組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

社内wikiの作り方。1つの問いに1ページで書き、Gemini Notebookで質問して探せるようにする

社内wikiの作り方。1つの問いに1ページで書き、Gemini Notebookで質問して探せるようにする

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

社内wikiは、1つの問いに1ページで書き、業務ごとに直す人を決め、聞かれた質問にはページのURLで答えると続きます。
Google Workspaceを使っている会社なら、GoogleドキュメントとGoogleサイトで作れます。
ページをGemini Notebook(旧NotebookLM)に入れておくと、題名を知らない人も質問で探せます。

「何でも書いて」と呼びかけるだけで始めた社内wikiと、先に決めてから始めた社内wikiを左右に並べた図。呼びかけだけのときは、1ページの大きさがばらばらになり、直す人がいないので古いページが残り、部署ごとの階層で部署の外の人がたどれず、質問はまたチャットに戻る。先に決めるときは、1つの問いに1ページでひな形をそろえ、直す人を業務ごとに決め、聞かれた質問にはページのURLで答え、ページをGemini Notebookに入れて普段の言葉で質問できるようにする

社内wikiとは、社員が自分で書き足したり直したりしながら使う、社内向けの情報ページの集まりのことです。
ただ、立ち上げた直後はページが次々に増えても、直す人が決まっていないと、数か月で更新が止まりがちです。
担当者からは「wikiに書いたのに、なぜまたチャットで聞かれるのか?」という声が上がります。

社内wikiの作り方の手順

社内wikiは、次の順で作ります。

1. 誰が何を探しに来るwikiかを1行で書く
2. チャットやメールで何度も聞かれている質問を選ぶ
3. 1つの問いを1ページにして、ひな形に沿って書く
4. ページを読む人の場面ごとに分け、入口のページを作る
5. 業務ごとに直す人と、見直しの時期を決める
6. 聞かれた質問には、ページのURLで答える

最初は1つの部署か1つの業務に絞ります。
何ページか書いてから声をかけるほうが、空のwikiを渡して「書いてください」と頼むより、書き足す人が出てきやすいと思います。

社内wikiとは

wikiは、複数の人がブラウザからページを書き足して直し、ページ同士をリンクでつなげていける仕組みの呼び名です。
社内wikiには、手続きのやり方やツールの使い方のように、社内の誰かがくり返し調べる情報を載せます。

共有フォルダやチャットと比べると、違いは次のとおりです。

共有フォルダ

チャット

社内wiki

置き方

ファイルを1つずつ置く

質問と答えが時系列に流れる

1つの話題を1ページに書く

探し方

フォルダをたどるか、ファイル名で探す

過去の発言を検索する

題名と本文を検索し、リンクをたどる

中身が変わったとき

新しい版のファイルが増え、どれが最新か分かりにくい

新しい答えが別の場所に流れていく

同じページを直すので、最新はいつも1ページ

一言でいうと、社内wikiの強みは「直して上書きできる」ところにあります。
逆に言うと、直す人がいなければ、古いページがそのまま残り続けます。

共有フォルダ、チャット、社内wikiを、置き方・探し方・中身が変わったときの3つの観点で比べた図。共有フォルダはファイルを1つずつ置き、フォルダをたどるかファイル名で探し、中身が変わると新しい版のファイルが増えてどれが最新か分かりにくい。チャットは質問と答えが時系列に流れ、過去の発言を検索し、新しい答えが別の場所に流れていく。社内wikiは1つの話題を1ページに書き、題名と本文を検索してリンクをたどり、同じページを直すので最新はいつも1ページ。直す人がいなければ、古いページがそのまま残り続ける

更新が止まった社内wikiの共通点

まず、「気づいたことは何でも書いてください」と呼びかけて始めたwikiは、1ページの大きさがばらばらになります。
1行のメモと、いくつもの話題を詰め込んだ長いページが並び、読む人はどこに答えがあるのか分かりません。

次に、直す人が決まっていないので、制度や手順が変わっても古いページがそのまま残ります。
一度古い答えに当たった人は、wikiを開く前にチャットで聞くようになり、そのぶん書き足す人も減っていきます。

もうひとつが、部署ごとの階層にページを置いているwikiです。
部署の外の人は、どの部署のページに答えがあるのかを知らないので、たどり着けません。

書かれない、古くなる、探せないの3つは、どれも作る前に決めておく項目が抜けたところから起きています。
チャットに流れた答えを拾ってナレッジにする方法は、ナレッジ共有とは。進まない理由と、チャットに流れた答えをGemでFAQにする仕組みで扱っています。

最初に載せる範囲とページのひな形

ツールを開く前に、「新しく入った人が、人に聞かずに入社の手続きと備品の申請を済ませられる」のように、読む人と、その人が済ませたい仕事を1行で書きます。
この1行があると、載せるかどうか迷ったページを、読む人が使うかどうかで判断できます。

