組織のAI活用をAIポータルと伴走支援で加速

週次レポートを自動生成する。マネジメントの定型業務を外す

週次レポートを自動生成する。マネジメントの定型業務を外す

執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

週次のレポート作成は、マネジメントの定型業務のなかでいちばん時間を取っている作業だと思います。
金曜の午後にデータを集めて、集計して、コメントを書いて、送る、この一連の作業に2〜3時間かかり、しかも毎週やってきます。

ただ、この時間は成果としてはどこにも見えません。
報告は判断の材料であって、それ自体が価値を生むわけではないからです。

今回は、週報の作成を自動化してこの作業を外す設計を書いていきます。
自動化の全体像はAIによる業務自動化の全体像。手段の選び方とコスト設計にまとめてあります。

週次レポートの作業を6つの工程に分けた図。データを集める、形をそろえる、集計する、資料の形にして送るの4つは自動化でき、変化した項目を見つける工程は自動化の補助が効き、コメントを書く工程だけが人の書く部分として残る。データを集める工程が全体の半分を占める

レポート作成に金曜の午後が消える

まず作業そのものを分解すると、工程は6つに分かれます。
データを集める、複数の場所から数字を取ってくる工程で、ここに最も時間がかかります。
形をそろえて集めたデータを同じ形式にしたら、合計や前週比や達成率を集計します。
変化した項目を見つけてどこが動いたかを見たら、コメントを書いて変化の理由と次の打ち手をまとめます。

そのうえで、資料の形式に整えて送るところまでが、最後の工程です。
このなかで、データを集める・形をそろえる・集計する・資料の形にして送る、の4つは完全に自動化できます。
変化した項目を見つける工程は自動化の補助が効き、コメントを書く工程だけが人の書く部分として残ります。

データを集める工程が、全体の半分を占めています。
つまり、ここを自動化するだけで作業時間が半分になります。

数字を見える状態にする話は数字を見える状態にする。データ集計と分析をAIで日常業務化するにまとめてあります。

自動生成できるレポートには3条件があり、載せる項目は5つに絞る

すべてのレポートが自動化できるわけではないので、条件を整理しておきます。
まず、データの場所が決まっていることです。
毎週同じ場所から同じ数字を取ってこられるかどうかで、場所が変わる、あるいは人が入力しているデータは自動化の前に整備が必要になります。

次に、集計の方法が決まっていることです。
毎週まったく同じ計算をするかどうかで、「今週は別の切り口で見たい」という要望が入ると自動化のほうが壊れます。

また、様式が固定されていることです。
毎週同じ形に流し込んで出せるかどうかです。

このなかで最も重要なのは、様式が固定されていることです。
自動化の前提そのものが、様式を固定することで決まるからです。

レポートを自動生成できる3つの条件として、データの場所が決まっていること、集計の方法が決まっていること、様式が固定されていることを示した図。様式の固定が最も重要で、読む側にとっても前週との比較がしやすくなる

様式を固定しておくと、読む側にとっても良いことがあります。
前週との比較がしやすくなり、毎回違う形のレポートは、その都度読み手に理解を求めることになります。

あわせて、載せる内容のほうも絞ります。
レポートは、放っておくと際限なく長くなるからです。
載せるのは5項目までで、主要な指標の数字は3つまで、前週との差、特に動いた項目とその理由の仮説、今週の打ち手、確認が必要な点、という並びになります。

詳細のほうは、別紙に回します。
部門ごとの内訳や明細のデータは、聞かれたときに出せる状態にしておけば十分です。

5項目に絞る理由は2つあり、読まれるためと判断できるようにするためです。
10項目もあるレポートは読まれませんし、情報が多すぎると、どこを見て判断するかが決まらなくなります。

そのなかでも「指標を3つに絞る」ところが、実は最も難しい部分です。
見たい数字はいくらでも出てきますが、動いたら手を打てる指標だけに絞り込みます。

レポートに載せる5項目として、主要な指標の数字(3つまで)、前週との差、特に動いた項目とその理由の仮説、今週の打ち手、確認が必要な点を示した図。打ち手と確認が必要な点は必ず入れ、詳細は別紙に回す

読み手のアクションに接続してこそ、レポートは読まれる

この部分が、レポートの価値そのものを決めることになります。
なぜなら「数字を報告するだけのレポート」は、読まれないからです。

目を通して「そうか」で終わってしまいます。
だから、「今週の打ち手」を必ず入れます。
「この数字が下がっているので、〇〇をやります」という形です。

そして「確認が必要な点」も入れます。
読み手に判断してほしいことを、1つだけ書いておきます。
「〇〇を進めてよいか、判断をお願いします」というように書いておくと、読み手のほうに読む理由が生まれます。
自分が判断する立場にいるのだと分かるからです。

あわせて、「指標ごとに、こうなったらこうする」を先に決めておきます。
「商談数が前週比で2割減ったら、訪問計画を見直す」といった形です。
この1行があるだけで、打ち手のほうは自動的に決まります。

コメントをどこまで任せるかも、線引きしておきます。
任せられるのは、変化した項目の抽出と要因の仮説出しまでです。
「前週と比べて大きく動いた項目」「その変化の考えられる要因」といったところまでで、任せられないのは打ち手の判断と見通しのほうです。
「だから何をするか」の部分は、人が決めます。

返ってきた要因は、あくまで「仮説として扱うこと」が前提です。
それらしい要因の説明が出てきても、それは相関の記述であって因果ではないからです。
確定した原因として報告してしまうと、誤った打ち手につながります。
だから報告書のなかでは「仮説」だと明示しておいて、検証の方法を1行だけ添えます。

