組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

GeminiのGemとは。よく使う指示を保存しておける機能の使い方と、無料で使える範囲

GeminiのGemとは。よく使う指示を保存しておける機能の使い方と、無料で使える範囲

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

GeminiのGemとは、よく使う指示と参考資料を保存しておける、自分用のGeminiです。
毎回のチャットで書いていた前置きを一度Gemに入れておけば、次からはGemを選んで材料を渡すだけで済みます。

Gemの仕組みを示した図。新しいチャットを開くたびに書き直していた前置き(例:「あなたは校正の担当です。1ページずつ見て、結果は表で返してください」)をGemに保存すると、名前、カスタム指示(役割・作業の順番・出力の形)、知識(参考にさせたい資料)を持ったGeminiになり、使うときは一覧から選んで材料を渡すだけになる。18歳以上の個人のGoogleアカウントのGemは2026年11月17日に読み取り専用になり、Workspaceのビジネスとエンタープライズのアカウントは2027年3月1日以降に作成・使用ができなくなる

無料の個人アカウントでも作れます。
ただ、Googleは、Gemを「スキル」という仕組みに切り替えると発表しています。

18歳以上の個人のGoogleアカウントでは、2026年11月17日にGemが読み取り専用になります。
会社のWorkspaceのアカウントでも、2027年3月以降はGemを作ることも使うこともできなくなります。

パソコンのGeminiでGemを作る手順

まずは、いちばん簡単な作り方です。
パソコンのブラウザで、Geminiアプリのヘルプにある次の5つの手順で進めます。

1. gemini.google.com を開く
2. サイドバーを開いて「Gem」をクリックし、「Gem を作成」を押す
3. Gemの名前と、カスタム指示(毎回書いていた前置き)を入れる
4. 必要なら「知識」の下のアイコンから、参考の資料を追加する
5. 右側のプレビューで試してから、「保存」を押す

Gemを作る画面では、左側に名前やカスタム指示、知識の欄が並び、右側で作ったGemを試せます。

GeminiでGemを作る画面。左側に名前・説明・カスタム指示・知識の欄が並び、右側のプレビューで試せる

カスタム指示には、役割と作業の順番、返してほしい形を書きます。
例えば、社内文書の校正を任せるGemなら、次のようなプロンプトの例をそのまま貼れます。

あなたは社内文書の校正の担当です。

渡された文書を1ページずつ読み、誤字脱字と表記ゆれを探してください。

結果は「該当箇所」「修正案」「理由」の列がある表で返してください。

確かめられない固有名詞は直さずに、「要確認」と書いてください。

業務でそのまま使えるプロンプトの例は、プロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方にもまとめています。

指示を書くのが苦手なら、「Gemini を使用して指示を書き換える」のボタンで、書いた内容をGeminiに書き直してもらえます。
ただ、書き直された指示が自分の業務の言葉に合っているかは、読んで確かめてから保存してください。

作ったGemを使うときは、サイドバーの「Gem」から「マイ Gem」を開き、使いたいGemを選びます。
あとは下の入力欄に、校正なら文書のファイルを、議事録なら会議の文字起こしを渡します。
毎回渡すのは材料だけになります。

パソコンでGemを作って使うまでの手順を順に並べた図。1はパソコンのブラウザで gemini.google.com を開く、2はサイドバーの「Gem」から「Gem を作成」を押す、3は名前とカスタム指示を入れる(「Gemini を使用して指示を書き換える」で書き直してもらえる)、4は必要なときだけ知識に資料を追加する、5は右側のプレビューで試して保存する、6は使うときに「マイ Gem」から選び、文字起こしを貼る・ファイルを添付するなど材料だけを渡す。Workspaceでは2026年11月17日から、Gemの場所がGeminiアプリの「設定」の中に移る

なお、Workspaceのアカウントでは、2026年11月17日からGemがGeminiアプリの「設定」の中に移ります。
開く場所が変わるので、先に覚えておくと迷いません。