ページの単位は、読む人の問い1つに合わせます。
「PCのこと」のような大きな題名ではなく、「会社のPCを社外に持ち出すときの申請」のように、読む人が知りたいことをそのまま題名にします。
社内の正式な呼び名と普段の呼び方が違うなら、「持ち出し申請(PC・ノートパソコン)」のように両方を書いておくと、検索で見つかりやすくなります。

ページの元になる文章は、たいていチャットの中にもうあります。
例えば、誰かが「PCを持ち出すなら、情シスのフォームから前日までに申請してね」と答えていれば、その一言が1ページの下書きです。
これを、次の欄のあるひな形に書き直します。

  • 答え

  • 手順

  • 例外と注意

  • 関連ページ

  • 担当

  • 最終確認日

最初の2〜3行に、何をすればよいかの答えを書きます。
手順はフォームや画面の名前を操作の順に並べ、例外と注意には、当てはまらない場合とよく間違える所を書きます。
関連ページには前後の手続きや似た質問のページへのリンクを置き、担当にはこのページを直す人の部署と名前、最終確認日には担当が中身を確かめた日を入れます。

ひな形がそろっていると、書く人は欄を埋めるだけで済み、読む人はどのページでも同じ場所で答えを探せます。
同じ話を2つのページに書くと片方だけが古いまま残るので、片方にはもう片方へのリンクだけを置きます。

チャットで答えた一言を、社内wikiのページのひな形に書き直した例の図。元の一言は「PCを持ち出すなら、情シスのフォームから前日までに申請してね」。書き直したページは、題名が「会社のPCを社外に持ち出すときの申請(持ち出し申請)」、答えが情シスのフォームから前日までに申請する、手順がフォームの名前を操作の順に、例外と注意が当てはまらない場合とよく間違える所、関連ページが前後の手続きや似た質問のページ、担当がこのページを直す人、最終確認日が担当が中身を確かめた日。内容は説明のための例

ページの並べ方は、部署ではなく、読む人の場面で分けます。
「入社したとき」「経費と支払い」「PCとアカウント」のように分けておくと、部署の外の人もたどれます。

直す人と見直しの決め方

まず、直す人をページごとではなく業務ごとに決めます。
「経費と支払い」のページは経理の誰か、「PCとアカウント」は情シスの誰か、と決めておくと、制度が変わったときに直す人がすぐ分かります。
業務ごとに更新の担当を置く考え方は、古い情報で答えるAIを作らない。社内ナレッジの更新体制のつくり方で詳しく扱っています。

次に、聞かれた質問には、wikiのページのURLで答えると決めます。
答えるページが無ければ、答えたあとでページを書いてURLを返し、中身が違っていたら、その場で直してから返します。
この決まりがあると、日々の問い合わせがページを書くきっかけになるので、「書く時間」を別に取らなくても済みます。

質問にはページのURLで答える決まりで回る流れを示した図。チャットやメールで質問が来たら、wikiのページのURLで答える。ページが無ければ答えたあとで書き、中身が違えばその場で直す。次に同じことを知りたい人は、ページで自分で調べられる。これとは別に、最終確認日が古い順にページを並べ、担当に中身を確かめてもらう

もうひとつが、見直しの時期です。
最終確認日が古い順にページを並べ、担当に中身を確かめてもらいます。
変わりがなければ、最終確認日だけを確かめた日に直します。

GoogleドキュメントとGoogleサイトで社内wikiを作る

Google Workspaceを使っている会社なら、専用のツールを入れなくても、手持ちのGoogleドキュメントとGoogleサイトで社内wikiを形にできます。

1ページを1つのGoogleドキュメントにして、共有ドライブの場面ごとのフォルダに置きます。
入口のページはGoogleサイトで作り、ヘルプのとおり、右側の「挿入」からドキュメントを選んで入れ、右上の「公開」を押すと変更が反映されます。

サイトを見られる人は、共有アイコンの「公開済みサイト」で「制限付き」を選ぶと、特定のユーザーやグループに絞れるとヘルプにあります。
社内wikiは「制限付き」にして社内の人やグループだけに見せ、誰でも見られる公開の設定は、選べる場合でもおすすめしません。
社内の手続きや資料が、社外の人の目に触れるおそれがあるためです。

同じヘルプによると、共有ドライブにあるファイルや共有を制限したファイルは、サイトに入れても、アクセス権のある人にしか表示されません。
サイトを見せる相手とドキュメントを読める相手をそろえておかないと、「wikiを開いたのに中身が見えない」という問い合わせが来ます。

一方、Notionのような専用のツールは、見直しを助ける機能を持っています。
Notionのwikiでは、ページを作った人がオーナーになり、期限を決めて「確認済み」の印を付けると、期限が切れたときにオーナーへ通知が届きます。
Notion AIは見る権限のある情報だけを使ってワークスペースのページから答えを探し、使えるのはBusinessとEnterpriseのプランです(FreeとPlusはお試しの回数まで)。