「判断と見通しを自分で書く」理由は、質問されたときに答えられる必要があるからです。
任せて書かせた見通しは、聞かれたときに説明できません。

コメントの役割分担を示した図。AIに任せられるのは変化した項目の抽出と要因の仮説出しまで、人が決めるのは打ち手の判断と見通し。要因は相関の記述であって因果ではないので仮説として扱い、検証の方法を1行添える

数字の扱いの役割分担はAIに計算させない。数字を扱う業務での役割分担を組織ルールにするにまとめてあります。

構成は6工程、金曜の朝に走らせて人は最後だけやる

実装の構成のほうも、同じく6工程になります。
データを集める、定時に走らせて複数の場所から数字を取って1箇所に集める工程で、ここには判断を入れません。
集計するのは数式で行う工程で、AIには計算させません。
変化した項目を抽出する、前週との差が一定を超えた項目を挙げる工程で、条件で判定できます。

要因の仮説を出すところでAIを使い、様式に流し込んで決まった形に整えます。
そのうえで、人がコメントを書いて送るところが、最後の工程です。
1から5までを金曜の朝に走らせておくと、人がやるのは6つめだけになり、それなら30分で終わります。

実装の6つの工程を示した図。データを集める、集計する、変化した項目を抽出する、要因の仮説を出す、様式に流し込む、人がコメントを書いて送る。1から5を金曜の朝に走らせ、人がやるのは6つめだけで30分で終わる

作った後の設計も要ります。
四半期に一度、レポートそのものを見直します。
そこで見るのは3つで、読まれているか、判断に使われているか、指標が機能しているか、です。

読まれていないレポートは、内容か配信先が合っていません。
「確認が必要な点」に判断が返ってこないなら、読み手が判断する立場にないか、内容が判断できる形になっていません。
3つの指標が動いたときに実際に手を打っていないなら、その指標は見る意味がありません。

四半期に一度レポートを見直すときに見る3つ。読まれていないレポートは内容か配信先が合っていない、確認が必要な点に判断が返ってこないなら読み手が判断する立場にないか内容が判断できる形でない、指標が動いても手を打っていないならその指標は見る意味がない

そのうえで、機能していない指標を外して代わりに別の指標を入れます。
3つという数のほうは、維持したままにします。

管理職の型そのものは管理職のAI活用を型にする。会議設計・タスク委譲・数値把握、指標の設計はAI推進担当者の情報収集と経営判断。リサーチとROIの設計で扱っています。

そもそも必要かを確認してから、自動化する

そのレポートは、本当に必要でしょうか?
最後に、上流での判断についても書いておきます。
レポートを自動化する前に、そのレポートが本当に必要なのかを確認します。
確認するのは3つで、誰が読んでいるか、読んで何をしているか、出さなかったらどうなるかです。

誰が読んでいるかは、名前で言えるかどうかです。
「関係者」としか言えないなら、読まれていない可能性があります。

読んで何をしているかは、判断しているのか確認しているだけかです。
出さなかったらどうなるかは、誰も困らないならやめるという判断もあります。

あわせて、「複数のレポートが重複していないか」も見ておきます。
同じ数字が複数のレポートに載っていることがあり、重複しているなら統合できます。

この確認は、必ず自動化の前にやっておきます。
不要なレポートを自動化したところで、不要なレポートが自動で出続けるだけだからです。

読まれる形に変える話は調査結果を読まれる形に変える。社内共有までを一連の業務にするにまとめてあります。

失敗の型は7つあり、様式を固定せずに自動化する、指標を10個載せる、打ち手を書かない、要因の説明を確定した原因として報告する、見通しをAIに書かせる、集計をAIに任せる、不要なレポートを自動化する、という7つです。
どれも、様式を固定して、指標を3つに絞って、打ち手を1行入れて、仮説と明示して、見通しは自分で書いて、数式で計算して、先に必要性を確認すれば避けられます。

どのレポートを自動化するかの見極めは、当社のAI伴走支援でも業務の洗い出しとAI化の優先順位づけとして扱い、実装まで現場の担当者と一緒に進めています。

週報は、6工程のうち1つを外せば半分軽くなる

週次レポートの作業は6工程で、なかでも「データを集める」が全体の半分を占めています。
つまり、ここを自動化するだけで作業時間が半分になります。
自動生成できる条件は3つで、データの場所が決まっている、集計の方法が決まっている、様式が固定されている、という並びです。
様式の固定が最も重要で、読む側にとっても前週との比較がしやすくなります。

載せるのは5項目までにして、そのうち指標は3つに絞ります。
動いたら手を打てるものだけにし、詳細のほうは別紙に回します。

「今週の打ち手」と「確認が必要な点」の2つは、必ず入れます。
確認が必要な点があると、読み手のほうに読む理由が生まれます。
指標ごとに「こうなったらこうする」を先に決めておくと、打ち手のほうは自動的に決まります。

任せられるのは、変化した項目の抽出と要因の仮説出しまでで、任せられないのは打ち手の判断と見通しのほうです。
質問されたときに、自分で説明できる必要があるからです。

構成のほうも6工程で、1から5までを金曜の朝に走らせておき、人は6つめだけをやります。
それなら30分で終わります。
四半期に一度、読まれているか、判断に使われているか、指標が機能しているかの3点を見て、指標を入れ替えます。

あわせて、自動化する前にそのレポートが必要かを確認します。
誰が読んでいて、何をしていて、出さなかったらどうなるかです。

まずは自分が作っている週次レポートで、データを集める工程に何分かかっているか測るところから始めます。

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執筆:寺田昇平

AI Portalize株式会社 代表取締役/AI Digital Community 代表理事

仕組みとコンサルティング伴走支援の両面で、組織のAI活用の加速を支援。

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