組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

請求書の作成を無料で行う方法。見積書も同じ様式でExcelで作り、PDFにして保存する

請求書の作成を無料で行う方法。見積書も同じ様式でExcelで作り、PDFにして保存する

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

請求書の作成は、載せる項目を決めてExcelの表に入れ、PDFにして保存すれば、無料でできます。
見積書も同じ様式で、日付と項目を少し変えるだけで作れます。

Excelで枠を作る時間も省きたいときは、そのまま使える業務アプリもあります。
ただ、組織で回すときは、作り方が文書になっていないことと、判断が含まれることが、特定の人に作成が集中する原因になります。

文書作成が特定の人に集中する3つの理由。最も本質的なのは判断が含まれることで、手順は書けるが判断の基準は経験がある人にしか書けない。ほかに、作り方が文書になっていないこと、過去の文書を参照する必要があることがある

Excelで請求書を作成してPDFにする手順

初めて作る人でも迷わないように、手順は6つに絞っています。

1. Excelで新しいブックを開き、1枚目のシートを請求書にする
2. 上のほうに、宛先、請求日、自社の名前と住所、振込先を入れる
3. 表を作り、品名・数量・単価・金額の列を並べる
4. 金額の列を「数量×単価」の数式にし、小計・消費税・合計も数式にする
5. 「ファイル」から「コピーの保存」を選び、ファイルの種類で「PDF」を選んで保存する
6. 保存したPDFを開き、宛先と金額を見直してから送る

PDFにする手順は、Microsoftの説明にあるとおりです。
ファイル名に請求日と宛先を入れておくと、あとで探すときに迷いません。

一言でいうと、金額を数式にするのは、手で計算して打ち間違える事故を防ぐためです。
翌月からは、このブックをコピーして日付と明細だけを書き換えれば、同じ様式で請求書を作れます。

請求書に載せる項目

載せる項目は、国税庁が示している適格請求書の記載事項が目安になります。
国税庁の説明では、次の6つが挙げられています。

  • 売り手の氏名または名称と登録番号

  • 取引年月日

  • 取引内容(軽減税率の対象品目はその旨)

  • 税率ごとに合計した金額と適用税率

  • 税率ごとの消費税額

  • 買い手の氏名または名称

この6つを最初から枠に入れておけば、請求のたびに入れ忘れを心配せずに済みます。
自社が適格請求書を出す立場かどうか、取引先がどの形式を求めているかは、経理の担当者か税理士に確認してください。

見積書も同じ様式で作る

見積書のテンプレートは、請求書と作りがほぼ同じなので、請求書のブックを複製して作るのがいちばん早い方法です。
変えるところは、次のとおりです。

  • 題を「請求書」から「御見積書」に変える

  • 請求日を、見積日と有効期限に変える

  • 振込先を外し、納期と支払条件を入れる

見積書の項目は、相手に出す条件が読み取れるものを目安にします。
そのため、当社では、品名と単価の一覧を別のシートに置き、見積書と請求書の両方がその一覧を使う形をおすすめします。
同じ品名を二度打たずに済むので、見積書から請求書に写すときの打ち間違いが減ります。

作らずにすぐ使うなら、業務アプリの見積書・請求書作成

Excelの枠を作る手間も省きたいときは、業務アプリの見積書・請求書作成をそのまま使う方法があります。
名前のとおり、見積書と請求書を作るためのアプリです。
PDFにして送るところまで任せたいときは、見積書・請求書のPDF作成と送付もあります。

私たちの組織のAIポータル「AI Portalize」には、こうしたすぐ使える業務アプリが300以上あり、自社の業務に合わせて手直しして使えます。
入力できる項目や画面は、各アプリのページで確かめてください。

請求書づくりが特定の人に集中する理由

ここからは、請求書や見積書を組織で回す話です。
作成が特定の人に集中していて、その人が休むと止まり、繁忙期には順番待ちになる組織は少なくありません。
「この見積書、前回はどう書いたんだっけ?」「作るのは難しくないのに、その人しかやり方を知らない」という声が上がります。