GoogleドキュメントとGoogleサイトで作る社内wikiと、Notionのような専用のツールを比べた図。手持ちの場合は、1ページを1つのGoogleドキュメントにして共有ドライブの場面ごとのフォルダに置き、Googleサイトの「挿入」からドキュメントを入れて「公開」する。見られる人は「公開済みサイト」の「制限付き」で特定のユーザーやグループに絞り、ドキュメントの共有権限とそろえる。見直しはページの担当と最終確認日の欄で回し、AIで聞くならGemini Notebookにドキュメントを入れる。Notionのwikiでは、ページを作った人がオーナーになり、期限を決めた確認済みの印が切れるとオーナーに通知が届く。Notion AIは見る権限のある情報だけを使い、使えるのはBusinessとEnterpriseのプラン

1つの部署で始めるなら手持ちのドキュメントで足り、ページの持ち主や確認の期限を製品の中でそろえたくなったら、専用のツールを比べる時期です。
ナレッジ管理ツールの型と選び方は、ナレッジ管理ツールの選び方。専用ツールか、GoogleドライブとGemini Notebookで足りるかで比べています。

Gemini Notebookで社内wikiを質問で探せるようにする

ページを整えても、「PCを家に持って帰りたい」と思って探す人が、「持ち出し申請」という題名にたどり着けるとは限りません。
そこで、wikiのページをGemini Notebook(旧NotebookLM)に入れて、普段の言葉で質問できるようにします。

場面ごとに1冊のノートブックを作り、wikiのドキュメントをGoogleドライブからソースとして入れます。
ヘルプによると、ドライブから入れたソースは数分ごとに同期されるので、wikiのページを直せばノートブックにも反映されます。
パソコンからアップロードしたファイルは取り込んだ時点のコピーになるので、wikiのページはドライブから入れておきます。
仕事用アカウントの標準の枠では1冊のソースは50件までなので、ページが多いときは場面ごとにノートブックを分けます。

チャットの答えは入れたソースだけをもとに作られ、引用を選ぶと、ソースの該当箇所に移って前後の文まで読めます。
金額や期限のような答えは、引用からwikiのページを開いて確かめてから使います。
「この質問には答えられません」と返り、言い換えても答えが出ないなら、その話はwikiにまだ書かれていないので、担当に伝えてページを書き足してもらいます。

Gemini Notebookで引用の番号を選ぶと、ソースの該当箇所が開く画面

wikiのページを入れたGemini Notebookに、普段の言葉で質問したときの分かれ方を示した図。答えが返ったときは、答えは入れたページだけをもとに作られるので、金額や期限は引用からwikiのページを開いて確かめてから使う。「この質問には答えられません」と返り、言い換えても答えが出ないときは、その話はwikiにまだ書かれていないので、担当に伝えてページを書き足してもらう

ノートブックを共有すると、閲覧者も中のソースを読めます。
共有は社内の人だけにし、入れるのは共有する相手の全員が読んでよいページだけにします。
社外の人が開ける共有のしかたは、できる場合でもおすすめしません。
どのページまで入れてよいかの最終的な判断は、社内の情報システムの担当に確かめてください。

共有の手順はGemini Notebook(旧NotebookLM)の共有方法。社内で使える状態にするまでに、社内文書をAIで検索するほかのやり方とRAGとの違いは社内文書をAIで検索する方法。RAGの仕組みと、作らずに始めるやり方にまとめています。
ノートブックが部署の外で開かれないときの原因は、「社内の資料に答えるAIを作っても、全社で使われない」のページで分けています。

止まった社内wikiは、今あるページの仕分けから動かし直す

更新が止まったwikiでも、今あるページの中には、まだ問い合わせに答えているものが残っています。
全部を書き直さなくても、使われているページから手を入れれば動かし直せます。

私たちのAI活用の伴走支援では、今あるページを最近の問い合わせと突き合わせて、残すページ・直すページ・片づけるページに分けるところから、現場の方と一緒に手を入れています。

社内wikiは、聞かれた質問にページのURLで答えると続く

社内wikiは、1つの問いに1ページで書き、業務ごとに直す人を決め、質問にはページのURLで答えると、日々の問い合わせが更新のきっかけに変わります。
そのうえでページをGemini Notebookに入れておくと、題名の言葉を知らない人も、質問から同じページにたどり着けます。

社内のナレッジをAIで引き出すやり方の全体は、社内ナレッジをAIで活用する方法。ツール導入・RAG・手持ちのAIの選び方にまとめています。

ページの数より、聞かれた質問がページのURLで返されているかどうかのほうが、社内wikiが使われているかをよく表しています。

参照した情報(2026年10月29日に確認)

すぐ使える業務アプリが300以上

開いてそのまま使えて、AIで自社用にも直せます。15の分野から、やりたい作業で探せます。業務アプリを見る

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

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