
プロンプトジェネレーターで指示文を自動生成する。作成ツールの使い方と社内での広げ方
2026/09/15
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
プロンプトジェネレーターを使うと、「何を頼みたいか」を伝えるだけで、AIへの指示文(プロンプト)を自動生成できます。
専用のツールを入れなくても、使っているチャットAIに「この仕事を頼むための指示文を作りたいので、私に質問してください」と頼めば、同じことができます。
指示文を書くのが苦手な人でも、質問に答えるだけで使い始められるので、社内でAIを使わない人を減らす手段にもなります。
「何を書けばいいか分からない」で止まる人のつまずきは、業務を工程に分けられない、何ができるか知らない、文章を書くのが苦手、の3つに分かれ、どれもAIからの質問に答える形で助けられます。
品質を組織でそろえる全体像はAIアウトプットの品質を組織でそろえる。標準化とレビュー体制にまとめてあります。

プロンプトジェネレーターで指示文を自動生成する手順
いちばん簡単なのは、普段使っているチャットAIを、プロンプトジェネレーターとして使う方法です。
次の5つの手順で、頼みたい仕事から指示文ができます。
1. 頼みたい仕事を、一言で決める
2. チャットAIに、下のプロンプトの例を貼って送る
3. AIからの質問に、思いつくままに答える
4. できた指示文を、新しいチャットに貼って試す
5. 狙いと違えば、直したい点を伝えて作り直す
チャットAIに貼るプロンプトの例は次のとおりです。
仕事の内容は例なので、自分の仕事に替えて使います。
お客様へのお詫びメールの下書きをAIに頼むための、指示文を作ってください。
私は営業部で、毎週数通のお詫びメールを書いています。
役割、やってほしいこと、背景、出力の形が指示文にそろうように、足りない情報は書く前に私に質問してください。
質問がそろったら、そのまま貼って使える指示文を、ひとまとまりで出してください。
指示文に入れたい要素は、GoogleのWorkspace向けのガイドでは、ペルソナ、タスク、背景情報、形式の4つとされています。
すべてを入れる必要はないと説明されているので、質問に答えるうちに、この4つのうち埋まるものが埋まっていけば十分です。
質問への答えは、箇条書きでも、話し言葉のままでも構いません。
整った文章にする必要はまったくなく、必要な情報さえ入っていれば、AIが指示文の形に整えます。
ただ、一度で狙いどおりにならないこともあります。
そのため、まず作って試し、ずれたところを「もう少し短く」「相手は初めて取引するお客様」のように伝えて直していくと、使いやすい指示文になります。
うまく動いた指示文は、そのまま保存して、同じ仕事をする人にも配ります。
ほかの仕事に使えるプロンプトの例はプロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方に、指示文そのものの書き方の基本は全社共通のプロンプト作法を決める。押さえるべき7つの基本にまとめています。
プロンプト作成ツールの選び方
プロンプトの作成ツールは、チャットAI、開発者向けの画面、業務アプリの3つに分けて考えると選びやすくなります。
一言でいうと、最初に試すのは、前の節のとおり、いつも使っているチャットAIに頼む方法です。
追加の登録がいらず、普段の画面のまま始められます。
OpenAIのPlaygroundには「Generate」ボタンがあり、タスクの説明を入れるとプロンプトを作成し、既存のプロンプトの改善にも使えます。
OpenAIの説明にある機能で、使う場所は開発者向けのPlaygroundです。
そのため、当社では、一般の社員に配る道具としては、チャットAIか業務アプリのほうが使いやすいと考えています。
書きかけのプロンプトがすでにあるなら、業務アプリのプロンプト強化が使えます。
「元のプロンプト」に書きかけの文章を貼り、強化の度合い(軽く整える、標準、しっかり作り込む)を選んで「プロンプトを強化する」を押すと、書き直した版ができます。
変えた点と理由、AIが誤解しそうな箇所も出るので、なぜ直したのかを見ながら自分の書き方も覚えていけます。
貼ったプロンプトはGeminiに送られるので、顧客の名前や社外に出せない数字は消してから入れ、会社のGoogleアカウントで使います。
どのツールで作った指示文も、そのまま信じず、実際にAIに聞いて狙いどおりの答えが返るかを確かめてから使います。
確かめて直した指示文だけを、社内に配る対象にします。
具体的には、その仕事の事情を知らない同僚に指示文を見せて、迷わず作業に取りかかれるかを見る方法があります。
同僚が迷う指示文は、AIも迷うという考え方で、Anthropicのプロンプトのガイドにも書かれています。
「何を書けばいいかわからない」で止まる人は、3つに分かれる
AI活用の研修をやって、作法を配って、それでも使わない人が残ります。
本人に聞いてみると、決まってこう言います。
「何を書けばいいか分からない」。
作法を配っても解決しないのは、作法が「どう書くか」を教えるもので、「何を書くか」は何も教えていないからです。
役割を与える、形式を指定する、段階に分ける、といった作法を知っていても、自分の業務のどの部分を、どう依頼すればよいのかは決まりません。
そこには「業務を言葉にする」作業が必要で、ここが最大の障壁になります。
業務を言葉にした経験がない人は、実は多いものです。
毎日やっている作業を、手順として説明した経験がないからです。
だからこそ、業務の言語化のほうを助けるのが対処の方向になります。
具体的なつまずきは3つに分けられます。
業務を工程に分けられない人、何ができるか知らない人、文章を書くのが苦手な人です。
例えば「見積を作る」業務を、情報収集・条件確認・計算・転記・確認依頼に分けられない人は、何を依頼すればよいのかも決まりません。
「これはAIに頼めるの?」が分からず、頼めないと思い込んで諦めてしまう人もいます。
いちばん見落とされるのが、文章を書くのが苦手な人です。
業務そのものは分かっているのに、それを文章にできず、特に文章を書く業務が少ない職種で起きます。
「書けない」を能力の問題として扱うと、その人はもう二度と使わなくなります。
工程が分からない人と、できることを知らない人への対処
工程を分けられない人には、業務を工程に分ける作業を、AIに手伝わせます。
指示の書き方は「私は〇〇の業務をやっています。この業務がどういう工程で成り立っているかを整理したいので、質問してください」という形で、前の節のプロンプトジェネレーターと同じ考え方です。
自分から説明するより、聞かれて答えるほうがはるかに簡単です。
工程が分かったら、どこを依頼できるかも聞きます。
「この工程のうち、AIに任せられそうな部分はどこですか」という形で、任せられる工程が見つかったら、その指示文まで書いてもらいます。
この流れで、業務の言語化も同時に進みます。