Gemとは、名前と指示と知識を保存したGemini

作れたところで、Gemに何が保存されているのかを押さえておきます。

ふだんのGeminiのチャットは、新しく開くたびに前提がまっさらになります。
Gemには、その前提を次の3つに分けて保存しておけます。

  • 名前

  • カスタム指示

  • 知識

名前は一覧で見分けるためのもので、「議事録作成」「誤字脱字チェッカー」のように付けます。
カスタム指示には、役割、作業の順番、出力の形を書きます。
知識は参考にさせたい資料で、パソコンのファイル、Googleドライブのファイル、Gemini Notebook(旧NotebookLM)のノートブックから追加します。

自分で作らなくても、Googleが用意した「プリメイド Gem」があり、「学習コーチ」のようなGemはそのまま使えます。
ウェブで作ったGemは、Geminiのモバイルアプリや、GmailやドキュメントのGeminiサイドパネルにも表示されます。

中身の決め方や配る範囲まで含めた作り方は、GemとCanvasアプリで自社専用のAIツールを作る。作り方から社内展開までで詳しく扱っています。

Gemを無料で使える範囲と、アカウントによる違い

「Gemは無料で使えるのか」の答えは、どのアカウントで使うかで分かれます。

個人のGoogleアカウントでは、Gemは無料プランの機能に入っています。
Googleは2025年3月13日の公式ブログで、Gemを誰でも無料で使えるように広げると発表しました。
2026年10月29日時点の日本のプラン紹介ページでも、無料プランの機能にGemが並んでいます。

ただ、Geminiアプリのヘルプ「Gem からスキルへの移行について」によると、18歳以上の個人アカウントでは、2026年11月17日にGemがスキルに移り、読み取り専用になります。
読み取り専用の間は、Gemを開いて見られても、使うことも新しく作ることもできません。
12月17日には、Geminiアプリから消えます。
移った先のスキルは、Google AIの有料プランに入っていなくても使えるとされています。

会社のGoogle Workspaceのアカウントでは、Business StarterなどのエディションのGeminiアプリでGemを使えます。
ビジネスとエンタープライズのアカウントでは、2027年3月1日以降にGemの作成・編集・使用ができなくなります。
それまでは、今の形のまま使えます。

仕事で使うなら、入れた内容の扱いも見ておく必要があります。
個人のアカウントでは、Googleの人間のレビュアーが会話の一部を確認することがあり、ヘルプも、見られたくない機密情報は入力しないよう注意しています。

一方、仕事用のWorkspaceのアカウントでは、チャットとアップロードしたファイルは人間のレビュアーに確認されず、許可なく生成AIモデルの学習に使われないと、Google Workspaceのプライバシーの説明で案内されています。
つまり、業務の資料を知識に入れるGemは、料金より先に、仕事用のアカウントで作るかどうかで判断します。

Gemを使えるアカウントを、個人のGoogleアカウントと仕事用のWorkspaceアカウントに分けて比べた図。個人のアカウントは、無料プランの機能にGemが入っているが、人間のレビュアーが会話の一部を確認することがあるので見られたくない機密情報は入れない。18歳以上の個人アカウントでは2026年11月17日に読み取り専用になり、12月17日にGeminiアプリから消える。移った先のスキルは有料プランなしで使える。仕事用のWorkspaceアカウントは、Business Starterなどのエディションで使え、チャットとアップロードしたファイルは人間のレビュアーに確認されず、許可なく生成AIモデルの学習に使われない。ビジネスとエンタープライズでは2027年3月1日以降に作成・編集・使用ができなくなり、それまでは今の形で使える

業務でおすすめのGemの使いどころ

どの作業をGemにするかで迷ったら、当社では、部署を問わず使える次の3つから考えることをおすすめします。

  • 議事録作成

  • 誤字脱字チェック

  • 取引先の下調べ

議事録作成のGemは、会議の文字起こしを入れると、まず議事録の型と文章量を表で提案し、了承を得てから本文を書くように指示しておきます。
確かめられない日付や固有名詞は、推測せずに「不明」か「(要確認)」と書かせます。