集中する理由は、次の3つです。

  • 作り方が文書になっていない

  • 判断が含まれる

  • 過去の文書を参照する必要がある

「作り方が文書になっていない」ときは、やり方がその人の頭の中にあるので、ほかの人が着手できません。
「過去の文書を参照する必要がある」ときは、「前回はどう書いたか」の置き場所を知っているのがその人だけになります。

最も本質的なのは、「判断が含まれる」ことです。
手順は書けても、金額の設定や条件の書き方、例外の扱いといった判断の基準は、経験がある人にしか書けません。
判断の基準を言語化できれば、ほかの人でも作れるようになります。

通常のケースは誰でも作れるので、型にする価値は例外の側にあります。
社内のAIボットを共通資産にする全体像は、社内AIボットを共通資産にする。作成・共有・改善のサイクルにまとめてあります。

見積書・請求書・委託指示で変わる、AIに任せる範囲

見積書、請求書、委託のタスク指示は、同じ型の文書に見えて、重くなる部分が違います。
見積書は相手に出す文書で、金額と条件の判断が入ります。
請求書も相手に出す文書ですが、決まった内容を正確に書くのがすべてです。
委託のタスク指示は社外の相手に依頼する文書で、依頼の明確さが重くなります。

つまり、判断の重さが違うので、3種それぞれで型にする部分も対処も変わります。
バックオフィス全体をどこから始めるかは、バックオフィスのAI活用は守りから入る。請求・集計・リスクチェックにまとめてあります。

見積書・請求書・委託のタスク指示の3種を、重くなるもの、型にすること、AIに任せることで比べた表。見積書は金額と条件の判断、請求書は正確性、委託の指示は依頼の明確さが重い

見積書では、金額と条件の判断の基準を言語化します。
具体的には「基本の価格」「変動の要素」「値引きの範囲」「例外の扱い」の4つです。
なかでも「例外の扱い」がいちばん価値があり、例外が記録されていないと、結局その人にしか判断できないままになります。

AIに任せるのは、条件から見積書の形にする部分だけです。
金額の判断は人が行い、計算もAIにさせず数式で行うルールを、例外なく徹底します。
数字を扱う業務での役割分担は、AIに計算させない。数字を扱う業務での役割分担を組織ルールにするにまとめてあります。

請求書では、請求書AIに任せられる作業が次の3つあります。

  • 契約の内容から請求の項目を整理する

  • 過去の請求書から形式をそろえる

  • 請求の漏れを検出する

いちばん価値があるのは、請求の漏れの検出です。
例えば「例年この時期に発生している請求で、今月まだ入っていないもの」を挙げさせると、人の記憶に頼っていた確認が仕組みになります。

確認の工程は「金額が契約と一致するか」「期日が正しいか」「宛先が正しいか」の3つを置き、金額は必ず人が契約書と突き合わせます。
経理側の型そのものは、経理のAI活用を型にする。集計・照合・チェックの標準セットで扱っています。

委託のタスク指示では、依頼の内容を6項目で構造化します。
「何を」「なぜ」「いつまでに」「どの水準まで」「判断してよい範囲」「困ったときにどうするか」の6つです。

社外への委託の指示書には、成果物の権利の扱いと秘密保持の範囲を足します。
具体的には、抜けると後から問題になる項目なので、毎回書いておきます。
AIに任せるのは口頭の内容を6項目に整理する部分で、足りない項目を指摘させると書き忘れが見つかります。
依頼そのものの構造化は、丸投げと伝言ゲームをなくす。タスク依頼を構造化するにまとめてあります。

型を作るときに決める5項目と、承認の条件

どの文書でも共通して決めるのは、次の5項目です。

  • 参照する過去の文書

  • 判断の基準

  • 承認が必要な条件

  • 確認の工程

  • 保管の場所と命名

なかでも「参照する過去の文書」がいちばん飛ばされる項目です。
過去の文書がどこにあるか分からなければ、参照のしようがないからです。
最初の作業は、過去の文書を1か所に集めて、最新版をはっきりさせるところから始まります。