何ができるか知らない人には、同じ職種の人の使い方を見せます。
汎用の活用事例集では、「議事録の要約に使えます」と書かれていても、そこから自分の業務に当てはめる作業が残るので、解決しません。
役に立つのは、自社の・同じ職種の・実際の使用例です。
例は3つ見せます。
1つだと偶然のように見えますし、5つ以上だと多すぎるからです。
その人の名前まで出すと、「営業部の〇〇さんは、こう使っています」という形になり、身近な人の例だと試す動機が生まれます。
指示文は説明の文章ではなく、そのまま貼って使える形で見せ、コピーして使えるようにしておきます。
離脱を減らす設計そのものは「AIは使えない」と離脱する人を減らす。つまずき7パターンとサポート設計にまとめてあります。
すぐ試せる見本が社内にない、探せないことは、生成AIを使わない人が残る理由の1つで、ほかの原因と並べて書いています。
文章を書くのが苦手な人は、話して指示文を作る
文章を書くのが苦手な人には、指示文そのものをAIに書かせます。
指示の書き方は「〇〇の業務について、AIに依頼するための指示文を書いてください。私の業務は〜です」という形です。
口頭で説明する形にしておくと、音声で話した内容を指示文の形に整えさせることになり、文章を書く負荷そのものがなくなります。
つまり、文章を書くのが苦手な人が、話すことで指示を作れるようになるので、この対処がいちばん成果につながります。
「書けない」を能力の問題にはせず、「話せば作れます」と伝えるだけで、使い始める人がいます。
音声入力を前提にした設計は入力が面倒で止まる人を減らす。音声入力を前提にした業務設計にまとめてあります。
作ったプロンプトを共有すると、社内のプロンプト集が育つ
作れるようになったら、次はそれを共有します。
共有の価値は、他の人が使えることと、作った人が報われることの2つです。
同じ業務をやっている人がそのまま使えますし、使われていることが分かれば、作った人は次を作ります。
もちろん、共有のハードルのほうも下げておきます。
やることは3つです。
「完成していなくても共有してよい」と明言すること、「試作」という区分を作ること、推進担当が自分の荒い指示を最初に共有することです。