誤字脱字チェックのGemは、PDFや画像のファイルを入れると、1ページずつ見て「修正案」と「理由」の列がある表で返すように指示しておきます。
文頭から読んだあとに、文末から1文ずつさかのぼって読み直す、という順番も指示に書けます。

取引先の下調べのGemは、企業のサイトのURLを入れると、理念や中期計画、採用の動向、直近1年のトピックスを決まった順で調べるように指示しておきます。
調べるときは、Deep Research(ウェブを調べてまとめるGeminiの機能)を使わせます。
親会社やグループ会社の情報を混ぜないことと、すべての事実に情報元のURLを付けることも、指示に書いておきます。

3つに共通するのは、入れる材料が決まっていて、返してほしい形も決まっている点です。
人によってプロンプトが変わると答えの細かさがばらばらになる作業ほど、Gemにしておくと結果がそろいやすくなります。

当社が社内と支援先に配っているGemのうち3つを、入れるもの、指示に書いたこと、返ってくる形で比べた図。議事録作成のGemは、会議の文字起こしを入れると、12の型と文章量を先に表で提案し、了承を得てから本文を書き、確かめられない日付や固有名詞は「不明」か「(要確認)」と書く。誤字脱字チェッカーは、PDFや画像のファイルを入れると、10の観点で1ページずつ見て、文末から1文ずつさかのぼって読み直し、「修正案」と「理由」の列がある表で返す。顧客(法人)リサーチは、企業のサイトのURLを入れると、Deep Researchで決まった順に調べ、親会社の情報を混ぜず、すべての事実に情報元のURLを付ける。1回しかしない作業や毎回条件が大きく変わる相談は、ふだんのチャットで頼むほうが早い

逆に言うと、1回しかしない作業や、毎回条件が大きく変わる相談は、ふだんのチャットで頼むほうが早く済みます。

部署でGemを共有するときの範囲と持ち主

自分用のGemは自由に作ってかまいません。
ただ、部署で使うGemになると、誰に見せてよいのか、誰が直すのかを決めておく必要があります。

Gemは、共有アイコンから相手を指定し、「閲覧者」か「編集者」の権限を選んで共有できます。
Gemの共有についてのヘルプでは、Gemのカスタム指示とアップロードしたファイルは、Gemにアクセスできる人なら誰でも見られると説明されています。
そのため、指示や知識に顧客名や社外秘の数字を入れたまま共有しないようにします。

共有の範囲は、「一般的なアクセス」で「一般公開」「リンクを知っている全員」「組織内」「非公開」から選びます。
当社では、社内に配るなら「組織内」を選び、組織のアカウントでログインしている人だけが開ける形にすることをおすすめします。

「一般公開」や「リンクを知っている全員」は仕事用のアカウントでは出ないこともありますが、選べる場合でもおすすめしません。
リンクが社外に渡れば、社外の人がGemを使え、指示や知識の資料まで見られてしまいます。

部署に配るなら閲覧者で共有し、直せる人は作った人ともう1人くらいに絞っておきます。
そうしておくと、「いつの間にか指示が変わっていた」という事故を防げます。

共有の手順と、受け取った側がGemを見つけられないときの探し方は、Gemの共有方法と、共有されたGemの探し方。スキルへの移行の前に決めることにまとめています。

もうひとつ決めておきたいのが、Gemの持ち主と置き場所です。
持ち主を決めないまま配ると、しばらくして「このGem、誰に直してもらえばいいですか?」という声が上がります。

確認した範囲のヘルプには、組織の中で共有されているGemを一覧で探す方法が書かれていません。
名前・用途・作った人・リンクを社内の一覧にまとめておかないと、隣の部署が同じGemを作り直すことになります。
作った人が異動する前には、残る人へオーナーを譲っておきます。

