組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

表の作成をAIで行う方法。Geminiに列を指定して頼み、数値を確かめてから使う

表の作成をAIで行う方法。Geminiに列を指定して頼み、数値を確かめてから使う

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

表の作成をAIで行うなら、Geminiの入力欄に「列の名前」「件数」「出典の列を入れる」の3つを書いて頼むのがいちばん早い方法です。
出てきた表は、右下の「Google スプレッドシートにエクスポート」を選ぶと、そのままスプレッドシートに移せます。

ただ、表は整っているぶん、中身を確かめないまま使われやすくなります。
数字だけは、出典に戻って確かめてから使います。

表の出力が危うい3つの理由と、信頼できる表の2つの条件を左右に並べた図。形が整っていると正しく見える、空欄を作らないよう埋め合わせが起きる、セルに出典が入らない。対して、出典の列があること、不明が許されていることが条件

GeminiでAIに表を作成させ、スプレッドシートに移す手順

Geminiで表を作る手順は、次の6つです。

1. gemini.google.com を開く
2. 入力欄に、表にしたい内容と列の名前を書く
3. 行に番号を振るよう頼み、出してほしい件数を書く
4. 件数に足りないときは理由を書くよう、情報がない項目は「不明」と書くよう頼む
5. 「出典」の列を入れ、出典を書けない行は入れないよう頼む
6. 表が出たら、出典の列と数字を見て、直したい行をチャットで頼み直す

表が使える形になったら、表の右下にある「Google スプレッドシートにエクスポート」を選びます。
Geminiアプリのヘルプでは、Googleドライブに新しいスプレッドシートとして表が保存されると説明されています。
表を含む回答だけが対象で、画像を含む表はエクスポートできません。

Geminiに貼るプロンプトの例は次のとおりです。

以下の内容を表形式で出してください。列は『会社名』『事業内容』『直近の発表』『出典』の4つです。行に番号を振ってください。5件出してください。5件に満たない場合は、その旨を書いてください。情報がない項目は『不明』と書き、推測で埋めないでください。出典を書けない情報は含めないでください。

プロンプトは、最初から完璧に書く必要はありません。
一度表を出して、列を足したい、件数を変えたいと思ったら、チャットで追加を頼みます。
使いながら直していくほうが、結果的に早く仕上がります。

業務でそのまま使えるプロンプトの例はプロンプトテンプレートの例文集。業務でそのまま使える10本と社内での配り方に、プロンプトそのものの書き方は全社共通のプロンプト作法を決める。押さえるべき7つの基本にまとめてあります。

スプレッドシートを開いたまま作るなら、右上の「Gemini に相談」からも表を作れます。
Gemini in Google スプレッドシートのヘルプには、サイドパネルでプロンプトを送り、挿入アイコンで表を追加するという手順があります。
すでにあるデータの範囲は、表の機能のヘルプにある「テーブルに変換」の提案を承認すると、Geminiが書式を整えて表にします。

どちらの機能も、対象のWorkspaceやGoogle AIプランが必要で、Geminiの提案には不正確な情報が含まれる場合があるという注意書きもあります。
スプレッドシートの中でAI関数を使う場合の勘所は、スプレッドシートのAI関数で終わる業務・終わらない業務にまとめてあります。

表の中身が確かめられないまま通る理由

表は形が整っているので、中身を確認しないまま使われてしまいます。
危うさは、次の3つに分かれます。

形が整っていると、中身も正しく見えてしまいます。
表の形で頼むと、空欄を作らないように埋め合わせが起きやすくなります。
表のセルには出典が入らないので、後から確認できなくなります。

なかでもいちばん危ないのは、埋め合わせです。
文章の形であれば「情報がありません」と書かれる場面でも、表の形だと何かが入ってしまいます。
入ってくるのは、たいてい「もっともらしい値」なので、疑う手がかりがどこにもありません。

列名・番号・件数と、出典の列を指示に入れる

手順の2から5で書いた項目には、それぞれ役目があります。

列の名前を決めておくと、複数回の出力を並べて比べられます。
「表形式で」とだけ頼むと列が毎回違ってきますが、「列は『会社名』『事業内容』『直近の発表』『出典』の4つで」と書いておけば形がそろいます。

行に番号を振らせておくと、そのまま件数を数えられます。

件数の明示は、「5件出してください。5件に満たない場合は、その旨を書いてください」の形で頼みます。
件数だけを指定すると、足りないときにそこで埋め合わせが起きるので、「満たない場合はその旨を書く」までがひと組です。

表で出させるときに指示へ入れる3つの作法。列名の指定、行への番号の付与、件数の明示。件数には、満たない場合はその旨を書くという一文を必ず添えるのがいちばんの要点

いちばん役に立つのは、「出典」の列を必ず入れて、「出典がない行は、削除する」と決めておく点です。
効果は3つあります。

出典を書けない情報はそもそも出せなくなるので、埋め合わせが減ります。
気になる行だけ出典に戻って確かめられます。
出典が公的な資料か個人の記事かで、信頼の度合いも判断できます。

一言でいうと、「出典の列が空欄の行が多い表は、そもそも使えません」。
これが、いちばんの判断基準になります。

出典の列を必ず入れ、出典がない行は削除するというルールの3つの効果。埋め合わせが減る、気になる行だけ出典に戻って確認できる、出典が公的な資料か個人の記事かで信頼の度合いが分かる

