問という具合に難易度も指定し、答えと解説も付けさせておくと受講者が自分で確認できます。

分量は10問・5分で終わる形にします。
これを超えると、そもそも受けてもらえなくなります。
また、点数は個人単位で共有しません。
全体の傾向だけを見る形にしておかないと、評価に使われると受け取られて受けなくなるからです。
できた問題には、資料に書かれていない内容や、正解が1つに決まらない問題が混ざることがあります。
そのため、配る前に必ず資料と見比べて、正解と解説が資料の内容と合っているかを確かめます。
一度で思いどおりの問題にならなければ、「もう少しやさしく」「用語の意味を問う問題を増やして」とチャットで伝えて作り直します。
業務でそのまま使えるプロンプトの例はプロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方に、プロンプトの書き方の基本は全社共通のプロンプト作法を決める。押さえるべき7つの基本にまとめています。
eラーニングの確認テストのように受講者が多い場合でも、問題の作り方は同じです。
回答を集めて点数まで出したいなら、Googleフォームの設定で「テストにする」をオンにして、質問ごとに正解と点数を決める方法があります。
Googleのヘルプでは、正解と点数のほかに、解答ごとの解説(フィードバック)も付けられると説明されています。
プロンプトを書かずにクイズを作る業務アプリ
プロンプトを毎回書くのが面倒なら、資料を入れるだけでクイズができる業務アプリを使う方法もあります。
資料からクイズ生成は、資料の文章を貼るかPDFを入れて、問題数(5・10・15問)と難しさを選び、「クイズを作る」を押すと、4択のクイズができるアプリです。
解くと正解と解説、「7 / 10問」のような点数が出て、できた問題はコピーやCSVで保存できます。
貼った資料やPDFはクイズを作るためにGeminiに送られるので、社外に出せない内容が入っていないかを確かめてから、会社のGoogleアカウントで使います。
正解や解説は、先ほどの手順と同じく、資料と見比べてから使ってください。
研修の効果が分からなくなる3つの原因
クイズを作る手間がなくなっても、何を測るのかが決まっていないと、研修の効果は見えてきません。
社内研修のあとにアンケートで「役に立った」という回答が8割を超えているのに、「この研修で、現場の何が変わったのか?」と聞かれると答えられない、という状態はよくあります。
原因は、満足度しか測っていないこと、測る手間がかかること、測ること自体への抵抗の3つです。
まず満足度は、理解度や業務の変化とは別のものなので、高くても効果の証拠にはなりません。
次に、テストを作るのにも採点にも時間がかかります。
最後に、「テストをするのは受講者に失礼だ」という感覚や、点数が低いと講師の評価に響くという懸念があります。
このなかで手間の問題がいちばん大きく、ここはAIで解ける部分です。
抵抗のほうは、評価するためではなく「どこが伝わっていないか」を知るためだと説明すれば、測定の位置づけが変わって早く解けます。
研修の理解度は、知識・応用・実務の3段階で見る
測り方は、知識の確認、応用の確認、実務での変化の3つです。
知識の確認は、内容を覚えているかどうかを選択式の問題で見ます。
応用の確認は、自分の業務に当てはめられるかどうかを記述式で見ます。
実務での変化は、業務が変わったかどうかを業務の記録から見ます。
本当の効果になるのは、この最後の段階です。
知識と応用の確認は前提の確認にすぎないので、覚えていることだけを測って満足しないようにします。
選択式の正答率が9割でも、1か月後に誰も使っていないことは普通に起きます。
ただ、実務の変化を測るには時間がかかるので、知識と応用の確認は研修の直後に、実務の変化は1〜3か月後に測る、という組み立てにしておきます。
AIの研修で実務の変化を見る方法は、受講者の利用を研修の前と後で比べる形で、AI研修のあと、活用が続かないに書いています。
応用の確認は記述式で作り、書けなかった人をフォローする
応用の確認は、AIが作る選択式ではなく、受講者自身に書いてもらう形にします。
「あなたの業務で、今日の内容を使える場面を1つ挙げてください」という記述式にして、どの業務の、どの工程で、何をするかまで具体的に書かせます。
ここがいちばん価値のある設問です。
書けない人は、自分の業務に当てはめられていないことがその場で分かります。
書かれた内容は集めて共有します。
他の人の使い道が見えると参考になりますし、次の研修の材料にもなります。
書けなかった人をフォローすることが、研修のあとにいちばん必要な支援です。
用語のところで止まっている場合もあるので、あわせてAI用語がわからないまま会議が進む。社内の共通言語をつくるも参考になります。
研修から離脱する人のつまずきを減らす話は「AIは使えない」と離脱する人を減らす。つまずき7パターンとサポート設計にまとめてあります。
実務での変化は、1〜3か月後のフォローで確かめる
実務の変化はクイズでは測れないので、時間を置いて確かめます。
確かめ方は、本人への確認、業務の記録、上司への確認の3つです。
本人に「研修の内容を実際に使いましたか」と聞く方法は簡単ですが自己申告になり、業務の記録から利用の履歴や成果物の変化を見る方法は客観的ですが記録が必要です。
上司に「部下の業務が変わりましたか」と聞く方法は、第三者の視点が入ります。
いちばん確実なのは業務の記録です。
とはいえ、記録がない場合は本人と上司への確認で足ります。
いちばん価値のある情報は、変わらなかった理由です。
時間がない、使い道がない、やり方が分からない、許可されているか分からない、といった理由が出てきますが、理由によって次の打ち手が変わります。
「許可されているか分からない」が多いなら、研修を増やしても解決しません。
フォローも期間を分けて組みます。
研修は1回では定着しないからです。
受講から1週間後に「試しましたか」と聞き、試していない人には「研修で扱った内容を自分の業務で1回試して、結果を1行で報告してください」という程度の課題を出します。
1か月後には「継続して使っていますか」を聞き、使っている人の事例を集めて共有します。
使っていない人への個別フォローが、いちばん成果につながり、いちばん飛ばされる工程です。
5分あれば足ります。
「何が障害になっていますか」と聞くだけで、それ以上の準備は要りません。