型を作るときに共通して決める5つ。参照する過去の文書、判断の基準、承認が必要な条件、確認の工程、保管の場所と命名。最も飛ばされるのは参照する過去の文書

例外の記録は、これから発生する分から始めれば足ります。
過去を遡って洗い出さなくても、理由とともに記録していけば、1年で使える資産になります。

承認が必要になる条件は、先に明示しておきます。
見積書なら「金額が一定額を超える」「標準の条件から外れる」「新規の相手」です。
請求書なら「金額が契約と違う」「期日を変更する」で、委託の指示なら「金額が一定額を超える」「新規の委託先」「個人情報を扱う」といったところです。

条件に当たらないものは承認不要とします。
すべてに承認を求めると、承認待ちで仕事が止まるからです。
あわせて承認の期限を3営業日以内と決め、誰がいつ承認したかの記録を残します。

承認が必要になる条件を文書の種類ごとに示した表。見積書は金額が一定額を超える・標準の条件から外れる・新規の相手、請求書は金額が契約と違う・期日を変更する、委託の指示は金額が一定額を超える・新規の委託先・個人情報を扱う

型にすると付いてくる副産物と、つまずきやすい7つ

配る資料は、「文書ごとの型」「判断の基準」「承認が必要な条件」「確認のチェックリスト」の4つです。
「文書ごとの型」には、条件を入れれば文書の形になる指示文を添えます。
判断の基準は、型の本体になるので最も丁寧に作ります。

配る相手は、その文書を作る可能性がある人に絞れば十分です。
新しく担当になった人に渡せば、そのまま引き継ぎの資料になります。

型にすると、副産物が3つ付いてきます。

  • 引き継ぎが楽になる

  • 監査で説明できる

  • 判断の一貫性が保たれる

なかでも「判断の一貫性が保たれる」のが、いちばん価値があると思います。
同じ条件の相手に違う見積が出ていた、という状態が解消されるからです。
基準が明確になると「弊社の基準ではここまでです」と言えるようになり、交渉も楽になります。

型化の副産物3つ。判断の一貫性が保たれることが最も価値があり、同じ条件の相手に違う見積が出る状態が解消され、交渉も楽になる。ほかに、引き継ぎが楽になること、監査で説明できることがある

逆に言うと、基準がないと、その場の判断になって、後から「あの相手にはこう出したのに」という問題が起きます。
資料そのものを工程に分ける話は、スライド制作の工程をAIで分解する。構成・元データ・デザインの分業で扱っています。

つまずきやすいのは、次の7つです。

つまずきの7つと、それを避ける決めごとを左右に並べた図。過去の文書を整理せずに型を作るなら1箇所に集める、例外を記録しないなら理由つきで記録する、計算をAIに任せるなら数式で計算する、など

  • 過去の文書の場所を整理せずに型を作る

  • 例外の扱いを記録しない

  • 計算をAIに任せる

  • すべてに承認を求める

  • 承認の期限を決めない

  • 委託の指示に権利と秘密保持を書かない

  • 判断の基準を作らずに手順だけ配る

どれも、文書を1か所に集め、理由つきで例外を記録し、数式で計算し、条件を明示して期限を3営業日と決め、権利と秘密保持の2項目を足し、基準を本体として作れば避けられます。

判断の基準を本体にすれば、文書作成は誰でも回る

請求書は、項目を決めてExcelの枠に入れ、PDFで保存すれば無料で作れます。
見積書は同じ枠で作り、組織で回すときは、判断の基準と例外の記録を型の本体にします。

見積書について、過去1年の例外的なケースとその判断の理由を洗い出せた時点で、基準はもう形になっています。

参照した情報(2026年11月1日に確認)

すぐ使える業務アプリが300以上

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執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

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