荒いものでも、誰の手元にもない状態よりは価値がありますし、完成度の議論をしないまま置けるようにもなります。
整ったものだけが並んでいる場所には、現場は自分のものを置きません。
共有するための操作そのものも教えます。
作り方だけを教えて、渡し方のほうを教えていないことがあるからです。
蓄積の設計は、載せる項目が5つになります。
業務名、何ができるか、想定する職種、指示文、作成者です。
職種でたどれる形にすると、用途別より職種別のほうが使われます。
利用回数も表示すると、選ぶときの判断材料になり、作成者への還元にもなります。
改善版を上書きできる形にもしておきます。
使いながら精度が上がっていった指示を、そのまま更新できるようにして、誰が改善したのかも残すと、元の作成者と改善した人、両方の名前が残って協力が続きます。
四半期に一度は棚卸しをして、3か月使われていないものは外し、集そのものの密度を保ちます。
プロンプトを社内で共有する方法はプロンプトを社内で共有する方法。共有する項目と更新担当の決め方に、カタログ化の設計は共有したのに使われない。社内AI資産をカタログ化するにまとめています。
書けない人を放置すると、3つの損失が出る
書けない人を放置すると、その人の業務が改善されない、組織のなかに「使う人」と「使わない人」の分断が生まれる、「AIは使える人だけのもの」という認識が広がる、の3つの損失があります。
効果が大きい業務を担当している可能性があるうえに、その分断はそのまま固定していきます。
なかでも影響が大きいのが、この最後の認識です。
この認識が広がると、推進そのものが止まります。
「自分には関係ない」と思う人が増えていくからです。

書けない人ほど、改善の余地が大きい業務を持っていることがあります。
文章を書く業務が少ない職種は定型的な作業が多く、そこがいちばん効率化しやすい領域だからです。
そのため、書けない人への対処は、実はいちばん効果が大きいという認識を持っておきます。
プロンプトの作法そのものは全社共通のプロンプト作法を決める。押さえるべき7つの基本、改善サイクルの回し方は使い方の改善サイクルを回す。プロンプトの添削とフィードバックにまとめてあります。
つまずきやすいのは、作法を配って解決したと考える、汎用の活用事例集を配る、「書けない」を能力の問題として扱う、共有のハードルを上げる、共有の操作を教えない、書けない人をそのまま放置する、の6つです。
職種別に探せて、使われている数まで見える状態にする
ここまでの対処で、書けない人への支援は3つに分けられます。
いちばん成果につながるのは、すでにある指示をそのまま使えるようにすることです。
自分で書かなくても始められて、使いながら自分の業務に合わせて直していく、この入り方がいちばん定着します。
とはいえ、そのすでにある指示がなかなか見つかりません。
うまく使っている人の指示は、その人の手元にあるだけで、誰も見ることができないからです。
どれが良い指示なのかも分かりません。
100本並んでいたところで、どれから試せばよいかが決まらないからです。
必要なのは、職種別に探せて、使われている数まで見える状態です。
「同じ職種の人がいちばん使っている指示」から試せるようになっていることが大切です。

私たちが提供している組織のAIポータル「AI Portalize」では、500以上の検証済みの見本をやりたいことから検索でき、そのままコピーして自分用に直して使えます。
書ける人だけが使っている、という状態で止まっている場合は、考え方の参考になるかもしれません。
プロンプトは、書ける人だけのものではない
「何を書けばいいか分からない」で止まるのは、作法が「どう書くか」を教えていて、「何を書くか」のほうを教えていないからです。
プロンプトジェネレーターは、この「何を書くか」を、AIからの質問に答える形で埋めてくれます。
作り方は、チャットAIに指示文を作ってもらい、質問に答え、できた指示文を試して直す、の流れです。
工程に分けられない人にはAIに質問させて整理してもらい、何ができるか知らない人には自社の同じ職種の例を3つ名前まで出して見せ、文章を書くのが苦手な人には口頭で話してもらいます。
共有のハードルは下げておきます。
「完成していなくてもよい」と明言し、「試作」の区分を作り、推進担当が自分の荒い指示を最初に共有します。
プロンプト集は5項目で、職種でたどれる形にして、利用回数も表示し、改善版を上書きできるようにします。
書けない人を放置すると、「AIは使える人だけのもの」という認識が広がり、推進そのものが止まります。
まずは自部門でAIを使っていない人を1人選んで、「何を頼みたいのか」を一度聞き、その答えをそのままチャットAIに渡して、指示文を作ってみてください。
参照した情報(2026年11月1日に確認)
すぐ使える業務アプリが300以上
開いてそのまま使えて、AIで自社用にも直せます。15の分野から、やりたい作業で探せます。業務アプリを見る
執筆:寺田昇平
AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事
仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。
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