部署にGemを配る前に確かめることを並べた図。仕事用のアカウントで作る(個人のアカウントでは人間のレビュアーが会話を確認することがある)、指示と知識に顧客名や社外秘の数字を入れない(閲覧者でもカスタム指示とファイルを見られる。最も大事な項目)、閲覧者で配り直せる人は作った人ともう1人くらいに絞る、名前・用途・作った人・リンクを社内の一覧に載せる、作った人が異動する前に残る人へオーナーを譲る

作ったGemが社内で見つからず使われない状態の原因と対策は、AIツールやプロンプトが、社内で共有されないで整理しています。

スキルへの移行に備えたGemの作り方

これからGemを作るなら、スキルへの移行も知っておく必要があります。

スキルは、どのチャットからでも呼び出せる仕組みで、Geminiアプリでは2026年10月13日から順に使えるようになっています。
Workspaceでは、Gemの名前や説明、カスタム指示、知識のファイルが自動でスキルに引き継がれます。
ただし、移ったスキルは作った人が有効にするまで使えません。

気をつけたいのは、Deep ResearchやCanvasなど、Gemで使えた標準のツールの多くが、今のところスキルでは使えない点です。
さきほどの取引先の下調べのGemのように、Deep Researchを使うGemは、スキルに移すと今のところ同じ使い方はできません。
また、古い形式のOfficeファイル(.docや.xls)や、音声と動画のファイルは、移行で引き継がれません。

そのため、知識に入れる古い形式のファイルは、新しい形式で保存し直してから入れます。
そのうえで、ツールに頼るGemかどうかを説明に書いておくと、移行のときに仕分けやすくなります。

Gemで使っているものが、スキルに移ったときにどうなるかを並べた図。名前・説明・カスタム指示・知識のファイルは、Workspaceでは自動でスキルに引き継がれる。ただし自動で移ったスキルは、作った人が有効にするまで使えない。Deep ResearchやCanvasなど、Gemで使えた標準のツールの多くは今のところスキルでは使えず、Deep Researchを使う顧客リサーチのGemはここに当たる。.docや.xlsのような古い形式のOfficeファイルと、音声・動画のファイルは移行で引き継がれない。これから作るGemは、知識の資料をPDFやテキストにし、ツールに頼るGemかどうかを説明に書いておく

Gemの終了とスキルの中身、企業が今から決めておくことは、Gemの廃止とGeminiのスキルへの移行。Gemを移す手順と企業が今から決めておくことで詳しく扱っています。

スキルに移ったGemを有効にする順番

前の節のとおり、Workspaceでスキルに移ったGemは、作った人が有効にするまで使えません。
部署で配ってきたGemが多いと、どれから有効にするかを、作った人の記憶だけで決めることになります。

私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」では、Chromeの拡張機能がGemの一覧に共有済みかどうかを表示し、Gemの編集画面からそのまま登録できます。
登録したGemは、ツールごとに使われた回数と使っている人が見えます。
よく使われているGemから有効にし、誰も使っていないGemは有効にしないまま終える、という順番をその数字から付けられます。

AI Portalizeには、すぐ使える業務アプリも300以上あり、自社の業務に合わせて手直しして使えます。

業務で使うGemは、仕事用のアカウントで作る

一言でいうと、Gemとは、指示と資料を保存しておけるGeminiです。
無料の個人アカウントでも作れますが、個人のGemは2026年11月17日に読み取り専用になります。
業務の資料を入れるGemは仕事用のアカウントで作り、社内の人だけに共有してください。

最初の1つは、毎週同じ前置きを書いている依頼から選ぶと、作ったその日から使い道がはっきりします。
社内のAIボットを作って共有し、改善していく全体の流れは、社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルにまとめています。

参照した情報(2026年10月29日〜30日に確認)

すぐ使える業務アプリが300以上

開いてそのまま使えて、AIで自社用にも直せます。15の分野から、やりたい作業で探せます。業務アプリを見る

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

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