社内の資料を参照させる場合も出典は同じように入れておくと、その文書が改訂されたときに影響をすぐ確かめられます。

「不明」を許した表のほうが信頼できる

埋め合わせへの対処は、「情報がない項目は『不明』と書いてください」を指示に入れておくことです。

ただ、不明が多いと「この表、使えないのでは?」という声が上がります。
不明が多い場合の意味は2つあって、渡した情報のほうが足りていないか、そもそも公開されていないか、どちらかです。

前者なら、参照させる資料を増やせば済みます。
後者は調べても分からない情報として受け止め、別の経路で調べるという判断につなげます。

逆に埋め合わせで埋まってしまっていると、分からないということ自体が見えなくなります。
そのため、不明が多い表のほうが実は信頼できるという見方を持っておきます。

不明が多い場合の意味は2つあることを示した図。渡した情報が足りないなら参照させる資料を増やし、そもそも公開されていないなら調べても分からない情報として受け止める。分からないと分かること自体に価値がある

数値は出典に戻って確かめてから使う

いちばん大切な工程は、表に入った数値を一次情報と突き合わせることです。

市場の規模や実績の数字、価格のように、数値の誤りは判断そのものを誤らせます。
そのため、照合できない数値は削除します。

整った表を見ると、確認済みだと思い込んでしまい、この照合が飛ばされがちです。
だからこそ、「表の数値は、出典に戻って照合する」を工程として置き、照合したことを記録に残します。

すべての数値を照合するのは現実的ではないので、範囲は判断に使う数値だけに絞ります。
判断の目安は、社外に出るか、金額が動くか、意思決定の根拠になるか、この3つです。

表の数値を一次情報と突き合わせる工程。照合する範囲を判断に使う数値に絞り、出典に戻って照合し、照合できない数値は削除し、照合したことを記録に残す。最も重要な工程は出典に戻って照合すること

ファクトチェックそのものの型は、AIの回答をファクトチェックする5分の型。全社の標準動作にするにまとめてあります。

表に向かない場面

すべてを表にすればよいわけではありません。
表が向くのは、複数の対象を同じ項目で比べるときと、項目があらかじめ決まっているとき、量が多いときです。

逆に、判断や解釈を含むもの、対象ごとに項目が違うもの、文脈が必要なものは、表に向きません。
「この案の妥当性」を表のセルに入れると、判断が短い言葉に縮んで根拠が失われます。

なかでもいちばん多い失敗は、「メリットとデメリット」のような判断を表にすることです。
判断の目安は「セルに入る内容が、20字以内に収まるかどうか」です。
超えるようなら、文章で出させます。

表が適する場面と適さない場面を示した図。複数の対象を同じ項目で比べるとき、項目が決まっているとき、量が多いときは表が適する。判断や解釈を含むもの、対象ごとに項目が違うもの、文脈が必要なものは適さない

指示の形そのものを先に決めておく考え方は、成果物のフォーマットを先に決める。指示のばらつきを構造でなくすにまとめてあります。

集計に回す前に、数値の形式をそろえる

表をスプレッドシートに移して集計するなら、数値の形式を先にそろえます。
「1,000」「1000」「約1000」が混ざると集計できないので、「数値は数字のみで、単位や記号を入れないでください」と指定します。

数値の列で「不明」と書かれると集計できないため、数値の列だけは空欄にするよう頼みます。
日付も「2026-09-10」の形に指定しておきます。

集計する前に、形式がそろっているか、異常な値が混ざっていないかを、数値の列を目で見て確かめます。
合計は表の中でAIに出させず、スプレッドシートの数式でやります。
AIが出す合計には、計算の誤りが混ざることがあるからです。

計算の役割分担は、AIに計算させない。数字を扱う業務での役割分担を組織ルールにするにまとめてあります。

作らずにすぐ使える表づくりのアプリと、組織での決め方

メモや議事録を貼って表にまとめるだけなら、プロンプトを毎回書かなくても、すぐ使える業務ツール「情報整理→表化」があります。
詳しいページで、できることと使い方を紹介しています。

組織のAIポータル「AI Portalize」には、こうしたすぐ使える業務アプリが300以上あり、自社の業務に合わせて手直しして使えます。

表の出し方を組織の決まりにするなら、確認の観点を1枚にまとめて、業務の動線の上に置いておきます。
観点は、出典の列が埋まっているか、判断に使う数値を出典と照合したか、件数が指定どおりか、足りない場合は理由が書かれているか、の4つです。

表の出力に限らず、品質を組織でそろえる全体像はAIアウトプットの品質を組織でそろえる。標準化とレビュー体制にまとめてあります。
ルールの素案づくりから社内研修までを進めたいときは、当社のAI伴走支援で、現場の担当者と一緒に進めています。

表は、出典の列と「不明」を許す一行で使える形になる

表の作成をAIで行うときは、列の名前を決め、行に番号を振り、件数を書いて、件数に足りないときは理由を書かせます。
「出典」の列を入れて、出典がない行は入れない、情報がない項目は「不明」と書かせます。

出てきた表は、判断に使う数値だけ出典に戻って確かめます。
集計に使うなら、数値の形式をそろえて、合計はスプレッドシートの数式に任せます。

次に表で出させるときは、プロンプトに「出典」の列と、「不明」と書く指示の1行を足してください。

参照した情報(2026年11月2日に確認)

すぐ使える業務アプリが300以上

開いてそのまま使えて、AIで自社用にも直せます。15の分野から、やりたい作業で探せます。業務アプリを見る

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

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