日々の記録から振り返りにつなげる形は日報と振り返りを経験学習の装置にする、営業のように職種を絞った研修の回し方は営業研修を自走型にする。FAQボットとスキルチェックで回す育成にまとめています。
測った数字を次の研修に反映し、階層で測り方を変える
測定した結果は、次の研修を直すために使います。
見るのは、知識の確認の正答率(問題ごと)、応用の確認の記述率(書けなかった人の割合)、1か月後の利用率、使わなかった理由の内訳の4つです。
いちばん直接的に次の研修へ反映できるのは正答率で、低い問題は伝わっていない内容なので次回はそこに時間をかけます。
記述率が高い場合は、研修の構成そのものを変え、内容の説明を減らして自分の業務への当てはめに使う時間を増やします。
使わなかった理由が「使い道がない」に偏っている場合は、研修の対象者が違います。
その業務に関係のない人を集めているからです。

また、対象による測り方の違いも設計に入れます。
新任者向けは知識の確認が中心、現場の担当者向けは応用の確認が中心、管理職向けは実務での変化が中心で、そこに「部下に伝えられるか」を足します。
管理職には「今日の内容を、部下に説明するとしたらどう言いますか」と聞くのが要点で、伝える側になれるかを測ります。
経営層は測りません。
テストをする関係ではなく、判断が変わったかどうかで見るほうが実態に合っています。
管理職側の型そのものは管理職のAI活用を型にする。会議設計・タスク委譲・数値把握にまとめてあります。

失敗の型は7つあります。
満足度だけを測る、テストを個人の評価に使う、問題を20問以上出す、知識の確認だけで満足する、1か月後のフォローをしない、「使わなかった理由」を聞かない、全階層に同じテストを出す、の7つです。
3段階で測って全体の傾向だけを見て、10問5分に収めて応用まで確認し、個別に5分聞いて理由を聞き、階層ごとに測り方を変えれば、どれも避けられます。
階層別研修の設計から、実務への組み込みまで
測定の仕組みそのものは、ここまで書いてきたとおり組めます。
難しいのは、測った結果を活かすために研修の設計を変える部分です。
研修で学んだことを実務で使うには、業務のフローのなかにその内容が入っている必要があります。
手順書、様式、確認の工程のどこかに組み込まれていないと、研修の内容は研修のなかだけで終わります。
また、階層別の設計も要ります。
新任者・担当者・管理職・経営層では必要な内容も測り方も違いますし、上の階層が理解していないと下の階層は動けません。
管理職が「試してよい」と言わない限り、担当者は業務時間をそこに使えないからです。
この階層の設計は、研修の担当者だけでは決められません。
私たちが提供しているガイドライン策定から支援するAIコンサルでは、階層別の研修の設計から実務のフローへの組み込みまでを一緒に進めています。
研修はやったが実務が変わらない、という状態で止まっている場合は、進め方の参考になるはずです。
クイズは資料から作り、効果は実務の変化で測る
クイズ作成の手間は、研修の資料をAIに渡せばほとんどなくなります。
選択式を10問・5分で作り、答えと解説を付けて、点数は個人の評価に使わず全体の傾向だけを見ます。
ただ、本当の効果が出るのは実務の変化で、クイズと記述式の応用の確認は前提の確認です。
1週間後に「試しましたか」と聞き、1か月後に事例を集め、使っていない人には個別に5分聞いて、変わらなかった理由を集めます。
その理由と問題ごとの正答率が、次の研修の直し方を教えてくれます。
まずは直近の研修の資料から、確認問題を10問作ってみると、理解度はその場で数字になります。
参照した情報(2026年11月1日に確認)
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執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
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